米国ジャズ・ビヨンド表現の才人であるピアニスト/シンガーのベン・シドラン(2010年7月28日、他)のバンドに、彼に傑作アルバム『クール・キャット・ブルース』(ゴー・ジャズ、1991年)を制作/リリースしてもらった英国元祖モッドたるヴォーカル/オルガンのジョージィ・フェイム(2009年9月2日、他)が加わるという実演を見る。その顔合わせ、日本ではこれが3度目となるのかな。主役の2人に加え、シドラン公演ではお馴染みのボブ・マラック(テナー・サックス)、ビリー・ピーターソン(ウッド・べース)、リオ・シドラン(ドラム)の4人がステージに上がる。サウンドは完全にジャズ調だが、すべてヴォーカル付きの曲をやる。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。

 3曲目からフェイムが出て来て、本編はずっとステージ上に。ヴォーカルを取る曲は、シドランよりフェイムのほうが少し多い。また、フェイムがオルガンを弾かず、マイクの前に立って歌う比率は以前より高くなっているか。で、特に歌に専念する場合に顕著なのだが、大きな曲を張り上げて、フェイムは生理的に熱唱。スキャットもいろいろかます。多くは「ジャンピング・アット・シンフォニー・シッド」を皮切りにジャズ曲。もちろん、マット・ビアンコ(2001年2月5日)のカヴァーでも知られる洒脱ポップ曲「イエー・イエー」も笑顔で披露。って、この曲もジャズ派生だな。

 ジャズや米国ブラック・ミュージック愛や影響を柱とする、ヴェテラン趣味人の余裕や滋味やイナセがすんなり渦巻くパフォーマンス。あ、それから、バンド音がきっちり整備されていて、いささか驚く。余韻も残しつつも、カチっとした曲の終わり方には感心。プロの大人たちですじゃ。フフフ。

<今日の、軽い驚き>
 なんと、営団地下鉄の初乗り料金が160円もすることに、今日気付いた。パスモ使っていると、いちいち料金を気にせず、よく使う私鉄線と同じ120円あたりが、初乗りの運賃だと思っていた。めでたいな、オレ。なんか都営地下鉄は170円であることは知っていたんだけど。………コットンクラブに行くために永田町駅構内を移動したら、ごーんと食べ物屋街が出来ていてあれえ。今日からオープンしたらしい。