いまや映画俳優というより大監督になってしまったクリント・イーストウッドの息子で、父親の監督作品の音楽にも関与している(「硫黄島からの手紙」のテーマ曲なのかな、それもこの晩やった)、パリ在住(多分、今もそうだと思う)ジャズ・ベーストのリーダー・グループ公演。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 出てきてすぐに思ったのは、なんとなく太ったかな。イケ面度数も何か落ちていたような。そんな彼はアップライトと5弦のエレクトリック・ベース(フレット付きとなしのを両方弾く)の両刀、なかには最初アップライトで途中からエレクトリックに持ち替える曲もあった。何かその様にふれて、家には沢山ベースを置いているんだろうなと推測。そんな彼に加えて、トランペット、テナー・サックス、ピアノ/電気ピアノ、ドラムが脇を固める。新作に入っていた二人の管奏者をはじめ、主に英国で活動する人たちのよう。編成自体はオーソドックスなカルテットと言うこともできるが、そこはイーストウッドのベース演奏や曲作りの味もあり、ジャズとフュージョンを行き来するような感じが出てくる。ヴォーカリスト(ぼくが見た前回;2006年11月3日は、ジェイミー・カラムの兄ちゃんだった)が今回は同行しないのでポップ度は下がり、ジャズ度は少し上がっていたか。フロントの管奏者もしっかりしていたし。

 5人はみんな白いシャツと黒傾向のデニムという格好に統一。そんなに、おしゃれという感じではない。面白かったのは、本編/アンコールともにイーストウッドが先頭で出てきてステージに登ること。主役は最後に、というパターンの方が多いと思う。それは、偉そうにしない彼らしいか。それとも、何気に張り切り屋さん?