ポール・グラボウスキー(2017年9月2日)のピアノ・ソロを、夕方に三田・オーストラリア大使館大使公邸で聞く。マイク・ノック(2011年9月2日)に続く豪ジャズ・ピアノの匠である、と書いても何の問題もない名手でありますね。米国ジュリアード音楽院で学んでおり、今はミュージシャン活動を鋭意する傍ら、オーストラリア一の水準を持つモナック大学(とても大きな規模を持つよう)の音楽学部の重職を担い、ジャズ・マン育成にも力を入れている。

 4曲、それなりに尺を持つ演奏を披露。自作3曲と、ホーギー・カーマイケル曲が1つ。娘に書いたというジャズ的な光彩や陰影をたんまり抱えた美曲「エンジェル」は、彼の2014年ピアノ・ソロ作『Solo』の1曲目に収められている。それから、シルヴァーチェアーの曲にインスパイアされたと紹介した曲もあり。おお、シルヴァーチェアーとは懐かしい。1990年代中期に豪エピックからデビューしたニルヴァーナに影響を受けたような10代のトリオ・バンドで、ぼくはNYで当時持たれていたCMJミュージック・マラソンで見たり、インタヴューしたこともあった。グラボウスキーが弾いた曲は、全然ロックっぽくない曲であったけど。フリー・フォームで弾いているのかとぼくが思った長目の起伏に富む演奏も披露して、それもオーネット・コールマン(2006年3月27日)にインスパイアされた曲というMCがあり。ふむふむ。

 彼らは岩手県で子供達相手の慰問ライヴをここのところ毎年持っていて、今回も行ったようだ。上のようなな演奏を聞かせる彼、かなり技ありの子供向け設定で臨んでいると考えられるが、どうだろう。

▶︎過去の、ポール・グラボウスキー
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶︎過去の、マイク・ノック
http://43142.diarynote.jp/201109121438367147/
▶︎過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/

<今日の、邂逅>
 演奏前と演奏後に、たっぷり歓談タイム。本人だけでなく、彼の今回のコンボのサイド・マンたちも来ていて、テナーやソプラノ・サックスのロバート・バーク(2017年9月2日)、ダブル・ベースのサム・アニング(2015年10月15日、2017年9月2日)、ドラムのジョー・タリア(2017年9月2日)とはいろいろ言葉をかわす。やはりモナッシュ大学で准教授もしているバークからは複数のリーダー作をもらったが、相当な実力者。ジゥージ・ルイスやマーク・エリアスやナシート・ウェイツ(2015年1月20日)らと重なった秀でたアヴァン要素も持つNY録音のカルテット作やセクステット盤もあるし、インドの伝統楽器奏者と絡んだアルバムもあった。実は、演奏はしなかったのでこのブログには書かなかったが、昨年も東京ジャズのあとに同大使館でちょっとした催し/懇談会があり、その際にグラボウスキーから5枚ほどいろんな設定のCDをいただいた(なかには、ECMから出てもおかしくない内容のものも)のだが、やはりオーストラリアのジャズ水準はあなどれないし、ハクエイ・キム(2010年11月26日、2011年2月19日、2011年4月10日、2011年8月6日、2013年9月13日)が豪州に留学したことにも納得してしまう。今は本国に戻ったアニングもNYにいた人物で、なんと挾間美帆(2014年7月10日、2015年10月15日、2016年10月28日、2017年9月3日)とは懇意でそのビッグ・バンドの一員だと聞いて、びっくり。この秋に予定されている彼女のブルーノート東京公演で、またやってくるようだ。タリアは東京に住んで1年たつそうで、奥様は日本人だそう。

▶︎過去の、ロバート・バーク
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶︎過去の、サム・アニング
http://43142.diarynote.jp/201510181000334516/
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶︎過去の、ジョー・タリア
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
︎▶︎過去の、ナシート・ウェイツ
http://43142.diarynote.jp/201501210901575140/
▶︎過去の、ハクエイ・キム
http://43142.diarynote.jp/201012051849242327/
http://43142.diarynote.jp/201102190813437159/
http://43142.diarynote.jp/201104142208096884/
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/
http://43142.diarynote.jp/201309161512043853/