アクアピット。パット・マルティーノ
2013年7月1日 音楽 オルガン・トリオ編成の公演を2つ、見る。丸の内・コットンクラブ と南青山・ブルーノート東京が会場。1つ目のほうのリーダーはオルガン奏者で日本人トリオ、2番目はギタリストで米国人トリオ。ともに、オルガン奏者はフット・ベースを扱っていた。
先に見たアクアピットは、オルガンの金子雄太(2007年5月21日、他)、ギターの小沼ようすけ(2011年7月25日他)、ドラムの大槻“KALTA”英宣(2010年11月26日、他)という編成。途中で6年間の休止期間を挟むものの、1999年からこの顔ぶれでやっているという。一方、ジャズ・ギター・ヒーローという言い方もアリだろうマルティーノ(2011年11月2日)のほうは、パット・ビアンキ(ギター)とカーメン・イントーレ(ドラム)という布陣。前回の来日時とはドラマーが異なるが、本当にマルティーノはオルガン付き編成が好きだな。
ベース音兼任のオルガン、ギター、ドラムというトリオ編成はジャズ表現としては定番であるが、やはり両者の持ち味は違う。それは構成員の個性の噛み合いや相乗でそうなる部分もあるだろうし、個のある表現を作ろうと腐心している部分もあるだろう。とくに、いろいろな曲種に書き分けたオリジナル曲をやるアクアピットのほうはそう感じる。<ちゃんと基本を押さえた上で、我々のオルガン表現を標榜したい>という気持ちを感じた、かな。ただし、邦楽ノリと言いたくなる、彼らのちんたらしたおしゃべりMCには閉口。←でも、松木安太郎のダメ駄目サッカーTV解説を好む人が少なくないように、それに接して、ライヴに触れていると実感する人もいるのだろう。でも、洋楽ライヴに親しんできたぼくはMC過多が苦手だ。
一方の米国人トリオのほうは、マルティーノを完全にトライアングルの頂点に置き、彼の個、スピード感ある演奏を前面に出すことを第一義としている。ウェス・モンゴメリー曲(3曲やったか)も、セロニアス・モンク曲も、マイルス・デイヴィス曲も、自作もみんな彼のフラッシィな弦裁きに収束する。なるほど、そうした流麗ながらも刺を持つギター音を明快に浮き上がらせるためには、音の輪郭のはっきりした楽器より、オルガンを用いるほうがうまく行くよナとも、実演に触れながら思う。会場にはマルティーノの熱心なファンが集まっていたようで、ショウが終わった際には7割ほどの客が立って拍手した。
<今日の、にんまり>
関西のバンド、たこさん の9月初旬売りの白盤が唐突に届く。前からライヴを1度見てみたいと思っていたバンドで(2009年のフジ・ロックでニアミスしたことはあったんだけど)、うれちい。おお、5作目となるのか。JB、スタックス、ニューオーリンズ・ファンク、P-ファンクなどの、黄金表現のハマった日本語による翻訳表現。ゴスペルやブルースのハハハな咀嚼もあり。女湯ネタの「ON A BLOW」をはじめ、トホホな馬鹿バカしさはこの手のバンドの基本姿勢にして美点。聞いていて、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(2007年6月5日、他)も昔は全裸ちんちんにソックスかぶせてステージに上がっていたことを思い出す。アンソニー・キーディスたち、かけだしのころ、ストリップ・クラブでライヴすることがあって、それがうれしくてしょうがなかったんだよな。あ、それから、S-KENが送り出すという女性ファンク・インスト・バンドのビッグバンブーンもちょい気になる。
先に見たアクアピットは、オルガンの金子雄太(2007年5月21日、他)、ギターの小沼ようすけ(2011年7月25日他)、ドラムの大槻“KALTA”英宣(2010年11月26日、他)という編成。途中で6年間の休止期間を挟むものの、1999年からこの顔ぶれでやっているという。一方、ジャズ・ギター・ヒーローという言い方もアリだろうマルティーノ(2011年11月2日)のほうは、パット・ビアンキ(ギター)とカーメン・イントーレ(ドラム)という布陣。前回の来日時とはドラマーが異なるが、本当にマルティーノはオルガン付き編成が好きだな。
ベース音兼任のオルガン、ギター、ドラムというトリオ編成はジャズ表現としては定番であるが、やはり両者の持ち味は違う。それは構成員の個性の噛み合いや相乗でそうなる部分もあるだろうし、個のある表現を作ろうと腐心している部分もあるだろう。とくに、いろいろな曲種に書き分けたオリジナル曲をやるアクアピットのほうはそう感じる。<ちゃんと基本を押さえた上で、我々のオルガン表現を標榜したい>という気持ちを感じた、かな。ただし、邦楽ノリと言いたくなる、彼らのちんたらしたおしゃべりMCには閉口。←でも、松木安太郎のダメ駄目サッカーTV解説を好む人が少なくないように、それに接して、ライヴに触れていると実感する人もいるのだろう。でも、洋楽ライヴに親しんできたぼくはMC過多が苦手だ。
一方の米国人トリオのほうは、マルティーノを完全にトライアングルの頂点に置き、彼の個、スピード感ある演奏を前面に出すことを第一義としている。ウェス・モンゴメリー曲(3曲やったか)も、セロニアス・モンク曲も、マイルス・デイヴィス曲も、自作もみんな彼のフラッシィな弦裁きに収束する。なるほど、そうした流麗ながらも刺を持つギター音を明快に浮き上がらせるためには、音の輪郭のはっきりした楽器より、オルガンを用いるほうがうまく行くよナとも、実演に触れながら思う。会場にはマルティーノの熱心なファンが集まっていたようで、ショウが終わった際には7割ほどの客が立って拍手した。
<今日の、にんまり>
関西のバンド、たこさん の9月初旬売りの白盤が唐突に届く。前からライヴを1度見てみたいと思っていたバンドで(2009年のフジ・ロックでニアミスしたことはあったんだけど)、うれちい。おお、5作目となるのか。JB、スタックス、ニューオーリンズ・ファンク、P-ファンクなどの、黄金表現のハマった日本語による翻訳表現。ゴスペルやブルースのハハハな咀嚼もあり。女湯ネタの「ON A BLOW」をはじめ、トホホな馬鹿バカしさはこの手のバンドの基本姿勢にして美点。聞いていて、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(2007年6月5日、他)も昔は全裸ちんちんにソックスかぶせてステージに上がっていたことを思い出す。アンソニー・キーディスたち、かけだしのころ、ストリップ・クラブでライヴすることがあって、それがうれしくてしょうがなかったんだよな。あ、それから、S-KENが送り出すという女性ファンク・インスト・バンドのビッグバンブーンもちょい気になる。
ザ・ピー・ウィー・エリス・ファンク・アセンブリー。エミ・マイヤー
2013年7月4日 音楽 ザ・JBズやP−ファンクで鳴らした、テナー・サックス奏者(2012年4月9日、他)、1年強ぶりの自己グループによる来日だ。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。去年の夏も同様であったが、今年もここではこのシーズン、開演前のホワイエでウェルカム・ドリンク(フローズン・モヒート)と簡単な食べ物(チーズがトッピングされたカナッペ)をサーヴィス。時節柄、そのフローズン・モヒートが滅茶おいしい。
前回の来日公演と比べると、トランペット奏者がいなくなってワン・ホーンであたるとともに、シンガー(フレッド・ロス)とギタリスト(レイ・オビエド)以外は顔ぶれが変わっている。継続して参加しているのは米国人だが、新規のキーボード奏者とベース奏者とドラマーは英国人。うち、ドラマーのマーク・モンデザイアーはコートニ・パイン(2012年12月17日、他)が一番ブリブリいっていた1990年前後のレコーディング/ライヴに関わっていた辣腕ドラマーで、今世紀に入ってはマイク・ギブスやジョン・マクラフリン(2005年1月31日)ら英国人ビッグ・ネームが彼を使っていたりもする。
エリスの2011年作は英国勢がごっそり入ったアルバムだったが、実は英国に住んでいるのだとか。そして、奥さんも英国人で、マネージメントも英国でやっているらしい。蛇足だが、メイシオ・パーカーもマネージメントはずっと英国の会社がやっている。ということなら、その新作の参加者や今回のメンバー構成も納得がいくし、昨年のジンジャー・ベイカー公演(2012年11月21日)に彼がメンバー同行したのも英国在住とつながったものなのだろう。エリスはかつてオマール・ソーサ(2010年8月3日、他)の来日公演にも同行したこと(2005年9月24日)があったが、そのときはどこにすんでいたのか?
ジャズともファンクとも言いがたい、というか、その両方にかぶらんとするインストゥメンタル曲群と、ヴォーカリストが加わる陽性な気分が倍加する曲群(ビル・ウィザース「ユーズ・ミー」やスティーヴィー・ワンダー「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」、ジェイムス・ブラウン「コールド・スエット」などをやった)の2方向で進むのは、前回公演と同じ。その2つ、少しテイストが乖離しがち、とは思う。前回よりもエリスが歌う場面は多かかったかもしれず、また客とのコール&レスポンスをいろいろ今回は求めた。エリス最大の有名曲、ザ・JBズ時代の「チキン」はこのショウではやらなかった。
そして、エミ・マイヤー(2012年10月16日、他)の公演に回る。渋谷・O-East。彼女の新作タイトル『ギャラクシーズ・スカート』の“銀河”のイメージを引っ張って来たような、多数のミラー・ボールや輝く球体がいろんなところに配置されたステージが奇麗。それが、キラキラ光るものをところどころに抱えた、円満な情緒があふれるパフォーマンスに合っている。それから、ここのステージは広いのだなとも再認識。キーボード、ギター、エレクトリック・ベース(少し、アコースティックも弾く)、ドラムというサポート員で、一部は前座として弾き語りパフォーマンスを披露したというデイヴ・リアンというアジア系の青年がピアノで加わる。とうぜん、彼女はピアノを弾かず、前に出てきて歌う曲が多くなりますね。
<今日の、ドラマ>
地上波のTV放送がわが家では映らないので、何かと話題の「あまちゃん」を見たことがない。まあ地上波放送を見ることができていたときでも、朝の連続テレビ小説(文字にすると、なかなかすごいネーミング)と大河ドラマは一度も見たことはないのだが。でも、音楽担当者はなにかとライヴに触れてきている人ではあるし、ちょっと見たい欲求も覚えなくもなあい……。あ、そういえば、「タイガー&ドラゴン」は好きで、あれを見て、僕は初めて落語に興味を持ち、機会があれば一度ぐらい真似事をやってみたあいと思ったのだよな。でも、正座が超苦手なぼくには無理ムリなんだが。
前回の来日公演と比べると、トランペット奏者がいなくなってワン・ホーンであたるとともに、シンガー(フレッド・ロス)とギタリスト(レイ・オビエド)以外は顔ぶれが変わっている。継続して参加しているのは米国人だが、新規のキーボード奏者とベース奏者とドラマーは英国人。うち、ドラマーのマーク・モンデザイアーはコートニ・パイン(2012年12月17日、他)が一番ブリブリいっていた1990年前後のレコーディング/ライヴに関わっていた辣腕ドラマーで、今世紀に入ってはマイク・ギブスやジョン・マクラフリン(2005年1月31日)ら英国人ビッグ・ネームが彼を使っていたりもする。
エリスの2011年作は英国勢がごっそり入ったアルバムだったが、実は英国に住んでいるのだとか。そして、奥さんも英国人で、マネージメントも英国でやっているらしい。蛇足だが、メイシオ・パーカーもマネージメントはずっと英国の会社がやっている。ということなら、その新作の参加者や今回のメンバー構成も納得がいくし、昨年のジンジャー・ベイカー公演(2012年11月21日)に彼がメンバー同行したのも英国在住とつながったものなのだろう。エリスはかつてオマール・ソーサ(2010年8月3日、他)の来日公演にも同行したこと(2005年9月24日)があったが、そのときはどこにすんでいたのか?
ジャズともファンクとも言いがたい、というか、その両方にかぶらんとするインストゥメンタル曲群と、ヴォーカリストが加わる陽性な気分が倍加する曲群(ビル・ウィザース「ユーズ・ミー」やスティーヴィー・ワンダー「ブギー・オン・レゲエ・ウーマン」、ジェイムス・ブラウン「コールド・スエット」などをやった)の2方向で進むのは、前回公演と同じ。その2つ、少しテイストが乖離しがち、とは思う。前回よりもエリスが歌う場面は多かかったかもしれず、また客とのコール&レスポンスをいろいろ今回は求めた。エリス最大の有名曲、ザ・JBズ時代の「チキン」はこのショウではやらなかった。
そして、エミ・マイヤー(2012年10月16日、他)の公演に回る。渋谷・O-East。彼女の新作タイトル『ギャラクシーズ・スカート』の“銀河”のイメージを引っ張って来たような、多数のミラー・ボールや輝く球体がいろんなところに配置されたステージが奇麗。それが、キラキラ光るものをところどころに抱えた、円満な情緒があふれるパフォーマンスに合っている。それから、ここのステージは広いのだなとも再認識。キーボード、ギター、エレクトリック・ベース(少し、アコースティックも弾く)、ドラムというサポート員で、一部は前座として弾き語りパフォーマンスを披露したというデイヴ・リアンというアジア系の青年がピアノで加わる。とうぜん、彼女はピアノを弾かず、前に出てきて歌う曲が多くなりますね。
<今日の、ドラマ>
地上波のTV放送がわが家では映らないので、何かと話題の「あまちゃん」を見たことがない。まあ地上波放送を見ることができていたときでも、朝の連続テレビ小説(文字にすると、なかなかすごいネーミング)と大河ドラマは一度も見たことはないのだが。でも、音楽担当者はなにかとライヴに触れてきている人ではあるし、ちょっと見たい欲求も覚えなくもなあい……。あ、そういえば、「タイガー&ドラゴン」は好きで、あれを見て、僕は初めて落語に興味を持ち、機会があれば一度ぐらい真似事をやってみたあいと思ったのだよな。でも、正座が超苦手なぼくには無理ムリなんだが。
MINASWING。渡辺貞夫
2013年7月10日 音楽 2つの公演で、5人のブラジル人の実演に触れる。青山・プラッサオンゼと南青山・ブルーノート東京。
ミナス(・ジェライス)とスウィングの造語だろう言葉をバンド名におくMINASWINGは、ヴォーカルとギターのブラジル人シルヴィオ・アナスタシオ、リード(アルト・サックス、ソプラノ・サックス、フルート)と主MC(日本語による)担当のスティーヴ・サックス、キーボードの二村希一、電気ベースのコモブチキイチロウ、打楽器の服部正美、ドラムの山口新語という布陣。ミナス味を含む。広がりあるブラジリアン・フュージョンを聞かせる。少し、女性トロンボーン奏者が入ったりもした。達者な吹き味を見せるサックスだが、彼とはちょうど四半世紀前にNYのブラジル料理屋で一緒にご飯を食べたことがあったのを思い出す。彼のリーダー作を出したレコード会社のA&Rが間に入ったと記憶するが、そのときから彼は日本が話せたよな?
そして、渡辺貞夫のショウは彼のリオデジャネイロ録音の新作『オウトラ・ヴェス ふたたび』で参加していた、ブラジル人ミュージシャンたちを呼んでのもの。若い長身のウッド・ベース奏者は今回のライヴで新たに加わった。すうっとスウィートで、随所に目映さや飛翔感を持つフラジリアン・ジャズを披露。通常のドラム演奏と打楽器群演奏を一人でこなしちゃうようなセルソ・ヂ・アルメイダのドラミングは何気にすごかった。
<今日の、境地>
昼下がりに電車に乗ったら、寝ている人比率が高い。ははは(力のない笑い)。今月頭の梅雨明けとともに猛暑が続いていて、皆もう疲れているんだろうなー。ぼくはといえば、この夏の人生なかばあきらめた、という感じぃ? 仕事だけ淡々とこなして、あとは何も新たなことは求めない。秋まではなんの展望もな〜い。てな、とっても消極的な気持ちになっている。この夏は、ずっと死んだフリ。そんな気持ちになると、暑さもそれほど気にはならない?
ミナス(・ジェライス)とスウィングの造語だろう言葉をバンド名におくMINASWINGは、ヴォーカルとギターのブラジル人シルヴィオ・アナスタシオ、リード(アルト・サックス、ソプラノ・サックス、フルート)と主MC(日本語による)担当のスティーヴ・サックス、キーボードの二村希一、電気ベースのコモブチキイチロウ、打楽器の服部正美、ドラムの山口新語という布陣。ミナス味を含む。広がりあるブラジリアン・フュージョンを聞かせる。少し、女性トロンボーン奏者が入ったりもした。達者な吹き味を見せるサックスだが、彼とはちょうど四半世紀前にNYのブラジル料理屋で一緒にご飯を食べたことがあったのを思い出す。彼のリーダー作を出したレコード会社のA&Rが間に入ったと記憶するが、そのときから彼は日本が話せたよな?
そして、渡辺貞夫のショウは彼のリオデジャネイロ録音の新作『オウトラ・ヴェス ふたたび』で参加していた、ブラジル人ミュージシャンたちを呼んでのもの。若い長身のウッド・ベース奏者は今回のライヴで新たに加わった。すうっとスウィートで、随所に目映さや飛翔感を持つフラジリアン・ジャズを披露。通常のドラム演奏と打楽器群演奏を一人でこなしちゃうようなセルソ・ヂ・アルメイダのドラミングは何気にすごかった。
<今日の、境地>
昼下がりに電車に乗ったら、寝ている人比率が高い。ははは(力のない笑い)。今月頭の梅雨明けとともに猛暑が続いていて、皆もう疲れているんだろうなー。ぼくはといえば、この夏の人生なかばあきらめた、という感じぃ? 仕事だけ淡々とこなして、あとは何も新たなことは求めない。秋まではなんの展望もな〜い。てな、とっても消極的な気持ちになっている。この夏は、ずっと死んだフリ。そんな気持ちになると、暑さもそれほど気にはならない?
マリーン。パブロ・シーグレル
2013年7月12日 音楽 最初に行ったのは、恵比寿・act*squareという会場。ガーデンプレイスの近くにあるバブルな感じを出している建物で、普段は多目的イヴェント会場として使われているようだ。場内は円形、この日はメイン・フロアの中央がスタンディングとなり、回りを椅子席が囲んでいる。
主役のヴェテラン歌手のマリーンの新作は、人気ディスコ歌手のドナ・サマー絡みの曲(当然、彼女を売り出したジョルジオ・モロダー〜2013年5月28日〜曲なんだろうな)を取り上げたもので、それにならい往年のディスコティックを模した設定で、新作曲披露の場を持とうとしたよう。新作プロデューサーのクリヤ・マコト他を中心に5人のミュージシャンやバックグラウンド・ヴォーカリストがプリセット音併用のもとサポートするなか、本人は歌う。
まず思ったのは、ちゃんと若々しさ、初々しさを保っているナということ。無理なく身体の線が出るドレスを見にまとい、客とちゃんとコミュニケーションをするという気概を横溢させながら、ちゃらい曲を歌って行く。喉に負担がかかりそうな歌い方をする歌手というイメージをぼくは持っていたが、生で触れると何気にちゃんと声量もあるのだな。そういえば、ぼくは彼女の実演には今回初めて触れるのだと思う。
かなり卑猥な内容の「ホット・スタッフ」から、街に立つ女性やストリッパーのことを歌った「バッド・ガール」なども取り上げるが、それも、生理的に背筋の伸びたマリーンの個体を介して出てくると、自立系女性歌手の純な歌として聞こえてくるような。やはり、歌手の個性ってある。
そして、南青山・ブルーノート東京に移り、アストラ・ピアソラの後期バンドに10年強在籍したアルゼンチン人ピアニスト、パブロ・シーグレルの公演を見る。昨年公演(2012年11月21日)は日本人奏者がサポートしていたが、今回はニューヨーク・カルテットという名前のグループでパフォーマンス。その名前はNYで結成された故のようだが、参加アーティストの名前は皆ラテン系のそれを持つ人たちで、彼らはNYのアルゼンチン人なのだろうか? 黒のスーツ基調で固めた面々、なかなか風情あり。とくに白髪の感じもハマるシーグレルとギター奏者のクラウディオ・ラガッシはそう。一番若そうなコントラバス奏者のペドロ・ジラウドはFC東京監督のランコ・ポポヴィッチに似ている。ひゃひゃ。
で、一堂に音を出すと、おおお現代タンゴじゃとこっくり。ダンディで、生理的に重厚。これぞぼくのような聞き手が欲するアルゼンチン・タンゴなるものだよなともなんとなく思わせる、何かがぐわんとある。かつ、異文化の美味しいデコボコに触れているとも感じさせる。そして、これはある程度、ライヴにおいては、齢を重ねた人が出て来てやったほうがありがた味がでるタイプの音楽である、とも痛感。
曲はシーグレルのオリジナルが中心で、ピアソラ曲も少し。癖あるメロディ感覚やアクセントを基本のプロットとし、4人の奏者が手癖を思うまま重ねて行くような、アンサンブルの妙をたっぷり抱えた演奏は一部では即興性も持ち、ブラジリアン・ジャズという言い方があるのなら、アルゼンチーナ・チャズという言い方があってもいいかもとも思えたか。ギター奏者は完全にジャズ・マナーを多大に通った演奏をしていた。
<今日の、ほっこり>
渋谷駅から、タワー・レコードの黄色い袋を持ったご老人が乗ってくる。カジュアルな格好をしていて、おそらく仕事はリタイアしていると思われる。奇麗に髪を刈っている彼、ニコニコしながら、大切そうにCD袋をかかえている。音楽好きの余生に幸あれ。なんか、いい光景に触れたな。
主役のヴェテラン歌手のマリーンの新作は、人気ディスコ歌手のドナ・サマー絡みの曲(当然、彼女を売り出したジョルジオ・モロダー〜2013年5月28日〜曲なんだろうな)を取り上げたもので、それにならい往年のディスコティックを模した設定で、新作曲披露の場を持とうとしたよう。新作プロデューサーのクリヤ・マコト他を中心に5人のミュージシャンやバックグラウンド・ヴォーカリストがプリセット音併用のもとサポートするなか、本人は歌う。
まず思ったのは、ちゃんと若々しさ、初々しさを保っているナということ。無理なく身体の線が出るドレスを見にまとい、客とちゃんとコミュニケーションをするという気概を横溢させながら、ちゃらい曲を歌って行く。喉に負担がかかりそうな歌い方をする歌手というイメージをぼくは持っていたが、生で触れると何気にちゃんと声量もあるのだな。そういえば、ぼくは彼女の実演には今回初めて触れるのだと思う。
かなり卑猥な内容の「ホット・スタッフ」から、街に立つ女性やストリッパーのことを歌った「バッド・ガール」なども取り上げるが、それも、生理的に背筋の伸びたマリーンの個体を介して出てくると、自立系女性歌手の純な歌として聞こえてくるような。やはり、歌手の個性ってある。
そして、南青山・ブルーノート東京に移り、アストラ・ピアソラの後期バンドに10年強在籍したアルゼンチン人ピアニスト、パブロ・シーグレルの公演を見る。昨年公演(2012年11月21日)は日本人奏者がサポートしていたが、今回はニューヨーク・カルテットという名前のグループでパフォーマンス。その名前はNYで結成された故のようだが、参加アーティストの名前は皆ラテン系のそれを持つ人たちで、彼らはNYのアルゼンチン人なのだろうか? 黒のスーツ基調で固めた面々、なかなか風情あり。とくに白髪の感じもハマるシーグレルとギター奏者のクラウディオ・ラガッシはそう。一番若そうなコントラバス奏者のペドロ・ジラウドはFC東京監督のランコ・ポポヴィッチに似ている。ひゃひゃ。
で、一堂に音を出すと、おおお現代タンゴじゃとこっくり。ダンディで、生理的に重厚。これぞぼくのような聞き手が欲するアルゼンチン・タンゴなるものだよなともなんとなく思わせる、何かがぐわんとある。かつ、異文化の美味しいデコボコに触れているとも感じさせる。そして、これはある程度、ライヴにおいては、齢を重ねた人が出て来てやったほうがありがた味がでるタイプの音楽である、とも痛感。
曲はシーグレルのオリジナルが中心で、ピアソラ曲も少し。癖あるメロディ感覚やアクセントを基本のプロットとし、4人の奏者が手癖を思うまま重ねて行くような、アンサンブルの妙をたっぷり抱えた演奏は一部では即興性も持ち、ブラジリアン・ジャズという言い方があるのなら、アルゼンチーナ・チャズという言い方があってもいいかもとも思えたか。ギター奏者は完全にジャズ・マナーを多大に通った演奏をしていた。
<今日の、ほっこり>
渋谷駅から、タワー・レコードの黄色い袋を持ったご老人が乗ってくる。カジュアルな格好をしていて、おそらく仕事はリタイアしていると思われる。奇麗に髪を刈っている彼、ニコニコしながら、大切そうにCD袋をかかえている。音楽好きの余生に幸あれ。なんか、いい光景に触れたな。
FREEDOMUNE <ZERO> 2013
2013年7月13日 音楽 新旧のフリー・ミュージック関連者(枠を取っ払おうとする担い手。と、書いたほうがいいのか)多数出る、無料フェスティヴァル。幕張メッセ、3つ分の区画を用いる。入場時の持ち込み荷物のチェックはなし。それは気持ちいい。行き帰りを知人の車に乗せてもらい、心置きなくお酒が飲めて楽しかった。普段、会わない人にもいろいろと会い(十中八九、ぼくのほうからは分らず話しかけられた)、イヴェントに来たゾという気持ちにもなったな。
会場に着いたのは、BOADOMES(2007年4月20日、他) presents 7×13 BOA DRUMが始まる少し前。一会場きっちり与えられていて、フロアにはドラム(91台か?)がたくさん。飲み物を買う列に並んでいるうちに演奏が始まり、演奏フロアと観客立ちスペースに高さの差があるわけではないので、演奏の様子はほぼ見えない。ちゃんと見えたなら、パフォーマンスとしてはかなり面白いな。俯瞰の映像をどこかに映してくれたならとも思うが、フリー・イヴェントに贅沢を言ってはいけないか。
その隣は、大々的にレクサス(トヨタの高級車ブランド)の名を前面に出した、DJが出演する広い会場。レクサスがスポンサーとうのいうのにはおおいに驚く。エッジィな音楽愛好者は将来のエグゼクティヴというマーケッティングは、さすがないだろう。その立派で広いステージに立つDJたちは、会場後方からはまさに米粒のごとく見える。どんなことをやっているのか、上か横から移すような映像をぼくは欲した。かつて知り合いに紹介されたことがあるKYOKAの出番はちゃんと見たが、いただいたCD の記憶と比すると、よりダンス・フロア対応になっていたかな。
その隣はZIMAの名前が大々的に冠された幕張武道館なる会場で、一応そこがメインのステージになるのか。大友良英(2011年6月8日、他)あまちゃんバンドや態度のUKパンク・バンドであるクラスの設立者であるペニー・リンボー(メンバーのイヴ・リヴァティーンも同行)のパフォーマンスなどはそこで見た。それから、上ので入り口フロアにはトークのスペースがあって、話題の参議院候補者である三宅洋平(2009年11月25日)の歌もちょい聞く。でも、その頃にはだいぶ酔っぱらっていたな。
<今日の、飲み物>
オフィシャルの飲み物はクアーズの日本法人がついていて、主販売飲料はそこが扱うジーマとコロナ。共に、ぼくの好みではない。主催者側の舵取りできる人に酒好きはいなかったのか。ま、取引条件が良かったのだろう。こういうとき、フリー・コンサートだと、まだあきらめがつく。そんなわけで、ぼくはラムのロックばかり飲んでいた(バーボンは売っていなかったような)わけだ。ちなみに、クアーズの米国本社は英国の大衆ビールであるカーリングも持っている。中村俊輔がいたセルティックの胸スポンサーはカーリングでしたね。カーリングはロンドンのコンビニでもトップ級に並んでおり、安価なわりには重めで、ここでカーリングを売ってくれたらなあとぼくは思わずにはいられなかった。
会場に着いたのは、BOADOMES(2007年4月20日、他) presents 7×13 BOA DRUMが始まる少し前。一会場きっちり与えられていて、フロアにはドラム(91台か?)がたくさん。飲み物を買う列に並んでいるうちに演奏が始まり、演奏フロアと観客立ちスペースに高さの差があるわけではないので、演奏の様子はほぼ見えない。ちゃんと見えたなら、パフォーマンスとしてはかなり面白いな。俯瞰の映像をどこかに映してくれたならとも思うが、フリー・イヴェントに贅沢を言ってはいけないか。
その隣は、大々的にレクサス(トヨタの高級車ブランド)の名を前面に出した、DJが出演する広い会場。レクサスがスポンサーとうのいうのにはおおいに驚く。エッジィな音楽愛好者は将来のエグゼクティヴというマーケッティングは、さすがないだろう。その立派で広いステージに立つDJたちは、会場後方からはまさに米粒のごとく見える。どんなことをやっているのか、上か横から移すような映像をぼくは欲した。かつて知り合いに紹介されたことがあるKYOKAの出番はちゃんと見たが、いただいたCD の記憶と比すると、よりダンス・フロア対応になっていたかな。
その隣はZIMAの名前が大々的に冠された幕張武道館なる会場で、一応そこがメインのステージになるのか。大友良英(2011年6月8日、他)あまちゃんバンドや態度のUKパンク・バンドであるクラスの設立者であるペニー・リンボー(メンバーのイヴ・リヴァティーンも同行)のパフォーマンスなどはそこで見た。それから、上ので入り口フロアにはトークのスペースがあって、話題の参議院候補者である三宅洋平(2009年11月25日)の歌もちょい聞く。でも、その頃にはだいぶ酔っぱらっていたな。
<今日の、飲み物>
オフィシャルの飲み物はクアーズの日本法人がついていて、主販売飲料はそこが扱うジーマとコロナ。共に、ぼくの好みではない。主催者側の舵取りできる人に酒好きはいなかったのか。ま、取引条件が良かったのだろう。こういうとき、フリー・コンサートだと、まだあきらめがつく。そんなわけで、ぼくはラムのロックばかり飲んでいた(バーボンは売っていなかったような)わけだ。ちなみに、クアーズの米国本社は英国の大衆ビールであるカーリングも持っている。中村俊輔がいたセルティックの胸スポンサーはカーリングでしたね。カーリングはロンドンのコンビニでもトップ級に並んでおり、安価なわりには重めで、ここでカーリングを売ってくれたらなあとぼくは思わずにはいられなかった。
キューバ生まれで現在はアルゼンチンで活動しているシンガー・ソングライター(2012年6月27日、他)の、今回の丸の内・コットンクラブ公演は入れ換えなしの2ショウ公演。1部はなんと、彼女のソロ・パフォーマンス。3種類のギターを扱いつつ(カホーンを叩きながらも歌ったっけ?)、真っすぐな、精気にも真心にもあふれた歌を聞かせる。なんか胸を張っているというか、しっかりとした歌心と気があって、なんか彼女には誰もかなわないとほのかに思わせられた? 当然のことながら、事情が許すなら、毎来日時みたいと思わせるられるな。
2部は、彼女の昨年公演にも同行したアルゼンチン人ベーシストのキケ・フェラーリ(6弦エレクトリック・ベースを主に、曲によってはコントラバスも弾く)と2人でパフォーマンス。冒頭曲はフェラーリのよく通る歌声がフィーチャーされる。2人だと色彩感もけっこう変わり、ジューサの実演回路のありかたも軽快になり(一方では、剛性感も増す)興味深い。これは、2部制の意義がおおいにあるナとも思った。
<今日の、来日公演宣伝>
ライヴ会場に行く前に、指定券を購入するためにJR有楽町駅に行ったら、駅の横で<ポール・マッカートニーの来日が決まりましたァ>と号外風に紙片を配っている。急いでいたので、わざわざ近寄りもらいはしなかったが、新聞社の名前は名乗っていなかったので新聞の号外ではないと思う。とうのはともかく、なるほど、マッカートニー公演の主要客層はおっさんか。なら、渋谷ではなく、有楽町で事件ですよおと宣伝物を配るのは分る。翌日の新聞朝刊社会面に小さな記事ではあったが、彼の来日決定が報じられていて驚く。
2部は、彼女の昨年公演にも同行したアルゼンチン人ベーシストのキケ・フェラーリ(6弦エレクトリック・ベースを主に、曲によってはコントラバスも弾く)と2人でパフォーマンス。冒頭曲はフェラーリのよく通る歌声がフィーチャーされる。2人だと色彩感もけっこう変わり、ジューサの実演回路のありかたも軽快になり(一方では、剛性感も増す)興味深い。これは、2部制の意義がおおいにあるナとも思った。
<今日の、来日公演宣伝>
ライヴ会場に行く前に、指定券を購入するためにJR有楽町駅に行ったら、駅の横で<ポール・マッカートニーの来日が決まりましたァ>と号外風に紙片を配っている。急いでいたので、わざわざ近寄りもらいはしなかったが、新聞社の名前は名乗っていなかったので新聞の号外ではないと思う。とうのはともかく、なるほど、マッカートニー公演の主要客層はおっさんか。なら、渋谷ではなく、有楽町で事件ですよおと宣伝物を配るのは分る。翌日の新聞朝刊社会面に小さな記事ではあったが、彼の来日決定が報じられていて驚く。
このバルセロナをベースとする4人組ロック・バンドのことは全然知らなかった。ちょいネットでチェックしたら、いろんなタイプの曲をやっていて〜マヌ・チャオ(2010年10月4日、他)やカフェ・タクーバ(2007年11月3日)を思いださせるものも〜、いかにも洋楽を横目にスペイン人らしい凸凹も出した大衆ロック・バンドという所感を得た。ぼくが嫌うところの産業ロック臭を出している部分もなくはないような気もしたが、なんにせよ、やっぱり彼の地のスペイン語の今のバンドというだけで単純なぼくは興味をひかれてしまうな。あと、ぼくが大好きなイタリア人アーティストのジョヴァノッティ(2002年6月1日)ともやりとりを持ったことがあるようだ。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
初来日となるような彼らの今回の実演は、アコースティック傾向セットによるという。ようは、リード・ヴォーカリストの弾くギターがアコースティックであり、キーボード奏者はピアノを主に演奏。そのキーボード奏者はときにスティング・バンドにいたときの故ケニー・カークランドのピアノ・ソロ演奏を参照したような指さばきを見せるが、約3分の1では小学校の音楽の時間に先生が弾くような緩〜い演奏を聞かせ、それには少し閉口した。
ハーモニー・ヴォーカルも取るベーシストは女性。ドラマーは北欧っぽい見た目の人だが、けっこう存在感のある歌を聞かせるフロント・マンのパウ・ドネス(ときに、パーカッションを叩きながら、歌ったときも)を筆頭に、本当に東京でライヴができるのがうれしくてしょうがないという風情を出していて、ぼくもとてもいい心持ちを得る。MCはときにつかえつつ英語でやっていたが、「次は日本語でMCすることを約束するよ。近い時期にまた来るから」という心意気MCにはおっしゃ〜となる。とかいう部分はやはりマヌ・チャオ的? それとラテンぽい曲もあることはあるが、ジャジー・ボサ調のビートを介する曲も複数あった。
これが英語でやる英米バンドだったらどう感じたか……、それは考えるのをやめよう。とにかく、気持ちの濃さや態度のありかたや、スペイン語のエキゾ性など、ぼくはかなりくすぐられたし、次回があるなら、ぜひ見に行きたいと思った。
<今日の、きぶん>
ぼくにこの夏の人生をあきらめさせたほど(7月10日の本文外記載参照)バカ暑い日々が続いていたが、先週末ぐらいからだったか、それなりに涼しくなった。特に、夜はかなり過ごしやすいし、当分気温は低めであるという長期天気予報も出ている。こんなこともあるのかー。少し、生活に対する意欲を持ち直す。ほんと一時は投げやり、でした。そんなわけで、夏遊びに対する意欲もむくりと湧き、先週中頃にプチ夏休みを唐突にとっちゃう。そのかわり、土日は机に一心不乱に向かうことを強いられたが、そんなまさかの予定外の行為は今日あった参議院選挙結果に少しは絶望せずにいられるようにという、自己防衛本応が働いたからではなかったか。なーんてね。くさらず、前向きに前向きに。
初来日となるような彼らの今回の実演は、アコースティック傾向セットによるという。ようは、リード・ヴォーカリストの弾くギターがアコースティックであり、キーボード奏者はピアノを主に演奏。そのキーボード奏者はときにスティング・バンドにいたときの故ケニー・カークランドのピアノ・ソロ演奏を参照したような指さばきを見せるが、約3分の1では小学校の音楽の時間に先生が弾くような緩〜い演奏を聞かせ、それには少し閉口した。
ハーモニー・ヴォーカルも取るベーシストは女性。ドラマーは北欧っぽい見た目の人だが、けっこう存在感のある歌を聞かせるフロント・マンのパウ・ドネス(ときに、パーカッションを叩きながら、歌ったときも)を筆頭に、本当に東京でライヴができるのがうれしくてしょうがないという風情を出していて、ぼくもとてもいい心持ちを得る。MCはときにつかえつつ英語でやっていたが、「次は日本語でMCすることを約束するよ。近い時期にまた来るから」という心意気MCにはおっしゃ〜となる。とかいう部分はやはりマヌ・チャオ的? それとラテンぽい曲もあることはあるが、ジャジー・ボサ調のビートを介する曲も複数あった。
これが英語でやる英米バンドだったらどう感じたか……、それは考えるのをやめよう。とにかく、気持ちの濃さや態度のありかたや、スペイン語のエキゾ性など、ぼくはかなりくすぐられたし、次回があるなら、ぜひ見に行きたいと思った。
<今日の、きぶん>
ぼくにこの夏の人生をあきらめさせたほど(7月10日の本文外記載参照)バカ暑い日々が続いていたが、先週末ぐらいからだったか、それなりに涼しくなった。特に、夜はかなり過ごしやすいし、当分気温は低めであるという長期天気予報も出ている。こんなこともあるのかー。少し、生活に対する意欲を持ち直す。ほんと一時は投げやり、でした。そんなわけで、夏遊びに対する意欲もむくりと湧き、先週中頃にプチ夏休みを唐突にとっちゃう。そのかわり、土日は机に一心不乱に向かうことを強いられたが、そんなまさかの予定外の行為は今日あった参議院選挙結果に少しは絶望せずにいられるようにという、自己防衛本応が働いたからではなかったか。なーんてね。くさらず、前向きに前向きに。
デイヴィッド・マレイ・ビッグ・バンド・ウィズ・メイシー・グレイ
2013年7月22日 音楽 大昔ぼくの大アイドルであった(2003年8月9日といったような、やりとりもありました)大越境テナー・サックス奏者(2012年9月28日、他)のなかなかスペシャルな出しもの。南青山・ブルーノート東京、初日のセカンド・ショウ。
一応、今回来日につながる流れを書いておくと、彼はこの6月にインフィニティ・カルテット名義で新作をリリース。それはグレゴリー・ポーター(2013年3月6日)やメイシー・グレイ(2012年10月17日、他)をシンガーに擁してもいるアルバムで、そのマレイ作曲のヴォーカル・ナンバーの歌詞はキップ・ハンラハン(2011年12月8日、他)との関わりでも知られるイシュマエル・リードやザ・ラスト・ポエッツのアビオドゥン・オイウォレというリーディング名士が担当。と同時に、そのインフィニティ・カルテットはメイシー・グレイを伴うカタチで北米や欧州のジャズ・フェス出演を怒濤でこなしてきた。
そして、マレイやメイシー・グレイは日本にもやってきたのだが、なんと日本で予定されたのべ6日の公演は特別設定。太っ腹に全17人のビッグ・バンドに拡大しての編成で、彼らは来日した。長年欧州に居住しているマレイは現在スイスに住んでいるようだが、ビッグ・バンドの面々の多くはアメリカ人のよう。いろんなフリー・ジャズ系アルバムに参加しているバリトン・サックスのアレックス・ハーディングやサン・ラー・アーケストラ((2000年8月14 日、2002年9月7日、2003年7月25日)からジャイムズ・カーター(2013年2月26日)やアート・アンサンブル・オブ・シカゴなどで弾いているシャリブ・ハシド(ベース。今回は曲により電気と縦を使い分けていた)などの強者を含む。全員アフリカ系で、アルト・サックスの一人は若い女性だった。それから、若いギタリストの名前は、ミンガス・マレイ。マレイの息子かな? チャールズ・ミンガスから取られたファースト・ネームを持つ人物であるのは間違いがないだろうけど。当初から、マレイはジェイムズ・ブラッド・ウルマーと懇意にしていたのもふと思い出した。この11月30日にはフランスのミュルーズで、マレイとウルマーの共演公演が組まれている。
で、一曲目はなかなかアヴァンギャルドなアレンジを取り各奏者にも飛び気味のソロを取らせる曲でおおっ。ただし、2回やったマレイのメンバー紹介は紙片を見てのもの(つまり、奏者達の名前をちゃんと覚えていないということでしょう)で、まだ万全の重なりを見せるというものではなかった。だが、設定やアレンジ自体がけっこう変テコでとっ散らかって聞こえる指針を取るものであり、これはかつてドイツで聞いて不満を覚えた彼のラテン・ビッグ・バンド(2004年6月6日)と異なり、おおいにマレイがやる意義ありと頷く。
思った以上にメイシー・グレイはステージにいてバンド音と絡み(全体の5分の3ぐらい?)彼女が出てきた後は、ブルージィ度やR&B濃度が高い曲もやった。やはり、彼女は声だけで納得させるものがあるし、すでにマレイのカルテットとは20カ所ほどでショウをやっているため、重なりの様には余裕があった。マレイは基本バンドを指揮することに重きを置き、ソロは何曲かで取ったが、1980年代前半までのそれに比べればほとんど冗談みたいなものなので(それほど、昔のマレイはすべてにおいて、他の人とは異なる大地に立って、威風堂々自分をまっとうしていた)、それでいいと思う。彼の指揮の仕方は嬉々として派手で、それはアトラクティヴ。見ていて、楽しい。そののりで続けてという意志を管奏者たちに出す際、両手をくっつけて△マークを作り、頭の上に掲げるというサインの出し方をするときもあった。
最後の曲はまずメイシー・グレイがステージをおり、その後ビッグ・バンドの管楽器奏者たちは演奏しながら楽屋に帰っていくという設定。アンコールなしの本編はたっぷり100分。わーい。
<今日の、メイシー>
彼女は一度着替える。最初は黒基調、2度目は赤基調の格好。終盤は力づくの客扱いで、場内は総立ち、そしてコール&レスポンス。おお、いやはや。まさか、ジャズのビッグ・バンド公演で、そういう様が見られようとは。彼らは北海道の野外フェスに出たあと、ここに3日間出演し、名古屋公演を経て、フジ・ロック・フェスティヴァルに出演する。この内容(マレイの指揮の様も目を引くだろうし)で、メイシー・グレイ(ピンでごんごん人気を得ていた時期、ちょうど10年前のフジ・ロックのグリーン・ステージの単独出演者だったこともある。その直後の東京単独公演は、2003年7月28日)がこの晩のように観客に働きかければ、きっと苗場でも大受けすると思う。日本ツアー後、またカルテット仕様に戻り、両者は楽旅する。ただし、8月30日のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァル(なんか、ビル・フリゼール〜2011年1月30日、他〜がジョン・レノン曲弾きプロジェクトをやったり、チャールズ・ロイド〜2013年1月6日、他〜と一緒にやったりと、大車輪みたい)は海外では唯一、ビッグ・バンドでのパフォーマンス。同市の財政破綻とジャス・フェスが関係ないようなのは、なにより。
一応、今回来日につながる流れを書いておくと、彼はこの6月にインフィニティ・カルテット名義で新作をリリース。それはグレゴリー・ポーター(2013年3月6日)やメイシー・グレイ(2012年10月17日、他)をシンガーに擁してもいるアルバムで、そのマレイ作曲のヴォーカル・ナンバーの歌詞はキップ・ハンラハン(2011年12月8日、他)との関わりでも知られるイシュマエル・リードやザ・ラスト・ポエッツのアビオドゥン・オイウォレというリーディング名士が担当。と同時に、そのインフィニティ・カルテットはメイシー・グレイを伴うカタチで北米や欧州のジャズ・フェス出演を怒濤でこなしてきた。
そして、マレイやメイシー・グレイは日本にもやってきたのだが、なんと日本で予定されたのべ6日の公演は特別設定。太っ腹に全17人のビッグ・バンドに拡大しての編成で、彼らは来日した。長年欧州に居住しているマレイは現在スイスに住んでいるようだが、ビッグ・バンドの面々の多くはアメリカ人のよう。いろんなフリー・ジャズ系アルバムに参加しているバリトン・サックスのアレックス・ハーディングやサン・ラー・アーケストラ((2000年8月14 日、2002年9月7日、2003年7月25日)からジャイムズ・カーター(2013年2月26日)やアート・アンサンブル・オブ・シカゴなどで弾いているシャリブ・ハシド(ベース。今回は曲により電気と縦を使い分けていた)などの強者を含む。全員アフリカ系で、アルト・サックスの一人は若い女性だった。それから、若いギタリストの名前は、ミンガス・マレイ。マレイの息子かな? チャールズ・ミンガスから取られたファースト・ネームを持つ人物であるのは間違いがないだろうけど。当初から、マレイはジェイムズ・ブラッド・ウルマーと懇意にしていたのもふと思い出した。この11月30日にはフランスのミュルーズで、マレイとウルマーの共演公演が組まれている。
で、一曲目はなかなかアヴァンギャルドなアレンジを取り各奏者にも飛び気味のソロを取らせる曲でおおっ。ただし、2回やったマレイのメンバー紹介は紙片を見てのもの(つまり、奏者達の名前をちゃんと覚えていないということでしょう)で、まだ万全の重なりを見せるというものではなかった。だが、設定やアレンジ自体がけっこう変テコでとっ散らかって聞こえる指針を取るものであり、これはかつてドイツで聞いて不満を覚えた彼のラテン・ビッグ・バンド(2004年6月6日)と異なり、おおいにマレイがやる意義ありと頷く。
思った以上にメイシー・グレイはステージにいてバンド音と絡み(全体の5分の3ぐらい?)彼女が出てきた後は、ブルージィ度やR&B濃度が高い曲もやった。やはり、彼女は声だけで納得させるものがあるし、すでにマレイのカルテットとは20カ所ほどでショウをやっているため、重なりの様には余裕があった。マレイは基本バンドを指揮することに重きを置き、ソロは何曲かで取ったが、1980年代前半までのそれに比べればほとんど冗談みたいなものなので(それほど、昔のマレイはすべてにおいて、他の人とは異なる大地に立って、威風堂々自分をまっとうしていた)、それでいいと思う。彼の指揮の仕方は嬉々として派手で、それはアトラクティヴ。見ていて、楽しい。そののりで続けてという意志を管奏者たちに出す際、両手をくっつけて△マークを作り、頭の上に掲げるというサインの出し方をするときもあった。
最後の曲はまずメイシー・グレイがステージをおり、その後ビッグ・バンドの管楽器奏者たちは演奏しながら楽屋に帰っていくという設定。アンコールなしの本編はたっぷり100分。わーい。
<今日の、メイシー>
彼女は一度着替える。最初は黒基調、2度目は赤基調の格好。終盤は力づくの客扱いで、場内は総立ち、そしてコール&レスポンス。おお、いやはや。まさか、ジャズのビッグ・バンド公演で、そういう様が見られようとは。彼らは北海道の野外フェスに出たあと、ここに3日間出演し、名古屋公演を経て、フジ・ロック・フェスティヴァルに出演する。この内容(マレイの指揮の様も目を引くだろうし)で、メイシー・グレイ(ピンでごんごん人気を得ていた時期、ちょうど10年前のフジ・ロックのグリーン・ステージの単独出演者だったこともある。その直後の東京単独公演は、2003年7月28日)がこの晩のように観客に働きかければ、きっと苗場でも大受けすると思う。日本ツアー後、またカルテット仕様に戻り、両者は楽旅する。ただし、8月30日のデトロイト・ジャズ・フェスティヴァル(なんか、ビル・フリゼール〜2011年1月30日、他〜がジョン・レノン曲弾きプロジェクトをやったり、チャールズ・ロイド〜2013年1月6日、他〜と一緒にやったりと、大車輪みたい)は海外では唯一、ビッグ・バンドでのパフォーマンス。同市の財政破綻とジャス・フェスが関係ないようなのは、なにより。
ライヴ会場に向かう電車内、浴衣姿の人がいたり、なんかのイヴェントに向かう感じの人がいたり(外苑前で、たくさん人が降りたな。その周辺で何をやっていたのだろう?)、ああ夏期休暇の時期なんだと実感。そういえば、深夜に渋谷中心部を歩くと明らかにコドモの比率が増えていて、そのことでも世の学校は夏休みに入ったのだナと感じる。
日比谷野外大音楽堂。日本のジャズ界を牽引してきた2人のビッグ・ネームの二本立て公演。日比谷野音ができて90周年を祝う催しの一環で、立ち見が出る入り。
まず、山下洋輔(ピアノ。2009年7月19日、他)、坂井紅介(ベース)、本田珠也(ドラム。2012年7月16日、他)のトリオに、寺久保エレナ(アルト・サックス)と菊地成孔(テナー。アルト・サックス。2013年3月26日、他)という面々が加わる山下グループが1時間演奏。
そして、渡辺(2013年7月10日、他)グループの演奏。本田珠也は続投、こちらはパーカッション奏者もいるし、サウンドもことなるので、彼はさっきとは別のドラム・セットを叩く。ギターは養父貴(2012年12月15日、他)、ベースはコモブチキイチロウ(2013年7月10日、他)は普段のワーキング・バンドの面々。そして、キーボードは、トラ(代役)で塩谷哲(2012年8月24日)。本田のドラム音とンジェセ・ニャン(2012年12月15日、他)の打楽器の音が明快に聞き分けられて何気に音がいいなあ、陽が沈んでからのほうが蒸し暑いなあなぞと思って聞いていたら、さああと涼しい風が吹く。……と、思ったら、雨がポツりと来だし、急に豪雨になり稲妻も光りだした。もー以後、大荒れ。うひー。オレ、苗場(フジ・ロック)に来ているんだっけ?
簡素なビニール合羽だけだけではこころもとないと、会場最後方に下がり、傘を差しながら、のんきにステージを見る。ビーサンはいて来て、よかったア。終了後に写真を撮っていた人に聞いたら(カメラ、駄目になったそう)、風の関係もありステージにも雨は降り注ぎ、出演者はずぶぬれになってやっていたそうだ。楽器群もびしょびしょ、だったとのこと。
洒落にならない降雨、度々の稲妻のもと、ショウは続く。慌てる観客とともに、妙に盛り上がる人々もいる。チョー不思議な場じゃおーこりゃこりゃと、ぼくは無責任に思う。なんか、それもジャズ、これも野外公演というような、ナンでもアリじゃんという空気感があったようなないような。
渡辺貞夫グループの演奏が終わり、すぐの山下グループの5人全員が出て来て、アンコールに用意していたろうブルース曲を一緒にやりはじめる。その途中で、近くの建物の避雷針に落雷し、ものすごい轟音。びっくりぃ。それ、山下と塩谷が連弾でピアノ・ソロを取っているときだっけか。が、演奏はとまらない。そして、その曲をもって公演は終了。いやはや、見ているほうもやっているほうも、とってもごくろうサマ。この晩の出し物は<真夏の夜のJAZZ>と題されもしていたが、見事に<真夏の暴雨のジャズ>だった。
<今日のもろもろ>
日本サッカー界で一番偉い人が、客で来ていた。耳たぶがびっくりするほど大きい。翌日は代表の試合があった韓国に行ったみたい。そういえば、貞夫さんって、代表チーム試合を中心にサッカー好きなんだよね。でも、国際マッチで試合前に君が代とか吹いたことはないよな? 後から知ったが、この晩の隅田川の花火大会も悪天候で30分で中止になったらしい。いやあ、今年の夏も突然の雷雨/豪雨は何度かあるけど、まさかモロにそれにあうとは思わなんだ。
日比谷野外大音楽堂。日本のジャズ界を牽引してきた2人のビッグ・ネームの二本立て公演。日比谷野音ができて90周年を祝う催しの一環で、立ち見が出る入り。
まず、山下洋輔(ピアノ。2009年7月19日、他)、坂井紅介(ベース)、本田珠也(ドラム。2012年7月16日、他)のトリオに、寺久保エレナ(アルト・サックス)と菊地成孔(テナー。アルト・サックス。2013年3月26日、他)という面々が加わる山下グループが1時間演奏。
そして、渡辺(2013年7月10日、他)グループの演奏。本田珠也は続投、こちらはパーカッション奏者もいるし、サウンドもことなるので、彼はさっきとは別のドラム・セットを叩く。ギターは養父貴(2012年12月15日、他)、ベースはコモブチキイチロウ(2013年7月10日、他)は普段のワーキング・バンドの面々。そして、キーボードは、トラ(代役)で塩谷哲(2012年8月24日)。本田のドラム音とンジェセ・ニャン(2012年12月15日、他)の打楽器の音が明快に聞き分けられて何気に音がいいなあ、陽が沈んでからのほうが蒸し暑いなあなぞと思って聞いていたら、さああと涼しい風が吹く。……と、思ったら、雨がポツりと来だし、急に豪雨になり稲妻も光りだした。もー以後、大荒れ。うひー。オレ、苗場(フジ・ロック)に来ているんだっけ?
簡素なビニール合羽だけだけではこころもとないと、会場最後方に下がり、傘を差しながら、のんきにステージを見る。ビーサンはいて来て、よかったア。終了後に写真を撮っていた人に聞いたら(カメラ、駄目になったそう)、風の関係もありステージにも雨は降り注ぎ、出演者はずぶぬれになってやっていたそうだ。楽器群もびしょびしょ、だったとのこと。
洒落にならない降雨、度々の稲妻のもと、ショウは続く。慌てる観客とともに、妙に盛り上がる人々もいる。チョー不思議な場じゃおーこりゃこりゃと、ぼくは無責任に思う。なんか、それもジャズ、これも野外公演というような、ナンでもアリじゃんという空気感があったようなないような。
渡辺貞夫グループの演奏が終わり、すぐの山下グループの5人全員が出て来て、アンコールに用意していたろうブルース曲を一緒にやりはじめる。その途中で、近くの建物の避雷針に落雷し、ものすごい轟音。びっくりぃ。それ、山下と塩谷が連弾でピアノ・ソロを取っているときだっけか。が、演奏はとまらない。そして、その曲をもって公演は終了。いやはや、見ているほうもやっているほうも、とってもごくろうサマ。この晩の出し物は<真夏の夜のJAZZ>と題されもしていたが、見事に<真夏の暴雨のジャズ>だった。
<今日のもろもろ>
日本サッカー界で一番偉い人が、客で来ていた。耳たぶがびっくりするほど大きい。翌日は代表の試合があった韓国に行ったみたい。そういえば、貞夫さんって、代表チーム試合を中心にサッカー好きなんだよね。でも、国際マッチで試合前に君が代とか吹いたことはないよな? 後から知ったが、この晩の隅田川の花火大会も悪天候で30分で中止になったらしい。いやあ、今年の夏も突然の雷雨/豪雨は何度かあるけど、まさかモロにそれにあうとは思わなんだ。
サヴェージズ。バイアーナ・システム
2013年7月29日 音楽 原宿・アストロホールと渋谷・www。ともに、フジ・ロック流れの担い手が出る公演。
まず、ロンドンの女性4人組、サヴェージズの公演。会場入りしたら、彼女たちのデビュー作『サイレンス・ユアセルフ』(マタドール、2013年)のプロデューサーをつとめるジョニー・ホスタイル(ヴォーカル、ギター)がプリセットの音を下敷きにパフォーマンス。一部では男性ギタリストが加わるとともに、サヴェージズのヴォーカリスト(と、思う)も出て来て歌う曲もあり。プリセット音のリズムの組み立てに少ししょぼさは感じたものの、ある種の風情アリ。
続いて、サヴェージズが登場、正面から光を当てない設定も納得はできる、ダークだが、スタイルを持つ(ある種、新人場慣れしているとも指摘できる。どこか、初々しさも持つんだが)ギター・ロックを聞かせる。あ、あと恥ずかしさを感じさせない、アートな感じも持っているとも思わせたか。そのバンド名にかけるなら、アートな蛮行、なんちって。ヴォーカルもそれなりに存在感を持ち、「アイム・ヒア」という曲では表題を連呼するが、自意識過剰な歌詞も違和感を覚えさせない。そんな、響きややノイズの効用にも留意したエッジーなニュー・ウェイヴ調ロックをもっと聞いていたかったが、3曲だけ聞いて、同じ行程を画策していた知人とタクシーに飛び乗る。
そして、ブラジルの賑やかし5人組+VJのバイアーナ・システムのショウ。大雑把に言えば、曲はたっぷり哀愁を持つものと、ラガ調の2系統。肉声担当者、バイーアの楽器で5弦小型エレキ・ギターてな感じのギターハ・バイアーナ、ベース、パーカッション、PCという布陣で、電気仕掛けビートにバイーアで培った諸々を載せていく様に触れ、これはバイーア版バルカン・ビート・ボックス(2012年9月9日、他)かと思う。とにかく、気の良さそうな奴らで、日本に来ることができて、そしてライヴ・ショウが出来てうれしくてしょうがないという気持ちを目一杯出しているのに触れ、ぼくもうれしく、満たされた気持ちになっちゃった。イェ〜イ。
<今日の、交差点>
夕方のこと。911ではなくボクスターなので廉価のほうだが、トップをあけたポルシェが、交差点で信号待ちしていたぼくの前で止まる。なんか、偉そうなキブンを出していて、どんな奴が乗っているんだと見れば、何気に格好よく見えるおじさん。しかし、ちゃらいダンス・ポップ曲がかかっていて、ぎゃふん。音楽は大事だと思った。だけど、例えば、そこで現代ミナス系の広角型繊細表現がかかっていたりしたら、お洒落すぎるか?
まず、ロンドンの女性4人組、サヴェージズの公演。会場入りしたら、彼女たちのデビュー作『サイレンス・ユアセルフ』(マタドール、2013年)のプロデューサーをつとめるジョニー・ホスタイル(ヴォーカル、ギター)がプリセットの音を下敷きにパフォーマンス。一部では男性ギタリストが加わるとともに、サヴェージズのヴォーカリスト(と、思う)も出て来て歌う曲もあり。プリセット音のリズムの組み立てに少ししょぼさは感じたものの、ある種の風情アリ。
続いて、サヴェージズが登場、正面から光を当てない設定も納得はできる、ダークだが、スタイルを持つ(ある種、新人場慣れしているとも指摘できる。どこか、初々しさも持つんだが)ギター・ロックを聞かせる。あ、あと恥ずかしさを感じさせない、アートな感じも持っているとも思わせたか。そのバンド名にかけるなら、アートな蛮行、なんちって。ヴォーカルもそれなりに存在感を持ち、「アイム・ヒア」という曲では表題を連呼するが、自意識過剰な歌詞も違和感を覚えさせない。そんな、響きややノイズの効用にも留意したエッジーなニュー・ウェイヴ調ロックをもっと聞いていたかったが、3曲だけ聞いて、同じ行程を画策していた知人とタクシーに飛び乗る。
そして、ブラジルの賑やかし5人組+VJのバイアーナ・システムのショウ。大雑把に言えば、曲はたっぷり哀愁を持つものと、ラガ調の2系統。肉声担当者、バイーアの楽器で5弦小型エレキ・ギターてな感じのギターハ・バイアーナ、ベース、パーカッション、PCという布陣で、電気仕掛けビートにバイーアで培った諸々を載せていく様に触れ、これはバイーア版バルカン・ビート・ボックス(2012年9月9日、他)かと思う。とにかく、気の良さそうな奴らで、日本に来ることができて、そしてライヴ・ショウが出来てうれしくてしょうがないという気持ちを目一杯出しているのに触れ、ぼくもうれしく、満たされた気持ちになっちゃった。イェ〜イ。
<今日の、交差点>
夕方のこと。911ではなくボクスターなので廉価のほうだが、トップをあけたポルシェが、交差点で信号待ちしていたぼくの前で止まる。なんか、偉そうなキブンを出していて、どんな奴が乗っているんだと見れば、何気に格好よく見えるおじさん。しかし、ちゃらいダンス・ポップ曲がかかっていて、ぎゃふん。音楽は大事だと思った。だけど、例えば、そこで現代ミナス系の広角型繊細表現がかかっていたりしたら、お洒落すぎるか?
マムフォード&サンズ。ジョイス
2013年7月30日 音楽 昨年の米国グラミー賞(アルバム・オブ・ザ・イアー)獲得や今年の英国グラストンベリーのヘッドライナーをつとめるなどしているUK大人気バンドの、フジ・ロック出演後の単独公演は新木場・スタジオコースト。パブリック・スクールの顔見知りで組まれたような彼らはおぼっちゃま君バンドと言えるのだろうが、遠目でその外見を見る限りはあまり、そういう側面は感じさせない。なんでも、ちゃんと歌詞を吟味した人が言うには、敬虔なクリスチャンで歌詞にその世界観が出るのは少し痒いとのことだが、そういう歌詞はあちらのものすごいセールスと関係あるのか。
エレピ音色のキーボード、ヴォーカルとアコースティック・ギター(ときに、キック・ドラムも扱う)、バンジョー、ベース(ウッド・べースの方を多く弾く)、広いステージに出て来たメンバー4人はステージ前面に横一線に並ぶ。コーラスは全員とり、それなりに決まる。そんな編成に表れているように、とっても生っぽい手作りサウンドを持つグループ。リード・ヴォーカルはけっこう凛としていて、かなり存在感あり。精気あるそれが、激しい要素のない彼らの表現にズケスケした訴求力を与える。フォーク、カントリー、トラッドとかいろんな手作り表現を見渡し、自分たちの楽曲感覚を介して押し出しているのだが、逆に言えば、既存の固定スタイルにどっぷりはまるところはなくて、その曖昧さは今の若手のバンドらしいと言えるのか、なーんても思った。曲によってはヴァイオリンやチェロ、3人のストリングスも控え目についた。
観客の反応は滅茶ホット。声も飛び交うが、外国人比率は高かったんだろうな。
そして、丸の内・コットンクラブで、もう長年夏場に来日して公演をしているブラジル人シンガー/ギタリストを見る。新木場からは有楽町線1本で行けるので、移動が楽。で、いつも通りの、うれしいジョイスちゃ。変化は毎度弾いていたボディ空洞ギターではなく、普通の生ギターを彼女がつま弾いていたこと。風が舞うと書きたくなる、何度触れていてもすばらしいと思っちゃうパフォーマンスを堪能できた。
例によって、カルテット編成にて。途中、「3月の雨」他、数曲は有名曲を弾き語りでやり、またカルテットに戻る。すると、アタマのときと違って、演奏陣がより個を出すようになる。ようはジャズ度、インプロ度が高くなる。そして、ジョイスも余裕でそれに合わせる。1曲は、スキャットだけで成り立つ曲だった。いやはや、それもいい感じ。この編成による、ジャズ調アルバムもありじゃねえのと思ってしまった。
<今日の、疲れ>
家で仕事しているとき、当たり前だが、靴を履かない。そんな生活を25年以上続けているためか、なんか靴を履いて外に出ると、すぐに疲れる。足元から、じわんと疲れが上にやってくる。うえん。ここのところ例年、夏はけっこう裸足ではけるサンダル系の履物をよく履いていたが、今年はあまり履こうという気にならないのはどうしてだろう。キブンなんだよなー。
エレピ音色のキーボード、ヴォーカルとアコースティック・ギター(ときに、キック・ドラムも扱う)、バンジョー、ベース(ウッド・べースの方を多く弾く)、広いステージに出て来たメンバー4人はステージ前面に横一線に並ぶ。コーラスは全員とり、それなりに決まる。そんな編成に表れているように、とっても生っぽい手作りサウンドを持つグループ。リード・ヴォーカルはけっこう凛としていて、かなり存在感あり。精気あるそれが、激しい要素のない彼らの表現にズケスケした訴求力を与える。フォーク、カントリー、トラッドとかいろんな手作り表現を見渡し、自分たちの楽曲感覚を介して押し出しているのだが、逆に言えば、既存の固定スタイルにどっぷりはまるところはなくて、その曖昧さは今の若手のバンドらしいと言えるのか、なーんても思った。曲によってはヴァイオリンやチェロ、3人のストリングスも控え目についた。
観客の反応は滅茶ホット。声も飛び交うが、外国人比率は高かったんだろうな。
そして、丸の内・コットンクラブで、もう長年夏場に来日して公演をしているブラジル人シンガー/ギタリストを見る。新木場からは有楽町線1本で行けるので、移動が楽。で、いつも通りの、うれしいジョイスちゃ。変化は毎度弾いていたボディ空洞ギターではなく、普通の生ギターを彼女がつま弾いていたこと。風が舞うと書きたくなる、何度触れていてもすばらしいと思っちゃうパフォーマンスを堪能できた。
例によって、カルテット編成にて。途中、「3月の雨」他、数曲は有名曲を弾き語りでやり、またカルテットに戻る。すると、アタマのときと違って、演奏陣がより個を出すようになる。ようはジャズ度、インプロ度が高くなる。そして、ジョイスも余裕でそれに合わせる。1曲は、スキャットだけで成り立つ曲だった。いやはや、それもいい感じ。この編成による、ジャズ調アルバムもありじゃねえのと思ってしまった。
<今日の、疲れ>
家で仕事しているとき、当たり前だが、靴を履かない。そんな生活を25年以上続けているためか、なんか靴を履いて外に出ると、すぐに疲れる。足元から、じわんと疲れが上にやってくる。うえん。ここのところ例年、夏はけっこう裸足ではけるサンダル系の履物をよく履いていたが、今年はあまり履こうという気にならないのはどうしてだろう。キブンなんだよなー。
映画「サントス~美しきブラジリアン・サッカー~」。ダニエル・ラノワ
2013年7月31日 音楽 まず、外苑前・ブラジル大使館で、この10月に全国6都市で持たれる「ブラジル映画祭2013」で上映される映画(8作品)のなかの1つの試写を見る。表題にあるサントスとは、ブラジルの名門サッカー・チームであるサントスFCのこと。2012年制作の、サンパウロ郊外の海岸部にホーム・スタジアムを持つこのチームを扱うドキュメンタリー映画だ。サントスはペレが在籍した1962、63年以来の南米1位クラブに2011年になった(コパ・リベルタドーレスで優勝)ので、それを祝って作られたのだろうか。いまだ世界サッカー史上最高の選手にあげられるかもしれないペレは生涯サントスに籍を置いた選手だった。だいぶ昔とはいえ、国外移籍だけでなく、国内移籍もなかったというのはすごいな。
いろんな試合映像(やっぱ、興味深すぎ)や応援映像、ペレからネイマール(今シーズンから、FCバルセロナに移籍)までの歴代の名選手やクラブ関係者や同チームを応援する識者らのコメント映像などを用いつつ、サントスFCというチームの流れや個性や、ブラジルのサッカー界の襞なんかを明快に提示。ぼくは、ほうそうなんだァーの連続でした。
その後は、六本木のビルボードライブ東京で、大プロデューサーにして渋味ロッカーでもある、ダニエル・ラノワ(2012年1月16日)の実演を見る。ファースト・ショウ。
トリオにてパフォーマンス。ドラマーがブライアン・ブレイド(2012年5月22日、他)からザ・アヴェット・ブラザーズの2012年新作にザ・レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス他とともに参加していたスティーヴ・ニスター(レギュラー・グリップで叩く)に代わっていたが、ベーシストは前回と同じく終始コーラスをかますジム・ウィルソン。大ざっぱに言えば、前回と同様の内容と言えるのかもしれないが、もっと堂々とした感じはあったか。とともに、メリハリがよりつき、主にギター演奏が導くのだろうが、局面局面でいろいろと現代的な刺の感覚を与えるようになったのは間違いない。そして、それがぼくには美味しくてしょうがなかった。
前回と同様に、ペダル・スティールを弾くインストゥメンタルも1曲。その演奏の様を見て、彼の親指多様の右手のギターの弾き方はスティール・ギターの弾き方流れのものという指摘もできるのかと思った。最後は、弾き語り。彼はすべて1本のギターで実演をこなしていた。
<今日の、困惑>
なんか、ワードのデーターの表記に総文字数が出なくなってしまった。字詰め×桁数の表示は出るものの、文字数がパっと分らないのはすこぶる不便。どーしてなんだー。
いろんな試合映像(やっぱ、興味深すぎ)や応援映像、ペレからネイマール(今シーズンから、FCバルセロナに移籍)までの歴代の名選手やクラブ関係者や同チームを応援する識者らのコメント映像などを用いつつ、サントスFCというチームの流れや個性や、ブラジルのサッカー界の襞なんかを明快に提示。ぼくは、ほうそうなんだァーの連続でした。
その後は、六本木のビルボードライブ東京で、大プロデューサーにして渋味ロッカーでもある、ダニエル・ラノワ(2012年1月16日)の実演を見る。ファースト・ショウ。
トリオにてパフォーマンス。ドラマーがブライアン・ブレイド(2012年5月22日、他)からザ・アヴェット・ブラザーズの2012年新作にザ・レッド・ホット・チリ・ペッパーズのチャド・スミス他とともに参加していたスティーヴ・ニスター(レギュラー・グリップで叩く)に代わっていたが、ベーシストは前回と同じく終始コーラスをかますジム・ウィルソン。大ざっぱに言えば、前回と同様の内容と言えるのかもしれないが、もっと堂々とした感じはあったか。とともに、メリハリがよりつき、主にギター演奏が導くのだろうが、局面局面でいろいろと現代的な刺の感覚を与えるようになったのは間違いない。そして、それがぼくには美味しくてしょうがなかった。
前回と同様に、ペダル・スティールを弾くインストゥメンタルも1曲。その演奏の様を見て、彼の親指多様の右手のギターの弾き方はスティール・ギターの弾き方流れのものという指摘もできるのかと思った。最後は、弾き語り。彼はすべて1本のギターで実演をこなしていた。
<今日の、困惑>
なんか、ワードのデーターの表記に総文字数が出なくなってしまった。字詰め×桁数の表示は出るものの、文字数がパっと分らないのはすこぶる不便。どーしてなんだー。