ジャヴァ(Java)はフランスのヒップホップ系の生演奏による、酔狂なビート・バンド。編成は肉声(仏語による)、アコーディオン、ベース、ドラム、そんな彼らを前の週に取材したんだけど、ポッとなりました。ベース奏者(モヒカン頭です。今回は普通の電気ベースを弾いたが、普段は電気アップライト・ベースを弾く事がおおい)はフィッシュボーン(2007年4月5、6日、他)の大ファンでそのTシャツ(09年、欧州ツアーのもの)を着ていたりして、なんかそれだけで10年来の知己と会ったような気持ちになってしまった単純なぼく。が、他の欧州アーティストと異なり、サッカーのワールドカップの話はインタヴューで一切向けず。今回のフランス・チームは歴史に残るダメ駄目ぶりを見せちゃい、とても気の毒で好漢たちに話を振る気になれませんでした。

 結成は98年で、00年以降に出した3枚のアルバムはソニー発(3枚目は、ブラジル録音ソースも含む)。そして、最新作はインディから。本国では相当な集客と支持を受けていて、それはフランス人のまっとうさを伝えるか? ラッパーのR.ワン(Radio Cortex)はソロ・アルバムも複数出していて、アコーディオン奏者はトニー・アレン(2003年9月26日)のバンドのキーボード奏者を勤めている。そのフィクシは5度目の来日(他の3人は初来日)で、うち2回がアレン御大とだそう。どうしてアレンと知り合ったのと聞くと、ずっとスタジオを持っていて(まだ、30代半ばぐらいのように思えるけど)、今ほど人気がなかった時分のアレンがスタジオを使わせてと言ってきたことがあって快諾、その際キーボードやるんだけど弾かせてくんないと頼んで以来の長い付き合いなのだそう。ジャヴァでは“ダサい楽器である”(本人談)アコーディオンに専任、それまではあまりアコーディオンを弾いたことはなかったという。

 南青山・月見ル君想フ。もー滅茶期待して行きましたよ。露払い役で、まずマイア・バルー(2010年2月25日)がパフォーマンス。いろんな言葉で歌い、ときに生ギターやキーボードやフルートも手にする本人(本当は歌に専念したい、とのMCあり)に、打楽器奏者とベース奏者という布陣。今日は父が来ているから、と言って、ピエール・バルーの曲も披露する。彼、熱心にヴィデオ・カメラを向けていたりして、普通に親バカしてました。彼女はジャヴァのショウの1曲にもフルート(と通訳)で加わったが、その際も会場に残っていた彼はヴィデオを回していた。

 そして、ナイス・ガイ揃いのジャヴァが登場。フランス人的な諧謔や洒脱や鷹揚さや俺様さを上手く抱えた、でも心意気やガラっぱちな機微に富む広角型ビート表現を、彼らは存分に繰り広げる。R.ワン(イタリア人ラッパーのジョヴァノッティ;2002 年6月1日、に雰囲気がちょい似ている?)がそんなに混んでいるわけではないのに、軽めにダイブしたのにはびっくり。そんな彼らは、客扱いもうまい。最後のほうは、ミギに、ヒダリにぃと言って、客を右に左にと何度も動かす。それ、ジャヴァの得意技のようで、彼らのマイスペースには東京国際ファーラムのホールAクラスの大会場でのライヴ映像がのせられているが、そこでの同様の光景は壮観だ。アンコールの際は法衣のようなコスプレをして彼らは登場、それ、ライムと関係があるのか。なにせよ、賑やかし。ぼくはとっても嬉し。浮かれました、燃えました。

 ところで、会場で会った知人が、南アフリカに行き3試合(うち、日本戦は最初の2試合)見てきたと知る。わー、うらやましい。夜、飲めるところもあるんですよー、と南ア居住歴を持つ彼女は言っていたが。なんと、昔サン・シティ(2010年2月19日参照)に行った事があり、それがライヴ初体験だそうだ。それから、今日は参議院選挙の日。ここのところは事前投票をしていたが、今回はライヴに行く前に投票所に行く(なんであんなに無駄に人がいるのか〜また、知り合いになりたくないと直感的に思わせる生理的にうさんくさい人が概して立会人には多いんだよね〜と思わせる一方、暴漢が押し入ったら一発で投票箱を奪われちゃうんだろーなとも思う)。そして、ライヴ後の夜半には、ワールドカップの決勝戦(カード自体は滅法魅力的と思える)。が、ライヴとかで一杯飲んじゃっていて、試合開始前に沈没。延長戦になるときに、目がさめる。トホホ。帰宅後、お昼すぎに起きてTVを付けたら、ESPNでイングランドFAカップの今年3月の試合(レディング対アストン・ヴィラ)、Jスポーツ2で昨年11月にあったUEFAチャンピオンズ・リーグ/グループ・リーグ予選(ルビン・カサン対バルセロナ)の試合をやっている。ぼーと、逃避気味に見ちゃう。ここ数日、夜は過剰に暑くなく少しホっとしたりしているが、ワールドカップ対応のため、寝ても3時間ぐらいで目が覚めてしまうようになっちゃっている。