長くニューオーリンズに住んでいる英国人シンガー/ピアニスト(2007年4月6日、2008年10月15日、2009年9月5日、2013年5月20日)の来日公演は、今年2度目となるもの。表参道・CAY。今回はバンドによるものでなく、洒脱さがより前に出るソロでのピアノ弾き語り公演。それもまた、よし。表参道・CAY。

 ニューオーリンズR&Bにやられ、そして現場に身を投じてその財産や流儀をじっくり会得したワタシを飄々と、でもしっかりと地に足つけて送り出す。自作曲は少なく、R&B系カヴァーを中心にノンストップ気味にピアノや歌を披露していく様には、本当にいいキブンになれた。どこか、ニューオーリンズの先にカリブ海が広がっていることを示唆する場面があったのにもニッコリできた。闊達、いい味出しっ放し。9月下旬からツアー中で、13公演中の12回目。だが、疲れている感じもゼロで、本人もツアーを楽しんでいるんだろうな。

<今日は、ゴモテサンドウ>
 先々週、業界年長者たちとなぜか飲んだら、その2人はいまだ逆さ言葉が得意。ご飯→シーメ。やる→リーヤ。とか、いうやつですね。それをちゃんと文章にして会話している様はなかなかに見事で、半分外国語に接している気分? まあ、多分に滑稽ではあるけれど。ぼくが音楽業界に入ったときはまだ逆さ言葉会話をフツーに使う人は散見されたが、今はホントいなくなった。すくなくとも、ぼくが見聞きするかぎりは。なんかカッコ悪く業界に染まるようで、ぼくは“逆さ言葉”会話に興味を持つ事はなかったし、会ったとたんに「おつかれさまです」とか、夕方なのに「おはようございます」とか、業界ふうに声をかけられるのが、本当にイヤだった。とはいえ、一時親しい友人と、ある種の言葉遊びをしていたことがある。地名を一文字読み替えたり、変える、というもの。例えば、渋谷はシブヤではなく、シブタニ。永田町は、ナガタマチ。青山はガオヤマで、小田急線はオバキュウセン。他愛ねー、バカバカしー。で、今日はゴモテサンドウに行ってきました。
追記)これまで、ジョン・クリアリーと書いていたが、彼を招聘し続けているバッファロー・レコードは、クレアリーと表記。書きのほうも平気な(普通に日本語でメールのやりとりをしている)日本語も堪能な米国人が運営しているだけに、それに従おう。