なかなか平凡な名前の持ち主ながら、非凡でげんざい通受けしている(ヴァン・モリソンの前座にも誘われたらしい)、在リヴァプールのシンガー・ソングライター。吉祥寺・スター・パインズ・カフェにて生ギター1本でのパフォーマンスを行ったが、もうギターの響きや歌の佇まいに少し触れただけでも、コノ人ハ本物ダァと思わせちゃうものがあったな。ちょい部分的にアクロバティックなところも見せるギター技巧はそれだけでお金が取れるものかもしれないが、それを突出させずに風情ある歌の表現として聞き手に出す様はほんと老成している。現在27歳だそうだが、演奏している様は時に40絡みの人に見えたりもしたか。
歌と向き合っている、自分の表現と向かい合っている……という感じが、これほど伝わる担い手もそうはいないのではないか。もう、少年のころから延々とギターを手に自分の歌声や言葉やメロディと向かいまくってきた末に現在があることが手に取るように判る。英国的と言いたくなる澄んだ情緒を孕みつつ、一徹にギター弾き語りという表現に向かう様はほんと求道者のようでもあったな。女性をはじめ、他の快楽的なことにはあんまり興味がないんじゃないかとも、その様は思わせる? さすがイングランド敗退後でもW杯の試合にはけっこうな興味を向けていたというが。
といった記載を見て、彼は凄く深刻だったりヘヴィだったりするのかと感じる人がいるかもしれないが、彼は若いにもかかわらず、とても抑えた、腹七分目的なパフォーマンスに終始する(だから、間違っても絶叫などはしない)。それゆえ、スミスの実演は手応えたっぷりなものながら暑苦しい過剰な感触からもからも離れており、それも彼の持ち味と言えるはず。10を表現するのに彼は15の容量でそれをしているとも言えるし、表現に表れないいろんな音楽語彙に鷹揚に触れているからだとも、それについては解釈したくなる。ニック・ドレイクをはじめ過去の本格派たちを消化し、その系譜に自然に乗りつつも、今様な存在とどこか思わせるのはそういう事も働いているのかな。
歌と向き合っている、自分の表現と向かい合っている……という感じが、これほど伝わる担い手もそうはいないのではないか。もう、少年のころから延々とギターを手に自分の歌声や言葉やメロディと向かいまくってきた末に現在があることが手に取るように判る。英国的と言いたくなる澄んだ情緒を孕みつつ、一徹にギター弾き語りという表現に向かう様はほんと求道者のようでもあったな。女性をはじめ、他の快楽的なことにはあんまり興味がないんじゃないかとも、その様は思わせる? さすがイングランド敗退後でもW杯の試合にはけっこうな興味を向けていたというが。
といった記載を見て、彼は凄く深刻だったりヘヴィだったりするのかと感じる人がいるかもしれないが、彼は若いにもかかわらず、とても抑えた、腹七分目的なパフォーマンスに終始する(だから、間違っても絶叫などはしない)。それゆえ、スミスの実演は手応えたっぷりなものながら暑苦しい過剰な感触からもからも離れており、それも彼の持ち味と言えるはず。10を表現するのに彼は15の容量でそれをしているとも言えるし、表現に表れないいろんな音楽語彙に鷹揚に触れているからだとも、それについては解釈したくなる。ニック・ドレイクをはじめ過去の本格派たちを消化し、その系譜に自然に乗りつつも、今様な存在とどこか思わせるのはそういう事も働いているのかな。