リチャード・トンプソン・トリオ。大島保克+島袋優
2015年2月26日 音楽 このフェアポート・コンヴェンションを大昔率いた英国清新土着系シンガー・ソングライター(2001年2月21日、2012年4月13日)の直近2度ほどの来日公演は、ともにギターの弾き語り。が、今回はリズム・セクションを率いてのバンド編成でのパフォーマンス。それ、1987年以来とのことのようだが、とにもかくにも、ぼくはそれだけで超うれしい。やっぱ、男はガツンとバンドでいかにゃあ。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。
ベーシストとドラマーのサポートのもと、ストラトキャスター・タイプのソリッド電気ギターを手に、出音大き目にてパフォーマンス。おお、こりゃパワー・トリオだっ。そして、ギター音が癖に富みつつ、刺っぽい感覚にもあふれ訴求力抜群であると、すぐに唸る。けっこう豊富な音色/フレイズを、どんどん溢れさせる様はまさに勇士というに相応しい。でもって、歌い出すと、これが例によって清々しくも朗々とていて、こりゃトンプソン以外の何物でもでないと思わされる。多少お腹は出ているが、颯爽としてもいる。1949年生まれだから、豊富なキャリアのわりには過剰にじじいなわけだが。
しかし、曲調もまたトラッド的臭みというか、独特なひっかかりのようなものに溢れていて、それはある種の風の感覚や切実感にも繋がり、ほんと引きつける。途中、リズム隊が退き、生ギター弾き語りも1曲披露したが、そうすると対比もあり、そちらも輝かしいものに思えたりも。
それから、トンプソンの技と経験と我がぐいぐいバンドを引っ張るショウを見ながら、これぞ<背番号10番(←サッカーのことですね)のロック>」と頷く。いやはや、まったく。もう発想とスキル豊かな王様さんが思うままショウを作って行く(メンバーはそれに手駒として追従する)様子に触れつつ、今正統な10番的選手の活躍しどころがとても減ってきている現代サッカー同様に、今のロックの世界では希有な様式と、それはなってきているのではないか。
▶過去の、リチャード・トンプソン
http://43142.diarynote.jp/201204160900538745/
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、歌と三線の大島保克と、BEGINのメンバーであるアコースティック・ギターと歌の島袋優のデュオを見る。2人は石垣島の高校の仲良し同級生であったそうで、曲もいろいろ一緒に作っているよう。で、2人で共作曲やそれぞれの曲や島唄などを披露した模様。なんにせよ、そこには彼らが地元で自然に触れ、貯めた流儀や情緒の無理のない交換があるわけで、それには頷くしかない。
ルーツがっつり掘り下げ方向とクロスオーヴァー方向の二つの行き方を持ってきている大島の実演は過去1度ぐらいは触れたような気持ちになっていたが、このブログ検索をかけてもヒットしないのでどうやら気のせいのよう。ジャズ・ピアニストのジェフ・キーザー(2005年1月18日、2006年9月17日)と双頭名義のアルバムやアルタン(2000年5月21日、2002年9月1日、2004年12月17日、2005年3月21日、2009年12月6日、2009年12月12日)他が録音参加したアルバムを雑誌のディスク評で過去書いたりしていたため(つまり、繰り返し聞いた)、脳内親密度が増したよう。←本当、か? 途中から1時間見たが、リード・ヴォーカルは主に大島がとる。その大島の、ファルセットが絶妙に混ざるメロウな歌い口には感心。こりゃ、味があるし、すごいワ。
▶過去の、ジェフ・キーザー
http://43142.diarynote.jp/200501222324430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060917
▶過去の、アルタン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200412212105020000/
http://43142.diarynote.jp/200503240456350000/
http://43142.diarynote.jp/200912091113106654/
http://43142.diarynote.jp/201001051620426983/
<今日の、残像>
沖縄(正確には、八重山か)の強固な、でも心地いい誘いを感じながら、思わずすっかり忘却の彼方にあった1枚のレコードを思い出す。ジョン・フレンチ、フレッド・フリス(2004年6月9日、2009年1月17日)、ヘンリー・カイザー、リチャード・トンプソンという曲者4人の名義の『Live,Love,Larf & Loaf』(Rhino,1987年)。そこで、喜納昌吉の「ハイ・サイ・オジサン」を激あっけらかんとカヴァーしていて、確かリード・ヴォーカルをとっていたのはトンプソンだったんだよなー。ああいうお茶目さも彼は持っている。トンプソンが大島に触れたら、どんな感想をもらすだろうか。
▶過去の、フレッド・フリス
http://43142.diarynote.jp/?day=20040609
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
ベーシストとドラマーのサポートのもと、ストラトキャスター・タイプのソリッド電気ギターを手に、出音大き目にてパフォーマンス。おお、こりゃパワー・トリオだっ。そして、ギター音が癖に富みつつ、刺っぽい感覚にもあふれ訴求力抜群であると、すぐに唸る。けっこう豊富な音色/フレイズを、どんどん溢れさせる様はまさに勇士というに相応しい。でもって、歌い出すと、これが例によって清々しくも朗々とていて、こりゃトンプソン以外の何物でもでないと思わされる。多少お腹は出ているが、颯爽としてもいる。1949年生まれだから、豊富なキャリアのわりには過剰にじじいなわけだが。
しかし、曲調もまたトラッド的臭みというか、独特なひっかかりのようなものに溢れていて、それはある種の風の感覚や切実感にも繋がり、ほんと引きつける。途中、リズム隊が退き、生ギター弾き語りも1曲披露したが、そうすると対比もあり、そちらも輝かしいものに思えたりも。
それから、トンプソンの技と経験と我がぐいぐいバンドを引っ張るショウを見ながら、これぞ<背番号10番(←サッカーのことですね)のロック>」と頷く。いやはや、まったく。もう発想とスキル豊かな王様さんが思うままショウを作って行く(メンバーはそれに手駒として追従する)様子に触れつつ、今正統な10番的選手の活躍しどころがとても減ってきている現代サッカー同様に、今のロックの世界では希有な様式と、それはなってきているのではないか。
▶過去の、リチャード・トンプソン
http://43142.diarynote.jp/201204160900538745/
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、歌と三線の大島保克と、BEGINのメンバーであるアコースティック・ギターと歌の島袋優のデュオを見る。2人は石垣島の高校の仲良し同級生であったそうで、曲もいろいろ一緒に作っているよう。で、2人で共作曲やそれぞれの曲や島唄などを披露した模様。なんにせよ、そこには彼らが地元で自然に触れ、貯めた流儀や情緒の無理のない交換があるわけで、それには頷くしかない。
ルーツがっつり掘り下げ方向とクロスオーヴァー方向の二つの行き方を持ってきている大島の実演は過去1度ぐらいは触れたような気持ちになっていたが、このブログ検索をかけてもヒットしないのでどうやら気のせいのよう。ジャズ・ピアニストのジェフ・キーザー(2005年1月18日、2006年9月17日)と双頭名義のアルバムやアルタン(2000年5月21日、2002年9月1日、2004年12月17日、2005年3月21日、2009年12月6日、2009年12月12日)他が録音参加したアルバムを雑誌のディスク評で過去書いたりしていたため(つまり、繰り返し聞いた)、脳内親密度が増したよう。←本当、か? 途中から1時間見たが、リード・ヴォーカルは主に大島がとる。その大島の、ファルセットが絶妙に混ざるメロウな歌い口には感心。こりゃ、味があるし、すごいワ。
▶過去の、ジェフ・キーザー
http://43142.diarynote.jp/200501222324430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060917
▶過去の、アルタン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200412212105020000/
http://43142.diarynote.jp/200503240456350000/
http://43142.diarynote.jp/200912091113106654/
http://43142.diarynote.jp/201001051620426983/
<今日の、残像>
沖縄(正確には、八重山か)の強固な、でも心地いい誘いを感じながら、思わずすっかり忘却の彼方にあった1枚のレコードを思い出す。ジョン・フレンチ、フレッド・フリス(2004年6月9日、2009年1月17日)、ヘンリー・カイザー、リチャード・トンプソンという曲者4人の名義の『Live,Love,Larf & Loaf』(Rhino,1987年)。そこで、喜納昌吉の「ハイ・サイ・オジサン」を激あっけらかんとカヴァーしていて、確かリード・ヴォーカルをとっていたのはトンプソンだったんだよなー。ああいうお茶目さも彼は持っている。トンプソンが大島に触れたら、どんな感想をもらすだろうか。
▶過去の、フレッド・フリス
http://43142.diarynote.jp/?day=20040609
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/