元フェアフランド・アトラクションの精気に満ちた自然体スコティッシュ・シンガー(2002年3月20日)の来日公演は、前回(2009年9月10日)と同様のもの。ブー・ヒューワディーン(1999年6月8日、他)やトラッシュキャン・シナトラズ(2009年7月25日)のギター奏者でもあるジョン・ダグラス(今回、私の旦那よ、と彼女は紹介)、他にはギター、アイルランド出身のアコーディオン、ウッド・ベース。ほんと、和気あいあいの図。前回と比すと、今回はドラムレスで、ギター奏者が一人増えた。

 それにしても、リーダーさんはいやはや、本当に乱暴というか、ざっくばらんな人だな。歌詞が書かれた(コピーされた?)B5の紙を無造作に丸めて入れてあるコンビニ風ビニール袋を手にステージに出て来て、雑に床に置いた〜でも、それを見ていなかったような〜のをはじめ。ま、毎度のファンは多いはずで、そうそうそれが彼女といった感じで笑いが広がるわけだが。

 だが、そんな人ゆえ、どんなときでも、この人の歌唱は自分と直結した、嘘偽りない、自然体の所作であるんだろうなとも思わせるわけだ。そして、そんなことはフェアグランド・アトラクション時代から変わらない事であり、だからこそ、昔と今の落差も少ないとも……。エディ・リーダーはギターや小さなアコーディオンを手にして、歌うときもアリ。つまりは、多いときは生ギターを持つ人間が4人並ぶわけだが、彼女がギターを持つときは旦那はウクレレを弾くことのほうが多かった。スコットランドのトラッドも何曲か、いろいろな英国土着表現の襞が透けて見え、いい感じ。伴奏陣も含蓄と含みあり。なんか途中で、ロニー・レインのスリム・チャンスもこんな感じのときもあったのかなあと、ぼくは少し夢想した。

 魅力ある歌を歌える、いい性格でもあるシンガーと、その仲間達による、英国北方感覚も持つのしなやかショウ。六本木・ビルボードライブ東京、ファース・トショウ。

<今日の、それから>
 ライヴの後、恵比寿のリキッドルームの入り口階(2階)の奥の展示スペースで26日からやっているクラーク志織さんの個展「Spark!! -Shiori Clark Print Market-」に顔を出す。ぼくのフェイスブック(なんもやってないけど)の絵は彼女が描いたもの。現在ロンドンに居住していて、絵だけでなく、スカーフやタイツなども作っており、展示販売もしていた。朝日美穂(2013年3月23日)の新作『ひつじ雲』のジャケットの絵も彼女が描いていて、その販売も。
 その後は、花見会合流。何気に、派手にやっていてびっくり。天気予報50%確率の雨は降らずに良かったが、寒さには少し震える。それは毎年のこと、まったく。桜もだいぶ散ってきたな。。。。。