通算6作目となる、メジャー第一作『ブラック&ブルー』でブレイクした、オースティン生まれ/育ちの若手ブルース・マンの初来日公演を見る。代官山・UNIT。1984年生まれだから、まだ20代だ。かつてツアーの前座に抜擢することで新進黒人有望株の啓蒙発掘を行っていたストーンズ(2003年3月15日)が昨年12月に持った50周年のニュー・ジャージーでの特別公演で彼を呼んでいた(他のゲストは、ジョン・メイアー、レディ・ガガ、ザ・ブラック・キーズ、スプリングスティーンなど)し、アリシア・キーズ(2008年8月10日)も新作で彼をよんでいたりする。

 一回だけの来日公演、自己バンドを率いてのものなのだろう。声は高め、なかにはファルセットでソウル・バラードっぽい曲を歌う場面も。最新作はブルース・ビヨンド色を強調した仕上がりだったが、それよりはブルース路線をとるショウだったと言えるか。ジミ・ヘンドリックスの「サード・ストーン・フロム・ザ・サン」ではオープン・チューニングにして、スライド・バーも用いた。

 場内は満員、オヤジ率は高め? ブルース系公演につきもの(?)のどこかはた迷惑な乱暴な歓声もあがっていた。なお。この晩の公演はU-ストリームで配信もされたよう。一般の公演で、それは珍しい、と書けるのか。彼は今年のフジ・ロックにも出演する。


<今日の、クラーク・ジュア>
 午前中に、クラーク・ジュニアを取材。長身(185センチはゆうにあるな)痩身で、滅茶カッコ良くて驚く。それから、「ヘイ・メン、ファッツ・アップ」感覚のない、とても静的で、落ち着いた人であるのも、印象に残る。質問にも勢いで対応せず、じっくりと考え、誠実に答えを返してくる。好感度、大アップ。もちろん、当初はR&Bやファンクを愛好、14歳のときにブルースと出会い、一気にコレだとブルース道を選んだ人物。ヒップホップ(もどきも、少し友人とやったことはあるという)の道に進んだら楽にオンナはべらせることができたのに、どうしてブルースなんてイバラの道をえらんでしまったのか、なぞと思うことはないと問うと、面白い質問するなあと言いつつ熟考。そして、彼は、女の子にモテたいと思って音楽はやってきていないから、とも発言。そりゃ、あなただったら、黙っていても女性はよってくるよなと、納得した。