スクイーズーーー。70年代後期のニュー・ウェイヴ期に出てきた、いかにも英国的なポップ・センスを誇った黄金のバンドだ。80年ごろのアルバムを聞くと、本当に甘酸っぱくも浮き浮きできる。99年に休止していこう、2007年と昨年に大々的な再結成ツアーを行っているが、その一方、フロント・マンのグレン・ティルブルック(2005年8月8日、2009年7月26日)は、素朴な弾き語りツアーでまたやってきた。吉祥寺・スター・パインズ・カフェ。2部構成で、演奏時間はたっぷり。JB曲のカヴァー等、ルーツをすけさせる部分も、ソロ・パフォーマンスの場合だとあり。

 東京公演から、ティルブルックのソロ作で叩き、再結成スクイーズにも加わっているドラマーのサイモン・ハンソンが加わる。やっぱり、ドラマーが入ると、全然ちがうよな。より、パワー・ポップ濃度が強まるというか。そのハンソンはデス・イン・ヴェガス(2003年2月5日)他、サポートで何度か来日しているらしいが、二人は本当に仲が良さそう。最後の方で、二人はプリセット音にあわせて、おどけた振り/踊りを見せる。こりゃ、二人で一緒に練習したな。ほほえましい。

 英国人でなくては受けることのできないギフトを、溌剌と、気持ちたっぷりに開示。溢れるメロディが精気ある歌声とともに、四方八方に舞って行く。胸高鳴り、これ以上なにを求めるのという充実した気持ちとともに、おおいに満足感を得ました。


<今日のスプリット・エンズ>
 会場に向かうために、吉祥寺駅について外に出たら、息が白い。もっと体感的に寒いと感じた日は他にあったような気もするが、吐く息がちゃんと白く見えたのは、少なくてもぼくにとっては今シーズン、初めてのこと。ああ、真冬の到来? そういえば、出演者の二人はそんなに厚着じゃない。ティルブルックなんか、ステージでも着ていたジャケットだけで、外を歩いていた。彼、汗っかきだそうで、ステージでは彼に向かってファンが3つ回される。それを受け、髪の毛がほわ〜んと舞い、ファラ・フォーセット状態。いや、なんかかつてのスプリット・エンズのメンバーの髪型みたいに見えました。