昨年の米国グラミー賞(アルバム・オブ・ザ・イアー)獲得や今年の英国グラストンベリーのヘッドライナーをつとめるなどしているUK大人気バンドの、フジ・ロック出演後の単独公演は新木場・スタジオコースト。パブリック・スクールの顔見知りで組まれたような彼らはおぼっちゃま君バンドと言えるのだろうが、遠目でその外見を見る限りはあまり、そういう側面は感じさせない。なんでも、ちゃんと歌詞を吟味した人が言うには、敬虔なクリスチャンで歌詞にその世界観が出るのは少し痒いとのことだが、そういう歌詞はあちらのものすごいセールスと関係あるのか。

 エレピ音色のキーボード、ヴォーカルとアコースティック・ギター(ときに、キック・ドラムも扱う)、バンジョー、ベース(ウッド・べースの方を多く弾く)、広いステージに出て来たメンバー4人はステージ前面に横一線に並ぶ。コーラスは全員とり、それなりに決まる。そんな編成に表れているように、とっても生っぽい手作りサウンドを持つグループ。リード・ヴォーカルはけっこう凛としていて、かなり存在感あり。精気あるそれが、激しい要素のない彼らの表現にズケスケした訴求力を与える。フォーク、カントリー、トラッドとかいろんな手作り表現を見渡し、自分たちの楽曲感覚を介して押し出しているのだが、逆に言えば、既存の固定スタイルにどっぷりはまるところはなくて、その曖昧さは今の若手のバンドらしいと言えるのか、なーんても思った。曲によってはヴァイオリンやチェロ、3人のストリングスも控え目についた。

 観客の反応は滅茶ホット。声も飛び交うが、外国人比率は高かったんだろうな。
 
 そして、丸の内・コットンクラブで、もう長年夏場に来日して公演をしているブラジル人シンガー/ギタリストを見る。新木場からは有楽町線1本で行けるので、移動が楽。で、いつも通りの、うれしいジョイスちゃ。変化は毎度弾いていたボディ空洞ギターではなく、普通の生ギターを彼女がつま弾いていたこと。風が舞うと書きたくなる、何度触れていてもすばらしいと思っちゃうパフォーマンスを堪能できた。

 例によって、カルテット編成にて。途中、「3月の雨」他、数曲は有名曲を弾き語りでやり、またカルテットに戻る。すると、アタマのときと違って、演奏陣がより個を出すようになる。ようはジャズ度、インプロ度が高くなる。そして、ジョイスも余裕でそれに合わせる。1曲は、スキャットだけで成り立つ曲だった。いやはや、それもいい感じ。この編成による、ジャズ調アルバムもありじゃねえのと思ってしまった。

<今日の、疲れ>
 家で仕事しているとき、当たり前だが、靴を履かない。そんな生活を25年以上続けているためか、なんか靴を履いて外に出ると、すぐに疲れる。足元から、じわんと疲れが上にやってくる。うえん。ここのところ例年、夏はけっこう裸足ではけるサンダル系の履物をよく履いていたが、今年はあまり履こうという気にならないのはどうしてだろう。キブンなんだよなー。