南青山・ブルーノート東京。セカンド・ショウ。毎年やってきている彼女(2009年9月29日、他)だが、今回は現代ボサノヴァの達人セルソ・フォンセカをゲストに伴ってのもの。彼は途中に出てきて2曲ジョイスとやるとともに、ソロで数曲パフォーマンス。もう、はまりにハマった優男ヴォーカルと巧みなギター爪弾きを披露する。うぬ良い、やはり得難い。と、思わせる彼は、なんかジュリアーノ・ジェンマとバート・バカラックを掛け合わせたみたいなルックスと思わせた?

 そして、おなじみのリズム・セクションを擁するピアノ・トリオを従えるジョイスだが、改めて凄いと舌をまく。ブラジルという立脚点のもと、ジャズ・ヴォーカルからジョニ・ミッチェル的な清新ポップまで、その核心に鮮やかにつながる様には。でもって、本当に毅然としていて、しなやかで、余裕にあふれていて……。感激して、とくに今回は精気に溢れるゾと思ったのだが、前回来日時の項でもぼくは似たような事を書いていたりもするのだなー。なんにせよ、近年の彼女のライヴ・パフォーマーとしての質の高さはちょっとしたもん。さらには、ちゃんと過去公演とは差別化できるものにしようというまっとうな音楽家の矜持も見えるわけで、毎年やってきてしかるべきアーティストであると思わずにはいられなかった。