大連休も終わってしまったか。って、勤め人じゃないぼくは、基本、あんまし関係ない世のならわしではありますが。今年は知人にそそのかされ少し遠出をしたけど、例年だとどこに行くにも混むので、都内でまったりしているもんなー。そして、(今年は違ったが)爽やかっぽい日が続くゴールデン・ウィーク周辺が過ぎると、もうすぐ湿度がじめっとしてきて、雨天が増えるのかあああ……と毎年すこし気分が萎えてくる。あー年々、天候/気候に敏感になってきているような。また、齢を重ねるとともによりニュース全般が気になるようになったのはどうしたことか(ほんと、新聞やニュースは良くを見ます)。と言いつつ、今年のゴーデンウィークの途中からは新聞も読まず、TVもネットも見ないという環境に身を置いたので、いっさいニュースの類いに触れなかった。

 そんなわけだから、だいぶおくれて、忌野清志郎さんの死も知った。ぼくにとっての彼は、2005年7月25日の神が降りていたフジ・ロックのステージにつきる。ちなみに、ぼくが好きなRCの曲は「エリーゼのために」とかかな。ヒンシュクを買う? とっても、残念。病気にかかってしまったという報道に触れたとき、彼が敬愛するオーティス・レディングと同じ符合(晩年、喉頭がんだったと言われる)も感じたりもしたが、飛行機事故で亡くなってしまったレディング御大より倍以上も生きることができたのだ……と思うようにしよう。彼にはMGズ(2008年11月24日)の面々とメンフィス録音した際とラフィー・タフィーをやっていたころに2度ほど取材したことがあるが、あのステージの様と異なり、本当にシャイでおしとやか(でも、そこに諧謔や不思議な含みが混ざりもした)な人だった。あれだけR&B/オーティス・レディングを愛好する彼が自分の喉力に合わせて、ああいう歌唱法を飛躍して編み出したのは本当に素晴らしい才覚あってこそのもの。海外では先にブライアン・フェリー(ロキシー・ミュージック)が同様のことをしているが、彼も耽溺の果てに、息子にオーティスという名前を付けたんだよね。

 ゴールデン・ウィーク期間中、げんざい年間3000キロしか運転しないぼくが800キロ近く運転した。クネクネ山道もいっぱい走り、新緑を鬼のように浴び、蛇にもものすごーく久しぶりに遭遇し飛び上がり、古い日本様式にふれ……。その前半は仕事がこぼれ軽く悲鳴を上げかけたが、なんかもりだくさんなゴールデン・ウィークという感じ。で、例の高速道路代1000円ぽっきりというのも経験したが、なるほどちょい嬉しいものの(でも、只にしろや)うーむ。ぼくは今の車にしたときにETCを付けたからいいけど、ETC搭載車しか割引対象にならないなんてふざけた事がまかり通っていて、よく暴動が起きないものだ。いや、マジに。で、ぼくは早朝/深夜に高速を使うようにしたがそれでも少し渋滞にあい一度はパーキング・エリアが一杯で駐車できなかったりもしたから、バカみたいに交通量は増えたんだろう(カーナビ頼りで高速を降りて空いている一般道を走ったりも。もし、それを繰り返すと、通常料金よりも高くなるよな)。ということは、ガソリン消費量と排気ガス排出量は相当に増えているはずで、確実に地球の寿命は縮まったはず……。今日のTVニュースで期間中の通行量の増加は例年の20%増と報じられていたが嘘だァ。

 連休開け初のライヴはオルタナティヴという言葉がまさしく当てはまるジャズ・ギタリストの、ビル・フリゼール(2000年7月21日、2006年5月14日)のライヴ。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。トニー・シェアー(2005年12月31日)とケニー・ウォルセンというスティーヴン・バーンスタイン(2004年9月13日)率いるセックスモブのリズム・セクションを率いてのもので、それは彼のレギューラーと言えるだろう単位となる(00年の来日もそれでのもの)。その3人で自在に重なりながら、切れ目なしに紋様を描いていくようなパフォーマンス。2曲目にはサム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」をやる。フルゼールは曲によっては大胆にカポを持ちいていた。