前に涼しいと書いたが、けっこうそのノリが続く。夜、窓を開けて寝ると風邪をひきそう。とはいえ、今日は日中かなり湿度が高かった。とともに、一時はけっこうな通り雨。夜中は激しい雷雨(各地で大きな被害が出たようだ)。来年はもっと不安定な天候模様になっていたりして。ともあれ、なんだかんだでかなり秋の気分にもなってきているが、また暑さはぶり返すはず(だよな?)。今年、冬までにやる事の筆頭は仕事場と寝室のエアコンを省エネ・タイプの最新式のものに換える事。なんちゃってエコなエアコンレス生活、来年できる自信がまったくないので。でも、それで粗大廃棄ブツを二セットも出すのは胸が痛むな。

 昼下がり、東銀座のCINEMART試写室で映画『ウォー・ダンス』を見る。ショーン・ファイン&アンドレア・ニックス・ファインというアメリカ人夫婦のドキュメンタリー映像チーム(ピーター・ゲイブリエルのリアル・ワールド関連映像にも関与したことがあるみたい)が監督した07年のノンフィクション映画で、撮影は05年になされているようだ。

 舞台は、東アフリカのウガンダ共和国。かつてのアミンの独裁政治で知られる同国は現在も政情が不安定で、とくに北部は反政府組織の活動が活発で、その組織が相当な横暴をしているんだそう。彼らは駒(兵士)をそろえるには子供を誘拐してきて充当すればいいという指針を取り(資金はどこから出ているんだろ?)、それに抵抗する親たちを殺しちゃったり、一家バラバラにしちゃったり。結果、その被害者たちの難民キャンプが北部には沢山あり、映画はそのなかの一つのキャンプにあるパトンゴ小学校の音楽&ダンス隊を素材にする。なんでも、ウガンダは毎年、小学校の代表チームによる芸能コンペチションを大々的に開いていて、映画は地域予選を勝ち抜いたパトンゴ小学校がその全国大会に臨む姿を追っている。沢山いる生徒たちのなか、どういう基準で代表のチームが組まれたかという説明はない。なお、反政府軍のテリトリー外の南部は平穏のようで、それによる南北格差はとってもあるようだ。

 ファイン夫婦はチームのなかから3人の生徒を選び、彼(女)らのモノローグを柱に話はすすめられる。それはちょいキザな設定と感じさせるが、語られる内容はとても悲惨。なかには、「兵士の命令で、一般人を撲殺した。これ、お母さんにも言ってない」なんて、カミングアウトも。その話はスワヒリ語だったり、英語だったり。ウガンダはもともと英国領で英語が公用語だとはこれを見て初めて知った(恥)。学校の授業は英語で進められるようだし、子供たちはどうやらバイリンガルなよう。なんにせよ、八方ふさがりのなか、彼らには受け継がれてきた音楽と踊りがあり、精進しつつ全国大会に向かって行く子供たちの姿をカメラは収める。

 そして、全国大会が始まる。子供たちはらはライフルを構えた政府軍兵士の護衛のもと、二日かけて首都のカンバラに向かう。審査されるパフォーマンスは器楽演奏や踊りや、西洋から持ち込まれた賛美歌合唱とか、何部門もあって何日もなされる。気が長いな。で、そのコンペチションの場面になるとがぜん興味深くなり、身を乗り出しちゃう。いろんな小学校の子供たちがいろんな格好で、部族に伝わる歌/演奏や踊りを披露する。詳しい人なら、これはどういう系統のものでとかすぐに分かるのかもしれないが、ぼくはよく分からない。でも、すごく興味深く、面白い。皆、すげえナと素直に思える。たとえば、親指ピアノや木琴や笛らによるパトンゴ小学校の演奏にちょっとした電気楽器音や明快なベース音的要素を加えれば、すぐに欧州で引っ張りだこになるんじゃないかとも思った。

 締めは、かなり映画的な結果を得てのもの。アフリカ諸国(なんて、大雑把な書き方は無神経すぎるが)の過酷さや音楽面での凄さなど、いろいろな事項を了解できること請け合い。見るかいはあります。

 それにしても、試写室はぎんぎんに冷房が効いていたな。身体が冷えて、外に出ても当分寒く感じてしょうがなかった。その後、表参道のいつもの店で髪をカット。後藤くん、いつも適切な仕事ぶり、ありがとう。そして、ゆったり渋谷まで歩いていく。そしたら、……。