1976年旧ユーゴスラヴィア(現セルビア)のベオグラード生まれ(パスポートは、1990年代後期に活動していたオランダのものを持っているよう)、新世紀に入ってからはテネシー州メンフィスを拠点に置いているブルース・ウーマンがなんと来日した。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。

 まず、3人の黒人の中〜老年奏者が出て来て、1曲前奏。オルガン/ピアノ音色のキーボード、ベース(5弦)、ドラム。うち、2人は旅客機のビジネス・クラスのシートでもきついだろと思ってしまうような巨漢。でも、それだけで、なんか本場の黒っぽさはなんか醸し出される? 皆、メンフィスに住むミュージシャンで、特にドラマーのトニー・コールマンは長年B.B.キング(2007年2月3日)と活動をしたり、いろんなアフリカ系ミュージシャンのアルバムにも参加している名士のよう。リズム・セクションの2人は彼女の2013年新作『An You Stand The Heat』(ArtisteXclusive)にも入っていて、コールマンはコプロデュースも担当している。

 ポポヴィッチは2曲目から加わったが、すらり痩身の白人で、ボディ・コンシャスな(ビッチな、とも形容できる)、赤のノースリーブのミニのワンピースを身につけている。それ、彼女のトレードマークのようだが、きっちり身体張ってるナ。で、バックの3人との見かけの対比の妙を狙っているのかとも思うが、真っすぐなショウに触れているうちに、本場のミュージシャンと彼女が重なるのはそうした打算ではなく、極度のブルース愛好から来る純な欲求なのだと思えて来た。

 当人、ギターを悠々弾きながら歌う。なるほど、歌にせよギター技量にせよ、スーザン・テデスキより上かもしれぬ(って、彼女の生をちゃんと見ていないので何とも言えない)。MCでは、ステォーヴィ・レイ・ヴォーンが一番のアイドルという発言もした。披露する曲はストレートなブルースは少なく、ブルージィな情緒を持つアーシーなロック曲と言いたくなるものが中心で(それは、長年活動を続けていて、ブルースから広がったという説明ができるはず)、多くはオリジナルであるだろう。それらは、よく書かれていると思う。ときにはファンキーな曲もやり、バックの3人はコーラスも取る。それから、スライド・バーを用いる演奏もいくつか。へえ。憧憬と、長年の鍛錬での技量追求が違和感なく結びつく。ここまでの道のり、大変だったろうなー。そんな彼女は、少なくても、2児の母だ。

 それにしても、音が暴力的にでかい。数日前の項にも同様のことを書いているが、それが可愛いと思えるほど? 途中から、ギターの出音がより大きくなったような気もし、うひ〜。3日公演初日のファースト・ショウだったが、このまま行くのか? 別な意味の、興味がもわもわ広がったりして。。。。

<今日の、視線>
 ライヴ会場に向かう混んでいない地下鉄内でドア側に向かい立ってメールの返信をし、電話をしまうと、背後からの視線をなんとなく感じる。振り返ると、真面目そうな女子高生が少し驚いたような感じで立っていた。ガラケーを使っていたからでしょうか? ふぬ、おっさんがガラケーを悪びれず使っている姿を見るのはイタいと、言う人がいたナ。まあ、かつてはドコモがi-フォンを扱ったら換えるぞと思っていたが、今はガラケー死守と思っている。だって、外でネットをひく趣味もないし、必要性感じないも〜ん。簡素がベスト。マイノリティ、万歳。ゆえに、外出時はPCに入ったメールを見ることはできません。←それが、書きたかった。