まず、渋谷・チェルシー・ホテルで、フランス人シンガー・ソングライターのヴィアネを見る。今年初夏にもちょい来日し、今回はアジア・ツアーの一環で寄ったらしい。

 フランス人アーティストの場合、本国と日本の人気の差が顕著に見られるが、まさに彼もそう。本国では30万枚とか売り上げているそうだが、会場はフランス人が多く、曲はけっこう唱和状態となる。だが、そのソロ・パフォーマンスに触れ、それもとても腑に落ちた。

 ギター演奏にせよ(アコースティック・ギター使用のもと、サンプリングを巧みに、有機的に用いる)、歌にせよ(伸びやかで、好ましい抑揚や揺れの感覚を持つ)、人なつこいMCや振る舞いにせよ(歌詞は仏語だが、MCは主に英語でやった)、すべてにおいて卓越。彼は米国や英国に生まれ音楽を志していても、多大な注目を集めたと思わずにはいられない。そういう感覚においては、近年接したフランス人アクトのなかで一番かもしれない。そして、その総体はここに才能豊かでココロを持つミュージシャンがいるという手応えをしっかりと得てしまうのだ。アコースティック・ギターを用いるパフォーマンスに腰が引けてしまう好みを持つぼくではありますが、これはほめるしかありませんね。

 その後は、米国人現代ジャズ・シンガー(2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日、2016年9月4日)のショウを南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)で見る。旦那であるドラムのマーク・ジュリアナ(2006年5月17日、2015年3月13日、2016年1月4日、2017年2月2日)、ダブル・ベースのアラン・ハンプトン(2014年8月7日、2016年7月6日)、20代半ばの新進ピアニストのサモラ・アバヨミ・ピンダーヒューズ(サウンド・クラウドに挙げられた音を聞くと、ジャズとは言えない不思議なことをやっている)というトリオを擁してのショウだった。

 まずすぐに感じたのは、伴奏陣がおもしろい、刺激的でもるピアノ・トリオであるなあということ。散文的な余白〜それは発展につながる〜をたっぷり抱えたそれは、パーラトぬきでも成り立つというか、彼らだけの公演にも触れてみたいと思わせる。もう、演奏(間奏)部もたっぷり取られ、パーラト公演のなかでは今まで一番ジャズ仕様が取られたものとも言いたくなったか。それに、パーラト固有のクールネスがすうっと重なる。とにもかくにも、彼女は悠然。我が道をいく。

 と、思ったら、途中で変化球あり。シンガー・ソングライターでもあるアラン・ハンプトンがエレクトリック・ギターを持ち前に出てきて、2曲パーラトとフォーキーなデュオを聞かせた。

▶過去の、グレッチェン・パーラト
http://43142.diarynote.jp/200902040424558168/
http://43142.diarynote.jp/201202251301444372/
http://43142.diarynote.jp/201303221327416224/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
▶︎過去の、アラン・ハンプトン
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201607100828438607/

<今日の、ビミョー>
 なんか、何度もスマホ見歩きの人が前にいてちんたら歩かれ追い抜けなかったり、前方から来るスマホ姉ちゃんとすれ違い様にぶつかりそうになったりして、イライラ。でも、オレも我慢ができない人間なので、スマホを持っていたら間違いなくそれをしちゃうと思う。なので、なかなか思いは複雑? 君子危うきに近寄らず(?)。とにかくなるべく他者に迷惑はかけたくない(そうじゃなくても乱暴な人間なので無意識に他人に負荷を与えているとことがあると思う)ので、ぼくは(歩きながら携帯を見ようとはさせない)ガラ携を持つべきであると思う。改めて、そう感じた。って、単に外出時までPCメールやネット情報確認に追われたくないからだが。そういえば、聞かれれば笑顔で教えるが、長年ぼくは名刺に固定電話の番号(や携帯メールのアドレス)は記しても、携帯電話の番号はいれていない。