見た公演の順番を、前後させて書く。まずは、夢が叶った! 2番目に見たコンサートは、ぼくにとってはそう言ってもいいもの。ちなみに、そのアーティストであるズッケロについて、ぼくはhttp://43142.diarynote.jp/?day=20160604 の欄外で触れていますね。

 渋谷・O-イーストで、イタリアのスター・ロッカーであるズッケロのショウを見る。ブルーノートのファースト・ショウを見た後に、タクシーで駆けつけたときにはとうぜん始まっていた。中央に立つズッケロもエレクトリック・ギターを持ち歌っていて(ギターを持たずに歌う場合の方が多い)、ギタリストが3人もいるなあと思ったら、その左端に立っていたのは、布袋寅泰。聞けば、ズッケロを呼んだのは、昨年からいろいろ絡んでいる彼の事務所であるのだという。おお、布袋めちゃいい人じゃん。これは彼の音楽も聞かなくてはと思った? R&Bやブラジル音楽に詳しい群馬県出身の知人は彼のファンだよなあ。心意気で行動の人であるズッケロはボーノ(2006年12月4日)、エリック・クラプトン(2006年11月20日)、ジミー・スミス(2001年1月31日)、ジェイ・ブラックフット(2001年3月18日)、ル—ファス・トーマス、イギー・ポップ、ブライアン・ウィルソン、ジェフ・ベック(2009年2月6日、2015年9月27日)、クェストラヴ(2002年12月29日、 2003年12月2日、2004年9月19日、2007年1月15日、2013年12月19日)、エルヴィス・コステロ(2002年7月5日、2004年9月19日、2004年12月8日、2006年5月31日、2006年6月1日、2006年6月2日、2011年3月1日)、スティング(2000年10月16日)、ジョン・リー・フッカー、ムッスー・テ(2013年9月28日)、シェリル・クロウ(1999年10月16日、2002年10月21日、2004年9月17日)、ソロモン・バーク(2004年9月19日、2010年5月29日)、シェブ・マミ、ジョヴァノッティ(2002年6月1日)他、そうそうたる実力者たちと過去のアルバムで関わっているわけで布袋としても悪い付き合いでなないと思われる。あ、彼もズッケロの新作『ブラック・キャット』でフィーチャーされていますね。布袋は5分の2ほどの曲に加わったよう。そのギター・ソロは素直に収まっていた。

 アフリカ系の女性ギタリスト、キーボード奏者、ベーシスト、ドラマーというバンドを率いてのパフォーマンス。かつては、エピックやエレクトラ他に10作弱のリーダー作を残し、ピーター・ゲイブリエルやスィングのバンドにも入っていたことがある米国人黒人キーボード奏者/ギタリストのデイヴィッド・サンシャス(2006年7月2日、2009年2月6日 )をメンバーに入れていたことがあった。お、ズッケロが袖に下がった際に、女性ギタリストはもろなブルースを歌い、弾いた。

 米国のルーツ・ミュージック愛をたたえたどすこい系楽曲を、少し濁った手触りを持つ歌声で、熱量溢れて送り出す。ズッケロの表現はオールド・スクールと言えなくもないものだが、何気な音楽的広がりと眩しいメロディ性をなみなみと持つソング・ライティング力はマジ天下一品。次々に届けられる曲群にふれつつ、そうコレコレとぼくの気持ちは高みに登って行った。なんか、ぼくが少年の頃に感じていたまばゆいロックの無限の可能性を彼の音楽は追体験させるところがあるんだよなあ。なんか1990年ごろにローマに行ったときに、彼のアルバムを買い漁ったことも思い出されたりして、甘酸っぱくもなりました。とかなんとか、至福のとき……。なお、ズッケロは、これは僕にとって初めての日本でのライヴという言い方をMCをしていた。歌詞はイタリア語が多いはずだが、MCは英語でしていた。

▶︎過去の、デイヴィッド・サンシャス
http://43142.diarynote.jp/?day=20060702
http://43142.diarynote.jp/?day=20090206
▶︎過去の、U2/ボーノ
http://43142.diarynote.jp/200612070141170000/
▶︎過去の、エリック・クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
▶︎過去の、ジミー・スミス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm
▶︎過去の、ジェイ・ブラックフット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
▶︎過去の、ジェフ・ベック
http://43142.diarynote.jp/200902080200527638/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶︎過去の、ザ・ルーツ/クェストラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040919
http://43142.diarynote.jp/200701201415300000/
http://43142.diarynote.jp/201312200917503345/
▶︎過去の、エルヴィス・コステロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200412111752390000/
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200606101341360000/
http://43142.diarynote.jp/201103040825532252/
▶︎過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
▶︎過去の、ムッスー・T
http://43142.diarynote.jp/201310041548056608/
▶︎過去の、シェリル・クロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/octber1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
▶︎過去の、ソロモン・バーク
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
http://43142.diarynote.jp/201006071813157081/
▶︎過去の、ジョヴァノッティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm

 その前には、現代ジャズ・ヴォーカルの代表者と言えるだろうダイアン・リーヴス(1999年4月28日、2001年4月24日、2008年9月22日、2010年3月23日、2011年11月15日)のショウを、南青山・ブルーノート東京で見た。お、彼女、少しやせた?
 
 素晴らしいと言うしかない実演の詳細は、http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2017/05/30/dianne-reeves-2.html を見て欲しい。この晩取り上げたのは何気に非スタンダート系ジャズ曲が多かったのだが、おなじみの名手たちによる演奏は強固なジャズ感覚を元に自在に広がっていくもので、それとスキャット満載の彼女の歌のかみ合いはまさに今様ジャズ・ヴォーカルの確かな雛壇となる。カサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日、(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日)も似た位置にいるが、カサンドラの場合はそんな旋律をフェイクせず、歌声の質感や佇まいでリアル極まりないジャズを鮮やかに浮き上がらせている。どちらも、尊い前を見たジャズ・ヴォーカルの道を歩んでいるのは間違いないところであるナ。あと、二人はショウで扇子を出すところは共通している。なお、リーヴスのキャリアや音楽性の美点を知りたい向きは、http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/13663 を参照のこと。

▶︎過去の、ダイアン・リーヴス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/201003261236189984/
http://43142.diarynote.jp/201111210320292366/
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200409070203440000/
http://43142.diarynote.jp/200808121357410000/
http://43142.diarynote.jp/201006181521416566/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201306060609052151/
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/

<今日の、サトウ>
 佐藤琢磨の、インディ500優勝のニュースを得る。すごい。ちょうどズッケロに一番夢中になっていたころ、ぼくはかなりF-1ファンだったことがあり、仕事の土俵を音楽からレース業界に変えてえとマジに考えていたことがあったんだよなあ。と言うのはともかく、ここのところ現首相と取り巻きの出鱈目ド下劣具合に辟易しまくっているおり、その快挙は一服の清涼剤となった? いや、何があろうと、許せないものは許せない。
 一方、グレッグ・オールマンの訃報も届いた。69歳は若いが、それだけ十代のころから、ブイブイ言わしてきたということだ。ところで、ズッケロはイタリア語で砂糖のこと。スッケロ自身も、ズッケロ“シュガー”フォルナチアリと表記していたこともあった。彼の新作はドン・ワズやT・ボーン・バーネットが関与しているが、そのバーネットが渾身プロデュースしたグレッグ・オールマンの最終スタジオ録音作『ロウ・カントリー・ブルース』(ラウンダー、2011年)はぼくが日本盤のライナーノーツを頼まれたので、通常の訃報よりも染み入る部分はあるか。南部ロック・レーベル“キャプリコーン”最大のスターであった彼がいなかったら、もしかしてジミー・カーターは第39代アメリカ合衆国大統領になれなかったかも知れない?(http://43142.diarynote.jp/?day=20130627 を参照のこと)
 そして、これを書いているサトーは先の本欄で触れているように、歩行困難につき、なるべく外出していない。そういうときに限って、天候は良好なんだよなあ。で、家にずっといるのもなんか楽でいいなあと思える自分がいるのにはいささか驚く。オレ、引き篭もり体質を持ってたのか? 外に出る際は、すべてタクシー。外出時に家の前に呼んだタクシーが止まっていること、帰りにもサッとタクシーに乗って家までついてしまうことが、どんなに楽かと思いまくり。ショーファー付き生活、いいワ。ときにこの道は左側の車線走った方が早いでごじゃるとか運転手に言いたくなるのをこらえることにほんの少しのストレスを覚えるものの、これで真冬や真夏だったら健常になってもこの外出パターンを維持しようとしそうな自分がいるのが本当に怖い。ともあれ、今日は久しぶりのライヴ日でした。