シャニース

2010年10月29日 音楽
 87年に14才でモータウンからデビューした、フィアデルフィア出身の歌えるR&B歌手。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。

 昔、インタヴューしたことがあるはずだが、その詳細はぜんぜん覚えていない。でも、ヒット曲「アイ・ラヴ・ユア・スマイル」はなんか頭のなかにどっか〜んと残り続けている。ほんと、それぐらい、幸せなキブンに溢れた名曲だな。彼女、90年代末にはベイビーフェイスのラフェイス・レーベルからアルバムを出したこともあった。

 キーボード、ベース(鍵盤ベースも一部で)、ミュージカル・ディレクターも兼ねるドラマー(昔のメアリー・Jのライヴ盤で叩いている人)、そして二人の女性コーラスという陣容。みな、アフリカ系。そして、どの曲でもプリセットのトラックを下敷きにするが、違和感はなし。ただし、出音はかなり大きい。が、そんなの問題ないという感じで、シャニースは歌う。うぬ、やっぱり喉自慢の人。MCで曲作りは大好きと言っていたが、後でアルバムを見たら、なるほど全て共作ながら、彼女は昔から曲クレジットに名前を出す人だったのだな。ナラダ・マイケル・ウォルデン制作の「アイ・ラヴ・ユア・スマイル」も例外ではない。が、そうは言いつつ、結構他の人の当たり曲を満面の笑みで歌ったりも。トニ・ブラクトンやミニー・リパートンやマイケル・ジャクソンや。リパートンの「ラヴィング・ユー」は今のところ新作となるらしい06年作でも取り上げているらしいが、あの高音部も何ら問題なく太く歌う。すげえ。そういやあ、昔は高音の歌い具合でマライア・キャリーかシャニースか、なんて言われたこともありましたっけ? マイケル・ジャクソン曲は3曲を披露し、プチ・トリービュート志向。いい歌唱(と微笑ましい、ジャクソンのほのかな真似)で、マイケル曲の良さが余す事なく、伝えられる。拍手。「ワナ・ビー・スターティン・サムシン」では、マイケル風の声の伸ばし方をもっと伸長させカっとび、チャカ・カーンの領域(やっぱり好きなんだろうな)に。あらら、するとそのままルーファスの「ワンス・ユー・ゲット・スターテッド」に続きそうな錯覚を覚えるじゃないか。

 アンコールで、「アイ・ラヴ・ユア・スマイル」を披露。本当に聞く者を幸せにさせる美曲。で、彼女は一通り歌った後(フロアも回った)、ステージを降りたが、あららいけないという感じで戻ってきて(バンドはそのまま演奏している)、メンバー紹介をする。そのさい、プリセット音は消えて生サウンドだけとなり、4ビート調に。演奏者たちは短めにソロを回す。そのオペレイションはとても自然でした。それから、シャニースがとにかくいい人である事が伝わってきて、それも見る者をいい気持ちにさせたのではないか。このまま、ずっと歌い続けてほしいな、とも、見た後にしっかり思いました。