四谷三丁目・茶会記、マチネー公演。マリンバの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日、2015年5月6日、2015年5月22日、2015年5月28日、2015年6月15日、2015年9月13日、2015年11月11日、2016年5月22日、2016年6月13日、2016年9月7日、2017年1月17日、2017年4月27日)とコントラバスのパール・アレキサンダー(2014年10月11日、2015年5月6日、2016年5月22日、2016年7月26日)のデュオのパフォーマンスを見る

 この組み合わせは、2015年と2016年のやはり5月に同所で持たれていて、今年が3回目となる。その即興演奏の様はオノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日、2015年4月17日、2015年9月13日、2015年9月24日、2015年10月9日、2016年3月14日、2016年5月22日、2016年7月26日)によって録音され、一昨年版(2015年5月6日)と昨年版(2016年5月22日)はすでにハイレゾ配信がされている。そして、この日のパフォーマンスも同様にオノの手により配信されるはずだ。

 ファースト・セットは完全即興にて。とはいえ、過去2回の経験を踏み台にしているのは明らかで、とても有機的に重なり、緩急に富んだストーリーを形作る。基本はアレキサンダーが骨子となるものを出し(やはり、弾き方が痒いところに手が届くように多彩)、それに山田が4本のマレット裁きのもと反応し、さらなる展開を引き出すという基本の道筋を持っていたか。どのくらい事前の意図の確認はあったのかとか、いろいろ興味はひかれる。セカンド・セットはともにロードマップとなる曲を出し合い、2曲演奏する。それについては当日1時間ほどのお手合わせがなされたようだが、瑞々しい変化が横たわっていたのはファースト同様だ。

 そして、それら総体は、二人の邪悪な(?)部分も露にするものになっていて、おおコイツら面白いやんと、改めて思わせる。ウヒヒヒ。これまでで、一番孕む情報量や価値が多い演奏だったと思う。配信が楽しみだが、それを聞くとまた新たな思いを得るだろう。唯一残念だったのは、アレキサンダーが漂うヴォイスを入れなかったこと。喉の調子が悪かったので、自重したらしい。

▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/ 蝉丸
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/ ダモ鈴木
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/  Down’s Workshop
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/ アトラス
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201505240923518276/ MoMo
http://43142.diarynote.jp/201505310957076398/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201509231111454665/ ヒュー・ロイド
http://43142.diarynote.jp/201510141817129055/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201605240833401202/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160613 QUOLOFUNE
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/?day=20170117 TNT
http://43142.diarynote.jp/201704280745098662/ BLOW UP
▶過去の、パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201509250943244179/
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
▶︎過去の2年分の二人の演奏の配信
http://www.e-onkyo.com/music/album/sdsd1036/
http://www.e-onkyo.com/music/album/sdsd1038/

 その後、丸の内・コットンクラブに向かい、通受け話題の米国人シンガー・ソングライター/ギタリストの初来日公演を見る。ファースト・ショウ。セミアコ型の電気ギターを持つサイド・ギター(あまり、効いていなかったな)、フェンダー・ローズを主に弾くキーボード、ダブル・ベース、ドラムというバンドを伴ってのもの。ウォーカーは1989年生まれだが、他の奏者は少し年長か。そして、リズム・セクションの二人がかなりジャズの素養を持つ演奏をしていて驚く。

 1曲目は風のまとい方がパット・メセニー1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)的というか、ジョニ・ミッチェルの曲を思い出させる。そして、そうかと納得。ミッチェルこそ、ジャズの感性をおおいに通ったシンガー・ソングライター表現を聞かせた第一人者であったから。ミッチェルを想起させる曲はそれだけだったが、ジャズの生理に対する憧れを抱えた瑞々しい手作りポップ側表現として、ライリー・ウォーカーの表現を推すというのはアリかと思う。他の2曲ほど(?)には、ぼくはグレイトフル・デット的な味を感じた。また、アンコールでは弾き語りで、何ら落差を感じさせる事なく、ジャジー・フォークの先達であったティム・ハーディンの曲を披露もした。

 ウォーカーの歌はなかなか太く、潤いにも満ちる。それは、20代の味とは思えないという感想を導くか。だが、一方で、彼はかなり演奏部を披露する方向に出たのだが、それは単純なシークエンスを素材にドローンぽく皆で盛り上げていくという箇所も多かった。ぼくとしてはもう少し歌唱やコード進行に変化を持つ表現を聞きたいという気持ちも持ったが、今日日とっても奇特な行き方を見せては間違いなく、注目をしていきたい。あ、そうしたインスト部分は、ガボール・サボのラーガ・ジャズを思い出させる? また、彼を擁した大昔のチャールズ・ロイド(2005年5月11日、2008年4月6日、2013年1月6日、2017年1月12日、2017年1月13日)みたいと思わせる部分もあったか。また、ライリーはシカゴを拠点に置く人だが、かつてのジム・オルーク(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日、2017年2月5日)その他のシカゴ音響派の流れに彼を置きたくなる部分もあるか。

 ウォーカーはエレクトリック・ギターとフォーク・ギターの両方を使用。いろいろ思慮に富む表現を聞かせるわりには、「日本にこれてうれしい〜、最高〜」てな心持ちをストレート極まりなく出していた。だったら、もう少し長めにやってくれたら良かったのだが。ほんと、1時間ちょいだったもの……。

▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶︎過去の、チャールス・ロイド
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200804081928430000/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170113
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
http://43142.diarynote.jp/201702081154435197/

<今日の、ごめんなさい>
 会社員にとってはかなり並びが恵まれていただろうゴールデン・ウィーク最後の日、今日も天気が日暮れまでは良かった。GW前まで、有難いことなんだろうがずうっと多忙で、受けた原稿を書くことで精一杯。原稿はすべて締め切り内に出している(そんなのプロとして当然じゃ)が、細いメール連絡とかをすっ飛ばしちゃっていることをふと反省。唐突に送っていただいたCDに対するお礼&反応メールとかも不義理している。返信を忘れているメールがないことを祈る。オレ珍しく不義理してるという思いは頭のなかにずっとあって、え〜ん。なんとか、今週いっぱいでそういう部分を立て直ししたい。