この耳慣れないユニット名はアメリカ人有色女性4人が集ったグループだ。
その内訳はプリンス・ファミリーの出で(でも、70年代後半に高中正義のツア
ーで来日したことがあったらしい)一時はピンとしても多大な人気を誇ったシ
ーラE.(2002年8月12日)、ベーシストのローンダ・スミス(90年代中後期
から少し前までプリンス表現に係わる)、ギタリストのキャスリーン・ダイソ
ン(シンディ・ローパー・バンド。やはり、かつてプリンスのバンドにも関わ
り、そのときはキャットというアーティスト表記がなされた)、キーボードの
カサンドラ・オニール(ピンクやベイビーフェイス作に参加)という面々が、
その内訳。うち、オニール以外はスミスの04年リーダー作で顔を合わせている。

 シーラ・Eの近年のコンコード・ジャズ発のリーダー作群が腑抜けなスムー
ス・ジャズ調だったので、そういう路線もあるかもしれぬと覚悟して行ったら
(でも、彼女たちを見たいと思って行ったのだなー)、これが1曲以外はどれ
もちゃんと歌をフィーチャーしたポップ・ファンク路線(大まかに言うなら。
あまりプリンス色は強くない)にある表現を聞かせてくれてニッコリ。インス
ト曲もけっこう仕掛けがあって、ユニットとして私たちはがっつり絡んでいく
のよという意思があふれる。

 中心となるのは一番年長者でもあるだろうシーラ・E.(けっこう、綺麗でし
た) で、ドラムを叩きながら彼女が歌う曲が多かった。かつてのプリンスのツ
アーで驚愕のドラミングを披露していた彼女だが、すぐ側で叩く姿を見てちょ
い不器用ぽいんだけどきっちりとサウンドを締めるドラミングに少し胸キュン
。他のメンバーもそれぞれリード・ヴォーカルも取り、それぞれにソロ・パー
トも与えられる。さすが男性優位社会の荒波に揉まれつつ生きている人たち、
皆しっかり腕が立ちますね。それから、何かと彼女たちが嬉しそうに笑顔を交
わしながらパフォーマンスしているのが、とっても良かった。

アンコール前の後半2曲は、黒人女性が更に加わりリード・ヴォーカルを取
る。うち、1曲は親しみのある曲で一緒にうろ覚えで口づさんだが、なんの曲
だったかはもう忘れちゃった。最後はティンバレスのセットを前に出して、全
米トップ10内に入ったシーラ・Eの「グラマラス・ライフ」。やっぱり、彼女
のティンバレス演奏も人の気持ちをノックするものあり。往年のように赤いス
ティックを持たないのがちと残念ではあったが。丸の内・コットンクラブ( フ
ァースト) 。