ピーター・バラカンズ・ライヴ・マジック
2016年10月22日 音楽 ピーター・バラカンがキュレイトする音楽フェスティヴァル、今年で3年目。やはり、いろんな人と会ったなあ。恵比寿・ガーデンホール。
13時からのサニー・ランドレス(2003年5月25日、2012年5月27日)に合わせて、会場入りする。お、なんか昨年よりも混んでいるような……。で、客の年齢層の高さをすぐに感じ、これぞライヴ・マジックなんだよなあなぞとも感じる。今回、小さなお子さんづれもがこれまでよりいたかもしれない。ま、どっちしろ、音楽好きシニア層のくつろいだ文化祭という感じですね。→だからこそ、もう少し知り合いと座って話をできるスペースがあればと思うけど。
ランドレスは、ベーシストとドラマーを擁するトリオにて。そのパフォーマンスに接して、すぐにククククとなってしまう。もうバカみたいなスライド奏法の名手。小指にはめたバーが魔法の杖のように見えた。なんちって。もうキレを伴う音程の正確さ、フレーズの豊富さはこりゃ他の追随を許さない。とともに、それはブルースの枠を遥かに超えるもので、前回来日時にも似たようなことを指摘しているが、その総体は米国のプログ・ロックなるものと言いたくなる。ランドレスの歌は弱いので、そういう行き方は正解。ちょっとでもスライド奏法をやろうとしたことがある人なら分かるだろうが、まさしくスペシャル・タレント。お金がとれるよなあ。
▶︎過去の、サニー・ランドレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
小ホールに登場したジャック・ブロードベントはアーシー&剛毅な英国人シンガー/ギタリストでソロでの演奏。座ってやっていたので、その様は後方からはほぼ見えなかった。カヴァーも披露していて、リトル・フィート(2000年12月8日、2012年5月22日)の「ウィーリン」が始まったさいには歓声があがる。お客さんは、そういう愛好層が多いんだろうな。
▶過去の、リトル・フィート
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
大ホールに登場したバンバンバザールは意気揚々。いろんな米国ルーツ・ミュージックを下敷きにするグッド・タイムな、手作り洒脱表現を悠々展開。彼らには粋な印象を持っていたが、MCは無粋と感じさせる邦楽のノリのそれでがっかり。オレ、本当ペラペラ喋るMCが苦手でしょうがない。でも、彼らが主催する酔狂(?)フェス<勝手にウッドストック>には一度行ってみたい。ライヴ・マジックの小ホールやラウンジに出るような人たちが、そこにはいろいろ集まると書けるかもしれない。
1960年代下半期ラテン・ソウルの逸人、ジョー・バターンも大ホールに登場。歌とキーボードの当人とコーラスの奥様を、10人強の日本人奏者たちがサポート。南条レオがベースを弾いていたので、彼がひきいるサルサ・バンドのセントラルの面々が中心だったのかな。晴れやかなショウで、浮き浮きできた。ラテンとR&Bが交錯し合う闊達なストリート感も持つ表現の誘いや広がりの感覚は今も色褪せず。というか、ソウル流れなのかお洒落なコード使いを感じさせるところもあり、クラブ・ミュージック期以降だからこそアピールする部分もあるか。彼は「ハイアー」と連呼をするときもあるのだが、なぜかスライ・ストーン(2008年8月31日、2008年9月2日、2010年1月20日)との親和性を感じさせるところに、彼の吹っ切れ具合や折衷性が現れていると言いたくなる。「お父さんはアフリカン・アメリカン、お母さんはフィリピ―ノ。そして、心はラティーノ。だけど、今日はジャパニーズ」というMCもうまいっ。
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
今年は英語圏以外のアーティストが少ないような気がしたが、そうしたなかワールド系興味を集めたかもしれないのが、ノルウェーから来たアルヴァス(小ホール)。女性シンガーのサラ・マリエル・ガウプとウッド・ベース/歌のスタイナー・ラクネスからなるデュオだ。女性の方はサーミ族の血を引き、その民族音楽のヨイクの歌唱を露わにしたりもする。一方、ラクネスはかつてノルウェーの清新ジャズ・トリオとしてぼくが注目していたアーバン・コネクション(2003年11月17日、2004年11月16日)のベーシストだが、ここでの演奏にジャズっぽさはあまりなし。米国渋味表現を思わす骨太リフをずんずん弾き、こちらはアクの強い声で歌う。
そんな両者が絡み合う表現はヨイクと渋味ロック流儀がマッシュ・アップしたものと説明できるか。けっこう重層的というか、構成の妙で先が読めないと思わせる部分もあり。ベース音にはエフェクターをかけたり、弓弾き音を淡くループさせるときもある。北の国の、傾向外の大人のおとぎ話的ポップスという所感を受けた。
▶︎過去の、アーバン・コネクション
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200411170828460000/
トリで大ホールに出たのは、吾妻光良(2007年7月22日、2010年5月29日、2010年11月20日)&スウィンギン・バッパーズ。ははは、手慣れているな。もう、客席わきっぱなし。そろそろリタイアしているメンバーもいるはずだし、とっとと海外楽旅に出てください。
▶︎過去の、吾妻光良
http://43142.diarynote.jp/200707232253550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100529
http://43142.diarynote.jp/201011250546335197/
<今日の、サーヴィス>
途中、がっつり食事タイムを取る。都内でやるフェスはそれができるのでありがたい。別に美食家でもなんでもないが、ザワついた中で半端に食事をするのが少しイヤ。それについては、歳をとったのかなあと思う。今回フェスにはマスター・カードがスポンサーとして、新たについていた。そして、カード保有者が5,000円以上のカード使用履歴を提示すると、フリー・ドリンク/フリー・マッサージを享受できるというサーヴィスをしていた。マスターがメインで使っているカードではないが、月に2、3万は使っているよな。だけど、普段そんな記録持ち歩いているわけないじゃん。HPにもそんなことは告知されていなかったよな? 知人は携帯に取引履歴が入っていて、それを見せてサーヴィスを受けていた。今、皆んなそうなの? 側のモールで買い物をして、5000円分飲むということも一瞬考えたが、却下。後から考えると、そうしてもよかったかも……。
13時からのサニー・ランドレス(2003年5月25日、2012年5月27日)に合わせて、会場入りする。お、なんか昨年よりも混んでいるような……。で、客の年齢層の高さをすぐに感じ、これぞライヴ・マジックなんだよなあなぞとも感じる。今回、小さなお子さんづれもがこれまでよりいたかもしれない。ま、どっちしろ、音楽好きシニア層のくつろいだ文化祭という感じですね。→だからこそ、もう少し知り合いと座って話をできるスペースがあればと思うけど。
ランドレスは、ベーシストとドラマーを擁するトリオにて。そのパフォーマンスに接して、すぐにククククとなってしまう。もうバカみたいなスライド奏法の名手。小指にはめたバーが魔法の杖のように見えた。なんちって。もうキレを伴う音程の正確さ、フレーズの豊富さはこりゃ他の追随を許さない。とともに、それはブルースの枠を遥かに超えるもので、前回来日時にも似たようなことを指摘しているが、その総体は米国のプログ・ロックなるものと言いたくなる。ランドレスの歌は弱いので、そういう行き方は正解。ちょっとでもスライド奏法をやろうとしたことがある人なら分かるだろうが、まさしくスペシャル・タレント。お金がとれるよなあ。
▶︎過去の、サニー・ランドレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
小ホールに登場したジャック・ブロードベントはアーシー&剛毅な英国人シンガー/ギタリストでソロでの演奏。座ってやっていたので、その様は後方からはほぼ見えなかった。カヴァーも披露していて、リトル・フィート(2000年12月8日、2012年5月22日)の「ウィーリン」が始まったさいには歓声があがる。お客さんは、そういう愛好層が多いんだろうな。
▶過去の、リトル・フィート
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
大ホールに登場したバンバンバザールは意気揚々。いろんな米国ルーツ・ミュージックを下敷きにするグッド・タイムな、手作り洒脱表現を悠々展開。彼らには粋な印象を持っていたが、MCは無粋と感じさせる邦楽のノリのそれでがっかり。オレ、本当ペラペラ喋るMCが苦手でしょうがない。でも、彼らが主催する酔狂(?)フェス<勝手にウッドストック>には一度行ってみたい。ライヴ・マジックの小ホールやラウンジに出るような人たちが、そこにはいろいろ集まると書けるかもしれない。
1960年代下半期ラテン・ソウルの逸人、ジョー・バターンも大ホールに登場。歌とキーボードの当人とコーラスの奥様を、10人強の日本人奏者たちがサポート。南条レオがベースを弾いていたので、彼がひきいるサルサ・バンドのセントラルの面々が中心だったのかな。晴れやかなショウで、浮き浮きできた。ラテンとR&Bが交錯し合う闊達なストリート感も持つ表現の誘いや広がりの感覚は今も色褪せず。というか、ソウル流れなのかお洒落なコード使いを感じさせるところもあり、クラブ・ミュージック期以降だからこそアピールする部分もあるか。彼は「ハイアー」と連呼をするときもあるのだが、なぜかスライ・ストーン(2008年8月31日、2008年9月2日、2010年1月20日)との親和性を感じさせるところに、彼の吹っ切れ具合や折衷性が現れていると言いたくなる。「お父さんはアフリカン・アメリカン、お母さんはフィリピ―ノ。そして、心はラティーノ。だけど、今日はジャパニーズ」というMCもうまいっ。
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
今年は英語圏以外のアーティストが少ないような気がしたが、そうしたなかワールド系興味を集めたかもしれないのが、ノルウェーから来たアルヴァス(小ホール)。女性シンガーのサラ・マリエル・ガウプとウッド・ベース/歌のスタイナー・ラクネスからなるデュオだ。女性の方はサーミ族の血を引き、その民族音楽のヨイクの歌唱を露わにしたりもする。一方、ラクネスはかつてノルウェーの清新ジャズ・トリオとしてぼくが注目していたアーバン・コネクション(2003年11月17日、2004年11月16日)のベーシストだが、ここでの演奏にジャズっぽさはあまりなし。米国渋味表現を思わす骨太リフをずんずん弾き、こちらはアクの強い声で歌う。
そんな両者が絡み合う表現はヨイクと渋味ロック流儀がマッシュ・アップしたものと説明できるか。けっこう重層的というか、構成の妙で先が読めないと思わせる部分もあり。ベース音にはエフェクターをかけたり、弓弾き音を淡くループさせるときもある。北の国の、傾向外の大人のおとぎ話的ポップスという所感を受けた。
▶︎過去の、アーバン・コネクション
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200411170828460000/
トリで大ホールに出たのは、吾妻光良(2007年7月22日、2010年5月29日、2010年11月20日)&スウィンギン・バッパーズ。ははは、手慣れているな。もう、客席わきっぱなし。そろそろリタイアしているメンバーもいるはずだし、とっとと海外楽旅に出てください。
▶︎過去の、吾妻光良
http://43142.diarynote.jp/200707232253550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100529
http://43142.diarynote.jp/201011250546335197/
<今日の、サーヴィス>
途中、がっつり食事タイムを取る。都内でやるフェスはそれができるのでありがたい。別に美食家でもなんでもないが、ザワついた中で半端に食事をするのが少しイヤ。それについては、歳をとったのかなあと思う。今回フェスにはマスター・カードがスポンサーとして、新たについていた。そして、カード保有者が5,000円以上のカード使用履歴を提示すると、フリー・ドリンク/フリー・マッサージを享受できるというサーヴィスをしていた。マスターがメインで使っているカードではないが、月に2、3万は使っているよな。だけど、普段そんな記録持ち歩いているわけないじゃん。HPにもそんなことは告知されていなかったよな? 知人は携帯に取引履歴が入っていて、それを見せてサーヴィスを受けていた。今、皆んなそうなの? 側のモールで買い物をして、5000円分飲むということも一瞬考えたが、却下。後から考えると、そうしてもよかったかも……。