シック

2010年4月30日 音楽
 ベースのジェリー・バーンズやサックスのビル・ホロマンなどおなじみの人もいるがフロントの人たちは変わり……って、前回来日の項(2009年4月6日)の記載と同じじゃん。ナイル・ロジャースの両側に立つ女性シンガーのうち一人、ヒメネス嬢は少しスペイン語の単語もMCで用いたりもするが、ラテン系の綺麗な人。ロジャースもそれを強調するように、彼女をフーチャーする曲のカウントのとき、スペイン語でやったりも。ともあれ、今回一番印象に残ったのは、ナイル・ロジャースが少し若返った感じを与えたことかな。いい人で、元気そう。それ、開演前に会場内を歩いていた彼と少し言葉を交わしての所感です。白いスーツでばしっと決めた彼(メンバーもみんな白い衣服で統一)、なかなかに格好よかった。

 秀でたグルーヴと華のある、保証付きのソウル・ショウであるのは毎度のことだが、かつては断片だけ披露していたロジャースのプロデュース曲、たとえばマドンナ(2005年12月7日)の「ライク・ア・ヴァージン」(先の、ヒメネスが歌う)やデイヴィッド・ボウイの「レッツ・ダンス」(ドラマーがリード・ヴォーカルを朗々取った)などはフルで今回は披露。ま、ショウの演目は日によっても臨機応変に変わるのかもしれないが。また、客の声に従い、デュラン・デュランの「ノトリアス」の一節をやったりも。あのロバート・ワイアットも認めるようにシック自身の曲にも名曲は多いし、ほんとうにロジャースと故バーナード・エドワーズというシックのツイン・トップは時代を彩るいい曲をごんごん送り出したんだなと痛感。キップ・ハンラハン(2003年8月9日、他)は「(多くの人にとって)スライ・ストーンの曲は人生のサウンドトラック」というような言い方をしていたが、シックがそれに相当する人も沢山いるんだろうなと思うことしきり。

 それから、前回同様にお客をステージにあげてのギター・コンテスト(素材は「おしゃれフリーク」)もあり、今回は参加者に60歳という会社員(隣にいた、外国人にバカ受けしていた)や女性もいたりして、よりアトラクティヴ。とかなんとか、山盛りの90分。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 世は、ゴールデン・ウィーク入り。なんか、人口密度が少し低くなり(それは、電車に乗って感じたか)、すこしテンポがゆったりしたようなのは気のせいか。やはり、不況とはいえ、普段の東京の商ベースのエネルギーは破格のものがあるようだ。……って、ぼくの家の周辺は少し騒がしかったりもするんだけどね。今、離婚騒動の渦中にある沢尻エリカ嬢の実家がぼくの住むマンションの3軒となりで、連日マスコミの人たちがいっぱい道ばたに張っている。最初、なんかの撮影やっているのかと思った。雨の日でもいつでも、トイレどうしているんだろ? 一瞥しただけでも、彼らはとんでもなく不毛で非人間的なことをやらされていると感じずにはいられず。

 話は飛ぶが、かつてスペインで名刺を交換したティナリウェン(2005年9月2日)の関係者から一斉メールが。なんでも、ひどい旱魃がトゥアレグ族にとんでもないダメージを与えているそうで、寄付を募っているということ。
http://www.tamasheq.net/northern-mali-drought-appeal.html
 ティナリウェンは6月10日にヨハネスブルグで行われるFIFAワールドカップのキックオフ・イヴェントにもアリシア・キーズ(2008年8月10日)やフアネス(2006年11月9日)やアンジェリック・キジョー(2007年12月12日、他)やブラック・アイド・ピーズ(2001年2月2日、2004年2月11日、2007年8月8日)らとともに出演することになっている。あと、40日か。うーん、今年のワールドカップは比較的平常心で見れそうだよなー。