カート・ローゼンウィンケルズ・カイピ・バンド
2017年4月15日 音楽 現代ジャズ界のフロントに位置するギタリストであるカート・ローゼンウィンケル(2009年3月1日、2010年3月12日、2013年11月20日、2014年3月4日、2016年6月27日)のブラジル音楽の滋養を借りたプロジェクト“カイピ”を披露するライヴ。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
同行者は、ペドロ・マルティンズ(ヴォーカル、ギター、キーボード)、オリヴィア・トルンマー(ピアノ、キーボード、ヴォーカル)、レデリコ・エリオドロ(ベース)、アントニオ・ロウレイロ(パーカッション)、ビル・キャンベル(ドラム)。ペドロ・マルティンズの歌世界とマルチ・インストゥメンタリストとしてのカート・ローゼンウィンケルの融合を求めたアルバム『カイピ』(Razdaz、2017年)の内容と少し異なり、ちゃんとブラジル系の敏腕奏者を同行させて、生のサウンドで広げているのがうれしい。ローゼンウィンケル、気張ったね。全員、リードにせよコーラスにせよ、ヴォーカルを取る。
まだコドモ風情を残す20代前半のペドロ・マルティンズは、ミナス系透明感としなやかジャズを自在に行き来するブラジル人精鋭であり、ベースのレデリコ・エリオドロはミナスの前線ジャジー・ポップ表現を作る逸材だし、アントニオ・ロウレイロ(2013年8月29日、2013年9月6日)はかなり日本で注視されるマルチな才を誇る現代ブラジリアン・ミュージックのキー・マンと言える。そして、ドイツ人女性であるオリヴィア・トルンマーはビアンカ・ヂスモンチ(2014年6月29日、2016年10月12日)がもっと能力に富んでいたらこういう内容のものを作るんではないかというリーダー・アルバムも出しているピアニスト/シンガー。彼女を見ることができたのもうれしかったな。それから、米国人ドラマーであるビル・キャンベルは自ら歌うビート・ポップの作り手でもあり、アラン・ハンプトン(2014年8月7日、2016年7月6日)とはそれぞれのプロジェクトに参加しあったこともある。
面々は”そういうテイスト”を持つサウンドを紡ぎ、そこにローゼンウィンケルは流麗な、一部パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)度が高まったかもとも思わせるギター・ソロを載せる。ショウの頭の方は、実はほのかな違和感を持った。ローゼンウィンケルは気鋭のサポート陣が作る母屋に間借りしているみたいではないか。だが、ローゼンウィンケルもコーラスを入れたり、堂々リード・ヴォーカルを取ったりし出して、なんだかなあは霧散。彼、ブラジリアン・バンドの一員になれていることがしれそう? 音楽の純真も、そこにはあったかな? 米国人やドイツ人はブラジル音楽への憧憬を隠さず、逆にブラジル勢はジャズという様式への尊敬を露わにし………。聞き味は透明感がありとてもメロウでもあったが、ブラジル音楽の機微と一筋縄ではいかないジャズ様式の美味しい交差点 へと、このショウはなっていたのではないか。
▶過去の、カート・ローゼンウィンケル
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
http://43142.diarynote.jp/201003131221091991/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
▶過去の、アントニオ・ロウレイロ
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
▶︎過去の、ビアンカ・ヂスモンチ
http://43142.diarynote.jp/201407030943343160/
http://43142.diarynote.jp/201610141748382349/
▶︎過去の、アラン・ハンプトン
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201607100828438607/
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335
<今日の、希望>
カートローゼンウィケルには申し訳ないが、やはり彼抜きのバンドの公演を主催者側は立てるべきではなかったかと思う。 ペドロ・マルティンズはギターもうまいし、ロウレイロの楽器の範囲も広げる形で……。キャンベルのハッチャけた部分ももっと見たかった。丸の内・コットンクラブであったら、ブラジル周辺音楽愛好者たちで埋まったのではないか。とにかく、非常に惜しまれる。こんな顔ぶれのバンドはもう見ることができないかもしれない。今回の興行をもとにする形で、新公演が企画されないかな。
同行者は、ペドロ・マルティンズ(ヴォーカル、ギター、キーボード)、オリヴィア・トルンマー(ピアノ、キーボード、ヴォーカル)、レデリコ・エリオドロ(ベース)、アントニオ・ロウレイロ(パーカッション)、ビル・キャンベル(ドラム)。ペドロ・マルティンズの歌世界とマルチ・インストゥメンタリストとしてのカート・ローゼンウィンケルの融合を求めたアルバム『カイピ』(Razdaz、2017年)の内容と少し異なり、ちゃんとブラジル系の敏腕奏者を同行させて、生のサウンドで広げているのがうれしい。ローゼンウィンケル、気張ったね。全員、リードにせよコーラスにせよ、ヴォーカルを取る。
まだコドモ風情を残す20代前半のペドロ・マルティンズは、ミナス系透明感としなやかジャズを自在に行き来するブラジル人精鋭であり、ベースのレデリコ・エリオドロはミナスの前線ジャジー・ポップ表現を作る逸材だし、アントニオ・ロウレイロ(2013年8月29日、2013年9月6日)はかなり日本で注視されるマルチな才を誇る現代ブラジリアン・ミュージックのキー・マンと言える。そして、ドイツ人女性であるオリヴィア・トルンマーはビアンカ・ヂスモンチ(2014年6月29日、2016年10月12日)がもっと能力に富んでいたらこういう内容のものを作るんではないかというリーダー・アルバムも出しているピアニスト/シンガー。彼女を見ることができたのもうれしかったな。それから、米国人ドラマーであるビル・キャンベルは自ら歌うビート・ポップの作り手でもあり、アラン・ハンプトン(2014年8月7日、2016年7月6日)とはそれぞれのプロジェクトに参加しあったこともある。
面々は”そういうテイスト”を持つサウンドを紡ぎ、そこにローゼンウィンケルは流麗な、一部パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)度が高まったかもとも思わせるギター・ソロを載せる。ショウの頭の方は、実はほのかな違和感を持った。ローゼンウィンケルは気鋭のサポート陣が作る母屋に間借りしているみたいではないか。だが、ローゼンウィンケルもコーラスを入れたり、堂々リード・ヴォーカルを取ったりし出して、なんだかなあは霧散。彼、ブラジリアン・バンドの一員になれていることがしれそう? 音楽の純真も、そこにはあったかな? 米国人やドイツ人はブラジル音楽への憧憬を隠さず、逆にブラジル勢はジャズという様式への尊敬を露わにし………。聞き味は透明感がありとてもメロウでもあったが、ブラジル音楽の機微と一筋縄ではいかないジャズ様式の美味しい交差点 へと、このショウはなっていたのではないか。
▶過去の、カート・ローゼンウィンケル
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
http://43142.diarynote.jp/201003131221091991/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
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▶過去の、アントニオ・ロウレイロ
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
▶︎過去の、ビアンカ・ヂスモンチ
http://43142.diarynote.jp/201407030943343160/
http://43142.diarynote.jp/201610141748382349/
▶︎過去の、アラン・ハンプトン
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201607100828438607/
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
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http://43142.diarynote.jp/201510021129591335
<今日の、希望>
カートローゼンウィケルには申し訳ないが、やはり彼抜きのバンドの公演を主催者側は立てるべきではなかったかと思う。 ペドロ・マルティンズはギターもうまいし、ロウレイロの楽器の範囲も広げる形で……。キャンベルのハッチャけた部分ももっと見たかった。丸の内・コットンクラブであったら、ブラジル周辺音楽愛好者たちで埋まったのではないか。とにかく、非常に惜しまれる。こんな顔ぶれのバンドはもう見ることができないかもしれない。今回の興行をもとにする形で、新公演が企画されないかな。