O-H-I-O!

 O(両腕を上げて両中指をくっつけて丸を作る)、H(両腕を平行に頭上に出す)、I(片腕をあげる)、O(最初と同様)。終盤、メンバーがそうしたジェスチャーをオーディエンスにうながすのに触れて、だいぶ前のオハイオ・プレイヤーズのライヴを見たときのことを、もあもあ思いだす。オレ、嬉々としてそれをやったはず。おお、フリって意外に記憶に残るものなんだな。とともに、彼らの両腕を使ったO-H-I-Oサインは音楽界トップ級に明解で、ココロをつかむものではないか。イエイ。

 まあ、月末/月頭は締め切りが立て込んで落ち着かないというか、テンパリ気味になるものだが、うー落ち着かない。おちおち飲んでもいられない(←そりゃ、嘘になるな)。おまけに、体内時計が狂っていて、やたら寝る/起きるが不規則になっていて困ってシマウマ。と、シマウマなぞと趣味の良くない書き方をしているところに、私の困惑というか、浮き足立った状態が表れていますね。

 それとは全然関係ないのだが、ここのところ、けっこう、ぼくにしては歩いている。といっても、2キロぐらいだが。寒からず暑からずという感じで、気候が歩き易いせいもあるだろう。真冬や真夏だったら、やっぱ歩くのヤだもん。

 お昼に、渋谷でご飯を食べながら、ほんわか打ち合わせ。天気もなかなか良好でそのまま広尾まで歩こうとしたが、距離的にも時間的にも無理なことを途中で認知し、タクる。やはり、タクシーが拾いやすいというのは精神衛生上よろしい。だからこそ、歩く気にもなります。3時から、フランス大使館でエミリー・シモンをインタヴュー。もともとフランスのケイト・ブッシュなんて感じの音楽をやる人で、NYに居住しての新作『ザ・ビッグ・マシーン』はエレ・ポップ度数を高める。わあ、頭小せえ、なかなか可愛い。ちゃんと、ミュージシャンシップを持ってもいるな。この9、10月に彼女はまた来日するかも。

 そして、5時からは六本木のブルース・インターアクションズで某有名UK大人テクノ・ポップ・ユニットの9月に出る新作の試聴会(7日まで、それに関することをブログ等でも口外しない、という誓約書を書かされる。だから、名前を伏せます。そのメンバーが近くプロモ来日して取材する予定になっているので、行かざるを得なかった)。時間は十分、広尾から六本木(地下鉄で、一駅ぶん)まで歩く。有栖川公園の横をのぼって行くとある中国大使館の周辺にやたら警察官がいる。が、後で、その2時間前に乱入事件があったことを知る。六本木ヒルズ下から鳥居坂を登り、東洋英和の横を通り、試聴会10分前にオフィス入り。けっこう小さな音で流したのにはびっくり。某音楽雑誌の編集部は大挙全員で来ていたナ。

 その後、同じ社内のbmr編集部(同誌は近々出る号からリニューアル。とともに、ネット記事もかなり熱心に配信していて、よく3人でやっているナ)で油を売り、時間調整をした後に、同じく六本木のビルボードライブ東京へ。で、70年代にウェストバウンドやマーキュリーからアルバムを出し天下をとっていた(75年のアルバム『ファイアー』は総合/R&Bともにチャート1位)アトラクティヴなファンク・バンドであるオハイオ・プレイヤーズを率いていたシュガーフットを中央に置くバンド(シュガーフットのオハイオ・プレイヤーズというアーティスト表記なり。他の人たちが率いているオハイオ・プレイヤーズもあるのだろうか)を見る。その名前にあるように、オハイオ州(のデイトン)で結成のバンドで、ザップ/ロジャー(2010年2月11日)は同郷の後輩バンドだが、キーボード奏者のビリー・ベックは後にザップ作に関与したりしたはずだ。また、同じくオハイオ・プレイヤーズのマルチ系奏者のウォルター“ジュニー”モリソンはP-ファンク入りして活躍しましたね。当のルロイ“シュガーフット”ボナーはハービー・ハンコック(2005年8月21日、他)の『パーフェクト・マシーン』(コロムビア、88年)でブーツィ・コリンズと共演。それを仕掛けたのは、ビル・ラズウェル(2004年9月5日、2005年7月30日、2005年8月20日、2005年8月21日、2006年1月21日、2006年11月26日、2007年8月3日、他)ですね。

 トロンボーン、トランペット、アルト・サックスの三管、2キーボード、ギター、ベース、ドラムの編成を取るバンドに、ヴォーカルのシュガーフットが重なる。みんな白い色の格好をしていて、それはシュガーフットも同様。痩身のシュガーフットは杖をついて出てきたりもし、椅子にふんぞり返って歌ったり(立って歌う場合もある)するのだが、なんかスライ・ストーン(2010年1月20日、他)ともどこか重なる真性ファンカーにありがちなヤクザな風情をステージ上ではなんとなく出していて、それだけでウププ。声のよれとかも、それに繋がる? ラスト2曲は大ヒット曲の「ラヴ・ローラーコースター」と「ファイアー」。俺、ちゃんとリアル・タイムに聞いてんるんだよなー。実は、他のファンク系公演と比べるとすっこ〜んと昇天できない部分もあったのだが、ともあれ、冒頭にあるように、O-H-I-O!

 その後、2軒流れたんだが、途中から雨ふってきちゃったりも。うえーん。そして、翌日起きたら15時。オレ、どうやら疲れてんだなー。