原宿・アストロホールと渋谷・www。ともに、フジ・ロック流れの担い手が出る公演。

 まず、ロンドンの女性4人組、サヴェージズの公演。会場入りしたら、彼女たちのデビュー作『サイレンス・ユアセルフ』(マタドール、2013年)のプロデューサーをつとめるジョニー・ホスタイル(ヴォーカル、ギター)がプリセットの音を下敷きにパフォーマンス。一部では男性ギタリストが加わるとともに、サヴェージズのヴォーカリスト(と、思う)も出て来て歌う曲もあり。プリセット音のリズムの組み立てに少ししょぼさは感じたものの、ある種の風情アリ。

 続いて、サヴェージズが登場、正面から光を当てない設定も納得はできる、ダークだが、スタイルを持つ(ある種、新人場慣れしているとも指摘できる。どこか、初々しさも持つんだが)ギター・ロックを聞かせる。あ、あと恥ずかしさを感じさせない、アートな感じも持っているとも思わせたか。そのバンド名にかけるなら、アートな蛮行、なんちって。ヴォーカルもそれなりに存在感を持ち、「アイム・ヒア」という曲では表題を連呼するが、自意識過剰な歌詞も違和感を覚えさせない。そんな、響きややノイズの効用にも留意したエッジーなニュー・ウェイヴ調ロックをもっと聞いていたかったが、3曲だけ聞いて、同じ行程を画策していた知人とタクシーに飛び乗る。

 そして、ブラジルの賑やかし5人組+VJのバイアーナ・システムのショウ。大雑把に言えば、曲はたっぷり哀愁を持つものと、ラガ調の2系統。肉声担当者、バイーアの楽器で5弦小型エレキ・ギターてな感じのギターハ・バイアーナ、ベース、パーカッション、PCという布陣で、電気仕掛けビートにバイーアで培った諸々を載せていく様に触れ、これはバイーア版バルカン・ビート・ボックス(2012年9月9日、他)かと思う。とにかく、気の良さそうな奴らで、日本に来ることができて、そしてライヴ・ショウが出来てうれしくてしょうがないという気持ちを目一杯出しているのに触れ、ぼくもうれしく、満たされた気持ちになっちゃった。イェ〜イ。

<今日の、交差点>
 夕方のこと。911ではなくボクスターなので廉価のほうだが、トップをあけたポルシェが、交差点で信号待ちしていたぼくの前で止まる。なんか、偉そうなキブンを出していて、どんな奴が乗っているんだと見れば、何気に格好よく見えるおじさん。しかし、ちゃらいダンス・ポップ曲がかかっていて、ぎゃふん。音楽は大事だと思った。だけど、例えば、そこで現代ミナス系の広角型繊細表現がかかっていたりしたら、お洒落すぎるか?