クラスター

2010年7月3日 音楽
 代官山・ユニットの開店6周年を祝うオールナイト・イヴェントの中の、メインの出し物としてクラスターが出演。クラウト・ロックなんても言われもする、70年前後に出てきたドイツの実験的なプログ〜電気ロック勢を代表するユニット(ブライアン・イーノと協調したりもしましたね)で、彼らが出てくる時間は深夜1時半。W杯のドイツ対アルゼンチンの試合を見たあとに友人宅からタクシーに飛び乗り、代官山に向かう。もう時間の接続ばっちりで世の中うまく出来てんなーと思ったら、もしかして、そのドイツの試合を見てから演奏しましょうという出演時間の設定なんではないか。

 会場前には同業ヴェニューからのお祝いの花がいくつも置かれている。で、階段を下りて行くともう扉の外にも人があふれ、場内も当然人だらけ。こんなに混んでいるユニットは初めてじゃ。うひぃ、すぐに汗だく。ステージ背景には古い石の建物が映し出され、構成員の二人はその中庭にいるかのような感じで演奏を始めた。ユーチューブにも同様の静止映像の前で演奏するライヴ映像があったな。その建物はどっちかの家であるとか、なんか意味があるのだろうか。とにかく、激込みゆえほとんどステージが見えないので細かいことは何も言えないのだが、二人はキーボードを弾くというよりは、装置を扱うという感じで音を出していたのではなかったか。ラップトップも置いているようには見えず、それはそれで旧世代の矜持を感じさせるものであるな。実際のところ、どうだったんだろ。彼らは、昔からライヴ盤をよく出すバンドでした。
 
 ずっと切れ目なしで音を連鎖させ、少しビートをかましたときはマッシヴ・アタック(2006年8月13日、他)をなぜか想起させたりとか、いろいろなバンド名を思い出させる……というか、冒険心を持った後のサウンドと繋がる事を彼らはずっとやってきたと取った方がいいんだろう。けっこうメロディ性を排除した、アブストラクトな波や揺れや紋様を感じさせる音模様描写が50分。そして、さらに小品1曲。それで、本編はおしまい。で、また出てきて、10分強のアンコール演奏。その際、途中からかなり暴れた音を出していて、ウヒヒ。アンコール演奏を終えると、二人は前に出て、熱い声援に答える。へえ、こんな凸凹コンビなんだ。でもって、やたら満面の笑みをたたえていて、ホント嬉しそう。そりゃ、ドイツが大勝したしナ。

 彼らだけ見て、またワールド・カップを見に、別のところに乱入するぼく。明らかにスペインのほうが強かったが、パラグアイに勝ってほしかったも思う自分もいたかも。
 
 あー、あと3位決定戦を含めても、4試合ぽっきり。前に書いたように、結線が外れてしまったのか、今ぼくの家では地上波のTVが映らないので、W杯期間中はゲーム感覚でテレビ観戦難民と化している。それは、間違いなく飲酒コミであり……次の日、いっぱい駄目にしてマス。とはいえ、まあまあ仕事も無難にこなしているはずで(ときには、PCを持ち歩く。そんなん、初めて)、自分の新たな領域を知った思いも得ているか。オレって出来る奴だったんだァ、とか。とともに、新しい交友関係も得たりしていて。あー、どっちにしろ目が回るう〜、夏場にざっくり休みを取りたい気持ちになってもいたりして。