1959年生まれのベーシスト(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日、2014年4月14日)のリーダー公演を見る。1980年代下半期以降ずっとフュージョン/ジャズ界の第一線にいつづけ、いろいろなリーダー作を発表するとともに、ウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年4月14日)ら様々な人から声をかけられ続けている御仁。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。

 アダム・ロジャース(2012年5月28日)とスティーヴ・カーディナスという2人のエレクトリック・ギター奏者、ショーター・バンドのリズム・セクションの合い方でもあるドラムのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日、2014年4月14日)というカルテットにてパフォーマンス。アコースティック/エレクトリック両刀の奏者であるパティトゥッチだが、ここでは6弦と5弦のフレットレスの電気ベースを弾いた。

 ギター系楽器3本とドラムという変則編成をとっているわけだが、それは2015年新作『ブルックリン』と同じ編成による。迷宮曲、ポップ・ファンク曲(それ、2ギターでやるためか、スタッフを思い出せると思った)、B.B.キング追悼と言ってやったシンプルなブルージィ曲などのオリジナルを中心に、セロニアス・モンク 曲やマリの名歌手であるオウモウ・サンガレ曲のカヴァー(後者は、ベース・ソロを弾き倒す様を含め、マーカス・ミラー〜1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日〜的と思えた)など、いろんな曲をやる。パティトゥッチはブルックリン育ち(大学は西海岸)、アルバム・タイトルはいろんな音楽に嬉々として接した多感な時期への幸せな追想を重ねるものか。だとするなら、かつて彼はギター好きでもあったのか。彼の2作目のリーダー作『オン・ザ・コーナー』(ジャケには綺麗な奥さんも写っていた)もブルックリン讃歌を重ねていなかったっけ?

 絡み合う弦楽器と、土台を流麗に固めるドラム。唯一意外だったのは、2人のギタリストが泉が湧くがごとくソロを重ね合うのかと持ったら、多くの曲では、アダム・ロジャースが主で、スティーヴ・カーディガンスが従の立場で演奏していたこと。なんにせよ、旧来のアコースティック・ジャズやフュージョンからどこか離れようとするものを標榜していたのは間違いない。今、創意あるジャズ熟練者は往々にして、そういう意志のもと、自己のジャズ的表現の成就を求めんとしているんだろうなあ。4ビートにはちと飽きた、そう言うジャズの才人を何人もぼくは知っている

▶過去の、ジョン・パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm 2001年8月3日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm   2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
▶過去の、アダム・ロジャース
http://43142.diarynote.jp/201205301445023004/
▶過去の、ブライアン・ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
▶過去の、ウェイン・ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
▶過去の、マーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/

 その後は、六本木・ビルボードライブで、セルジオ・メンデス(2003年9月2日、2005年8月9日、2006年9月29日、2008年2月7日、2012年5月1日)のショウを見る。ブラジル’66時代の曲満載の、既知感のある内容。なのに、どうして、ぼくはアガり、最高だぁとニコニコ見れてしまったのか。もう素晴らしい手触りありまくりの楽曲群(それらは、カチっとコンパクトにまとめられ、即興性はあまりない。メンデスのキーボード裁きも決まったフレーズしか弾いていないはずだ)に触れながら、ぼくが彼らのことをちゃんと聞くようにになったのは1990年代を回ってからのはずなのに、ブラジル’66時代の曲はぼくの人生のサウンドトラックだあ、と思わせるような親密な心持ちを与えられたことに驚く。

 分りきったことしかやっていないからこそ、明解な輝き、生理的な線の太さはより強調される方向性にあったか。メンデスの、時にとるヴォーカルも前よりよく聞こえる。現在のバンドはブラジル人とアメリカ人の混合で、奥さんを含む3人の女性ヴォーカル(若い2人はお近づきになれたら、わーいとなれるルックス)、サックス類やキーボード、ギター、ベース、ドラム、パーカッション(ソロ・パフォーマンスのパートも与えられる)という9人編成。2014年作『マジック』でジョン・レジェンド(2005年5月8日)が作曲/ヴォーカル参加していた「ドント・セイ・グッドバイ」もやったが、その際はサックスや鍵盤を担当するスコット・メイヨが前に出て来て、それほど上手じゃない歌を披露。彼はその曲の共作者であり、『マジック』では演奏だけでなく、アレンジも担当していた。米国西海岸のスタジオ奏者であるメイヨはE.W.&F. (2006年1月19日、2012年5月17 日)の来日公演に同行したこともあったのではないかな? ニール・ヤングの2014年新作『ストーリー・トーン』にも、彼はホーン・セクション参加していた。

 過去、セルジオ・メンデスを見たなかで、一番満足してしまったナ。

▶過去の、セルジオ・メンデス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20050809
http://43142.diarynote.jp/200610020643550000/
http://43142.diarynote.jp/200802101517380000/
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
▶過去の、ジョン・レジェンド
http://43142.diarynote.jp/200505141714260000/
▶過去の、E.W.&.F.
http://43142.diarynote.jp/200601271855390000/
http://43142.diarynote.jp/201205301252113538/
▶過去の、ニール・ヤング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm フジ・ロック

<今日の、昼間>
 ずっとまあいい天気が続き、日中は暑さも感じる。とともに、けっこう湿度も感じる。←それだけで、ちょい梅雨以降の過ごしづらさを想像し、すこし暗くなる。昼間、ちょいでかけたとき、宅急便屋の手押し車みたいな長方形の乳母車に何人もの小さな子供たちを入れて散歩している様を見る。保育所だか託児所だか知らないが、今はああいうのをガキんちょを外出させるときに用いるのか。なんかほのぼのとした、光景。それを押してみたい、ちょいそう思いました。