グラスゴー起点の、インストゥメンタル(中心)のロック・バンド(1999年11月22日、2001年4月26日、2004年10月4日、2006年11月11日)を、まず見る。EXシアター・ロッポンギ。この晩はスタンディングで、飲み物を外に買いに出づらいぐらいの混み様、なり。

 モグワイって、さすが人気あるんだなと再認知。スコットランドのバンドで一番対外的に集客力のある存在って誰なのかと少し考えるが、すぐにやめた。また、EXシアターって、なかなか大ぶりな会場なんだと、再認知もする。満場のスタンディング公演の場合、ここの地下3Fフロア階から退出するときは相当に難儀で、時間がかかる。設計ミス? 火事とかで避難する場合、惨事はまぬがれないと思った。

 6人の遠目にはむさい人たちが、外連味なく音をだす。シューゲイザー、プログ・ロック、壮大なエレ・ポップ、果てはケミカル・ブラザース(2000年1月8日、2002年7月27日、2005年2月13日)みたいなものまで、いろいろ。なんか、ヴォーカル曲比率は高まってもいたが、幅が広がっているナと思う。とともに、ステージ美術ももっと凝るようになった。八角形のフレームが光る電飾を3つステージ上にたらし、背後には目玉二つの変形地球儀みたいな美術が配される。それを見て、彼らってトリップ音楽需要が多いのかと思ったりもした。ライティングも前から見れば、かなり派手だ。

 近年参画しているお兄さんが、ヴァイオリンを奏でる曲も一つ。昔、グラスゴーのハープ奏者のカトリーナ・マッケイ(2005年2月1日、2008年11月9日、2009年12月6日、2009年12月12日、2013年12月7日)がフィフォラーズ・ビドで来日したときの会話を思いだす(←2008年11月9日参照)。生演奏ながら、基本エフェクターを通した音で成り立つバンド表現の場合、アナログ度数の高い楽器を置くとやはりそれだけで発展を導く。

 アンコール2曲目の静かな演奏から一転、超ラウドな音の壁といいたくなるパートに直転した際は、子供のようにすげえ〜とうなる。それにライティングも同軌していて、効果抜群。総演奏時間は100分欠けぐらいだったか。

 ところで、ショウが始まる直前に場内に流れていたのは、しなやかなブラジル人曲、メロウなフィリー・ソウル曲、臭みたっぷりのエチオ・ジャズ曲の三連発。おお、モグワイの音楽性とは結びつかないが、なんかいいかもと思えた。そしたら、終演後にすぐに流れたのはトトの曲。少し、ガクっ。それらは、誰が選んでいたのだろう。

▶過去の、モグワイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200410071545330000/
http://43142.diarynote.jp/200611190244590000/
▶過去の、ケミカル・ブラザース
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/200502141659550000/
▶過去の、フィオラズ・ビド
http://43142.diarynote.jp/200811111146277497/
▶過去の、カトリオーナ・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/200502041827080000/
http://43142.diarynote.jp/200811111146277497/
http://43142.diarynote.jp/200912091113106654/
http://43142.diarynote.jp/201312171612117786/

 次は、南青山・ブルーノート東京。EXシアター、ブルーノートともにビミョーな位置にあり(双方の会場ともより駅から10分は離れている)、モグワイ公演が予想よりも早く終わったので、タクるのをやめ思い切って徒歩で移動してみる。そしてら、15分でついちゃう。こりゃ、よほど天候が悪い以外、(そんなに、この二つの会場間を移動することはないと思うが)歩くのもアリと思う。実は、ビルボードライブ東京とブルーノート東京の間も青山墓地をつっきれば、丁度徒歩20分で移動できるんだよなあ。そこを歩くと、青山ってかつて街外れの墓地地区であったのがよく分る。桜が、綺麗だったりもするけど。

 そして、ダビ・ペーニャ・ドランテという、1968年セビーリャ生まれのスペイン人ピアニストを見る。ウッド・ベースと打楽器(カホーンとドラム系キットを組み合わせる)、さらに歌とダンサーというサポート陣容を見ても想像がつくように、一応フラメンコのピアニストと紹介されていた。ぼくは彼のことを認知していなかったが、ちゃんとしたホールでソロ公演をやったり、オーケストラと共演したりと、過去複数回来日しているよう。彼のおじいさんはフラメンコの名歌手、おじさんも歌手で、お父さんはギタリストであるという。

 最初、ピアノのちょっとした調べだけで指さばきが達者、コイツうまいじゃんと思う。奔放な弾き方ながら、クラシックのトレイニングも積んでいることも露にする。そんな彼、もしアメリカ生まれだったら、もっとジャズ界でエスタブリッシュされていると思わずにはいられず。ただし、なぜか、いつもより安っぽいピアノ音が出ているとも感じる。毎度と同じピアノなんだよな? でも、それは否定的な所感には結びつかない。いいじゃん、達者でも、がらっぱちな市井の表現という感じもして。ハハ。彼は時に、ピアノのボディに手を突っ込んで、弦を弾いたりもする。

 ベース奏者と打楽器奏者とのトリオで繰り出す曲は基本、オリジナル中心だったのか。フラメンコ的なビートの感覚は内在するが、かなりジャズ様式に則った、個を持つ演奏と思った。打楽器奏者は素手で叩くのとブラシを持つのを達者に併用。ベース奏者は浮いたフレーズの繰り出し方が抜群。弓弾きしたら、音程が甘くてアレレとなったが。三者の噛み合いはかなり良い。

 女性シンガーと男性ダンサーは、2曲づつしかフィーチャーされず。ジャズ・クラブのショウということなので、ジャズっぽく行く部分を長くしたのかもしれぬ。ダンサーはお腹ぽっこりしていたけど、色男風情を切れたっぷりに出す。場内からは、掛け声がごんごんあがる。

 やっぱりスペイン人、なんか面白いじゃねえかという感想をおおいに得ました。90分強、先のモグワイと同じぐらいのパフォーマンス時間。また、見たいな。

<今日の、え〜ん>
 J・リーグが開幕したのはいいのだが(浦和が湘南に負けなくて、少しがっかり)、その試合をいろいろ流していたJスポーツの各チャンネルでの放映がぬわんと今年はないことに気付く。そういやあ、今年はTBSがJリーグを流すというニュースを、ネットで見たっけ? 地上波が映らないぼくんちでは、もう安易にJの試合を見ることができない。あああああ、けっこうショックを受けています。また、今日は銀行通帳を落としたかと思った(銀行で記帳したあと、少しして手元にないことに気付き、落としたと思って、外から電話して止めた)。そしたら銀行から、機械に置き忘れていると警備から連絡ありましたと、3時間後に電話アリ。出てこなかっただけぢゃん? だから、ぼくは通帳を機械に通したことを忘れちゃい、後から通帳がないとなったのだと思う。どっちにしろ、ボーっとしていることに違いはないけど……。なんかな〜。週末には、とっても親身に友達の誕生日を祝ってあげたりし、善行をしているのにぃ。
追記> 翌週、J1の第2節の試合(鹿島x湘南)を1試合だけ放映していた。完全に放映しないようではないよう。