山浦智生

2009年5月16日 音楽
 今はBack Soul Invaders(2009年3月29日)を率いる人物のソロ・パフォーマンス。渋谷・Li-Po。シンプルな音色のキーボードを弾きながら歌う彼に加え、モミー君といういい味出しているお友達の打楽器奏者(肉声でも活躍。けっこうバッキング・コーラスや掛け合いをやったりも。3月29日にも参加)も全面的にかかわる。2部制、レパートリーは尽きぬという感じで、合わせて2時間以上やった。かつてメジャー契約していたディキシー・タンタス(1999年4月23日、6月23日、9月30日)時代の珠玉の曲群は封印しているようで、その曲のストックはすごいな。いや、その質についても。最初にザ・ビートルズ体験があり、そして米国黒人音楽に対する趣味のいい思いがあり、高潔な率直さがあり……そういう項目がぼくの趣味と相当に重なるんだろうなーと、そのパフォーマンスに触れながら思う。あと、川崎市生まれ育ちの彼には基本、関西性がないのもぼくにとっては分かりやすいものであるかな。

 簡素な設定だと、曲の組み立ての見事さや歌声の良さがストレートに伝わる。とともに、鍵盤の押さえ方と歌の韻の踏み方が本当に気持ちいいことも。さすが、地方のツアーはバンドではなく弾き語り単独でやることが多いだけあって、実にしっかりしている。ぼくに言わせれば、最良の、グルーヴィでメロディアスな、ピアノ・ロック! というわけで、やはり刮目すべきタレントと深くうなづきつつ、高揚しました。