いま渋谷の片隅で、マット・ビアンコ(2001年2月5日)の再評価がなされている。なんて書くと、大げさだなあ。ブラジル音楽を流すお店の店主がひねり&息抜きの楽曲という感じで、彼らの曲をかけて、店にいた何人かの客に大好評。その後、その店に行くたびに何気にかかったりもし、ぼくもマット・ビアンコってやっぱ技ありでいいじゃんとなっていて、ちょうど12年ぶりに彼らの公演に出かけた。

 南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。あまりに見事に、フル・ハウス。すげーな。オリジナル・メンバーのマーク・ライリー(歌)とマーク・フィッシャー(鍵盤)を中心に、英国セッション系奏者で固めるというのは、旧来どおり。ギターはUKジャズ/アシッド・ジャズが話題になった流れで、米国GRPから1994年にリーダー作をだしたこともある、インコグニートとも近いトニー・レミー。テナーやフルートをソツなく演奏するギウレアム・プレヴィンスはフェイル・コリンズほか英国のポップ・セッションで名が見られる。そして、若い、髪型が派手な2人の黒人女性を2人やとっているのがうれしい。

 「イエー・イエー」ではじまるショウは彼らの耳馴染み曲と新作曲をうまく噛み合わせて。コンサヴァな感じをより強めていたが、もう場内の発情度はかなり高めでした。

 そして、渋谷・クロコダイルで、ブラジル音楽要素と華のあるポップ・ミュージック要素をおいしく掛け合わせる賑やかし大所帯ビート・バンドのカンタス村田とサンバマシーンズ(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、他)を途中から見る。山あり谷ありの進行具合は堂にいり、サンバの女性ダンサーは2人登場。新曲もどんどん増えているようだが、それらはより大胆な広がりを抱えているか。なんかエンターテインメントとして、音楽として、とっても健全。と、書くと語弊があるかもしれないが、とても正のヴェクトルを抱えていると、技と熱意と歓びに満ちたショウを見て感じずにはいられない。

<今日の、朝>
 派手な飲み方もしてないし、朝がた寝たわけでもないのに、なかなか起きられず。だ〜らだらと惰眠をむさぼる。普段、あまりしないことが出来たのは、良しとするべきなのだろう。