アコースティイック・ギターとヴォーカルの武徹太郎 、ウッド・ ベースとヴォーカル の織田洋介 、遊鼓(両面叩けるフロア・タムみたいな打楽器。胴を横にして肩から下げていた)とヴォーカルのハブヒロシ。この馬喰町バンドという3人組の存在は、晩夏に出た彼らにとって4作目となる新作『遊びましょう』を聞いて、着目するようになった。“ワールド・ミュージック視点で日本のトラッドをとらえる はっぴえんど”という感想を、ぼくは持ってしまったのだ。その所感、何気にすごいな。新作をフォロウするツアーの最終日で、恵比寿・STUDIO38。
技と音楽的蓄積のあるバンドと思う。まず感じたのは、3人とも演奏がしっかりしている。ベーシストは堅実に的をいたフレイズを繰り出すし、シンバルも3枚セッティングしていた打楽器奏者は嘘のように立ったビートを送り出す。3人という編成だとサウンドが細そうな印象を持つかもしれないが、彼らの場合は芯を持ち、何気なドライヴ感を持つ。また、アルペジオ中心のギター演奏もコラの音を想起させるなど、なかなかに多彩で味わいあり。只の日本人音楽グループのギタリストの域から離れている。そして、そうした確かな手腕に触れると、彼らが外に出す童歌や民謡情緒といったような和要素は、海外の様々な表現を通った末に辿りついたものとも実感できる。
ヴォーカルは3人が一緒にユニゾンで取るのだが、それも不思議な味、個性を出す。なんか風通しよく、つらつら&のどかな風情がさあ〜っと広がる。インストの妙味ともども、よくぞこんな音楽回路をつかんだと思う。だから、彼らが出す日本情緒は臭みがなく(ぼくはそこがいいなあ)、心地よい。といった具合で、とにかもかくにもいろんな音楽を通ってきているのだろうが、歌と演奏の重なりの妙でぜんぜんお勉強ぽくなく、好ましいペーソスが飄々と送りだされるのだから頷く。日本民謡の彼らなりもカヴァーもやったが、オリジナル曲との落差はなし。そこらあたりににも、彼らの練金手腕は表れていたのではないか。
が、しかし。1曲ごとにけっこうな時間をかけてなされるMCは、ぼくにはナッシング。ギターはチューニングを変えたりもしていて、それを整える時間を必要とするのは分るが、ぼくにとってはどうでもいい内容で辛かった。満場のお客は、それに喜んでいましたけど。それから、ギター奏者は他の2人と同じく立ってパフォーマンスをしたほうがいいのではないか。そのほうが動的感覚が出て、グループとしての見た目の訴求力は増すと思う。って、座っていると、ギタリストだけ見えにくい。
<今日の、場所>
恵比寿ガーデンホールの38階角にある多目的スペースが会場で、初めて行く。すごく、眺望が良い。16時開演という設定は、日暮れにあわせたもののよう。災害時のことを考えたりもし、ここ10年ぐらいで眺めは良くても高層階に住むのはどうかなあとの思いが少し揺らぐ。でも、もう歳だし、南向きの低層階居住で前にはすぐに遮る建物がないというのが理想かな。だと、今の住まいでいいということになるか。引っ越しする根性もなくなっているよなー。
技と音楽的蓄積のあるバンドと思う。まず感じたのは、3人とも演奏がしっかりしている。ベーシストは堅実に的をいたフレイズを繰り出すし、シンバルも3枚セッティングしていた打楽器奏者は嘘のように立ったビートを送り出す。3人という編成だとサウンドが細そうな印象を持つかもしれないが、彼らの場合は芯を持ち、何気なドライヴ感を持つ。また、アルペジオ中心のギター演奏もコラの音を想起させるなど、なかなかに多彩で味わいあり。只の日本人音楽グループのギタリストの域から離れている。そして、そうした確かな手腕に触れると、彼らが外に出す童歌や民謡情緒といったような和要素は、海外の様々な表現を通った末に辿りついたものとも実感できる。
ヴォーカルは3人が一緒にユニゾンで取るのだが、それも不思議な味、個性を出す。なんか風通しよく、つらつら&のどかな風情がさあ〜っと広がる。インストの妙味ともども、よくぞこんな音楽回路をつかんだと思う。だから、彼らが出す日本情緒は臭みがなく(ぼくはそこがいいなあ)、心地よい。といった具合で、とにかもかくにもいろんな音楽を通ってきているのだろうが、歌と演奏の重なりの妙でぜんぜんお勉強ぽくなく、好ましいペーソスが飄々と送りだされるのだから頷く。日本民謡の彼らなりもカヴァーもやったが、オリジナル曲との落差はなし。そこらあたりににも、彼らの練金手腕は表れていたのではないか。
が、しかし。1曲ごとにけっこうな時間をかけてなされるMCは、ぼくにはナッシング。ギターはチューニングを変えたりもしていて、それを整える時間を必要とするのは分るが、ぼくにとってはどうでもいい内容で辛かった。満場のお客は、それに喜んでいましたけど。それから、ギター奏者は他の2人と同じく立ってパフォーマンスをしたほうがいいのではないか。そのほうが動的感覚が出て、グループとしての見た目の訴求力は増すと思う。って、座っていると、ギタリストだけ見えにくい。
<今日の、場所>
恵比寿ガーデンホールの38階角にある多目的スペースが会場で、初めて行く。すごく、眺望が良い。16時開演という設定は、日暮れにあわせたもののよう。災害時のことを考えたりもし、ここ10年ぐらいで眺めは良くても高層階に住むのはどうかなあとの思いが少し揺らぐ。でも、もう歳だし、南向きの低層階居住で前にはすぐに遮る建物がないというのが理想かな。だと、今の住まいでいいということになるか。引っ越しする根性もなくなっているよなー。