ミシェル・ンデゲオチェロ
2009年5月15日 音楽 新作は07年以降出ていないもの、ちょうど1年ぶりの来日(2008年5月7日、他)であり、サイドの4人もまったく前回と同じ。で、基本はンデゲオチェロの詠唱的ファルセット・ヴォーカルをのせた流動性を持つポップ曲(16ではなく、8ビートの曲も多い)を展開していく……。と、書くとそれも前回と同様になってしまうが、多少異なる所感を受ける部分もあったかな。前回のショウを記したさい、その生理的な変テコさを示すものとして“電波”という言葉を用いたわけだが、今回はもう少しこなれた部分もあったためか電波度数が減じていると感じる部分もあり、そうするとぼくは『ビター』(マーヴェリック、99年)との繋がりを覚えたりも。クレイグ・ストリート制作のあのアルバムは、強いビートやグルーヴやゴスペル感覚などブラック・ミュージックを形作る決定的語彙を外したところで墨絵のごとくアフリカン・アメリカンの美意識や創造性を投影しようとした内容を持つものだった。
どこかに違和感を感じる部分はあるものの、ンデゲオチェロは毅然としていろんなものを見渡せる私のポップ・ミュージックを求めんとしている……というのはやはり感じることができるパフォーマンス。今回は中央に立ちヴォーカルを取っていても演奏部になるとベースを弾く場合もけっこうあり(もちろん、その際はツイン・ベースとなる)。やはり、それはうれしい。なお、ショウの1曲目は彼女だけがベースを弾くカルテットによるインスト曲で、彼女の電気ベース演奏の妙味が実感できた。サポート陣は達者だが、ソロをとったのはキーボード奏者のジェイソン・リンドナーばかりだったのは謎。彼のシンセ演奏、ぼくはいまいち好きではない。彼はクラウディア・アクーニャ(2009年3月8日)のときも同行していたみたいだが、そのときはけっこうピアノを弾いていました。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。次のアルバムはどんな内容になるのだろう?
どこかに違和感を感じる部分はあるものの、ンデゲオチェロは毅然としていろんなものを見渡せる私のポップ・ミュージックを求めんとしている……というのはやはり感じることができるパフォーマンス。今回は中央に立ちヴォーカルを取っていても演奏部になるとベースを弾く場合もけっこうあり(もちろん、その際はツイン・ベースとなる)。やはり、それはうれしい。なお、ショウの1曲目は彼女だけがベースを弾くカルテットによるインスト曲で、彼女の電気ベース演奏の妙味が実感できた。サポート陣は達者だが、ソロをとったのはキーボード奏者のジェイソン・リンドナーばかりだったのは謎。彼のシンセ演奏、ぼくはいまいち好きではない。彼はクラウディア・アクーニャ(2009年3月8日)のときも同行していたみたいだが、そのときはけっこうピアノを弾いていました。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。次のアルバムはどんな内容になるのだろう?