フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン各国はこの6年間共同で「Hokuo Music Fest」という日本での音楽産業振興の会を持っており、その一環のレセプションが六本木・スウェーデン大使館の大使公邸であった。例によりいろんな人と会う。今回は多めに持っていった名刺を使い果たしたな。大使のあいさつのあと、ザ・ハードというデビュー作を出したばかりのスウェーデンのバンドのアンプラグド傾向にある小パフォーマンスが懇談会の前に行う。アーティスト写真を見ると化粧系の5人組に見えるが、女性3人と男性2人からなる。本来はハード・ロック・バンドのようだが、ドラマーはカホンを扱うここでは哀愁を帯びた〜冬の長い夜を想起させる?〜彼の地の歌謡性も感じさせるアコースティック表現を聞かせた。やり方はどうにでも、という感じなのかな。彼女たちは16日にフィンランド(Arion)とデンマーク(H.E.R.O)のハード系のバンドとともに代官山SPACE ODDで公演も持つ。
<13日と14日の、訃報>
まだ60代の、ジャズ・マンの訃報がはいっていきてしまう。13日にはテナー・サックスの片山広明(2004年8月20日、2004年10月10日、2005年7月29日、2008年11月14日、2017年10月9日)さんがお亡くなりになった。演奏も音楽的スタンスも、とっても度量のデカいテナー・マン。ぼくが彼の存在を最初に知ったのは生活向上委員会やDUBなど梅津和時(2001年9月2日、2001年9月21日、2004年10月10日、2005年7月29日、2006年1月21日、2008年11月14日、2009年2月8日、2009年6月5日、2010年3月20日、2011年4月1日、2012年2月10日、2012年11月21日、2012年12月8日、2013年11月20日、2014年9月16日、2015年10月26日、2017年10月9日)関連であったか、それとも彼とコンビを組んでのRCサクセション/忌野清志郎(2004年10月19日、2005年7月29日)のホーン・セクションとしてであったか。“渋さ知らズの、4番バッター”。彼のことを渋さ知らズ(2004年9月1日、2006年1月14日、2006年1月21日、2006年8月27日、2006年11月15日、2006年12月1日、2007年1月13日、2007年6月13日、2008年7月6日、2009年7月26日、2009年9月27日、2010年4月22日、2010年9月19日、2013年5月19日、2015年6月15日)のリーダーである不破大輔(2005年12月22日、2007年6月3日、2015年11月23日、2016年4月30日)はインタヴューでそう讃えたこともあったが、渋さのライヴには都合がつく限り入っていたはずだ。
そして、14日にはピアニストの佐山雅弘さん。ガンを患っているというのは聞いていたが、彼はまだ64歳であったのか。ブリリアントな指さばきのもと、ポップ・ミュージック側からクラシックまで、本当に広い許容性を持っていた御仁であった。2000年代に入ってからなんかのパーティで彼のソロ・ピアノに触れたことはあるが、それはこのブログには書いていないな。片山さんはなかったけど、佐山さんには90年代半ばに『Hymn for Nobody』(ビクター)を出す際にオフィシャルとして取材し、けっこう長めの原稿を書いたことがあった。その外見に見合う、穏健にして軽妙な語り口は今も記憶に残っている。
二人はそれぞれ、この7月に新作を出している。片山率いるHAPPY HOURのアルバム「Last Order」(地底)と佐山をフロントにおく3人組の「B’Ridge」(キング)。以下は、そのリリース時に雑誌レビューとして書いた原稿だ。
↓『Last Order』(CDジャーナル8月号)
飲めば回路の日和あり。てな、吹っ切れ&夢心地サウンドを繰り広げる、テナー・サックス大人(渋さ知らズの4番バッターでもありますね)のソウルフル&パンキッシュ路線のセカンド作だ。ローランド・カーク、エディット・ピアフ、レナード・コーエン曲や和スタンダードの「りんご追分」というカヴァーもうれしい、太っ腹なバンドの音が押し寄せる。メンバーに変化はなく、より各人のインタープレイ度も増していると言える。確かな技量と世界観に支えられた、ウィンクあふれる狼藉は美徳と言うしかない。(佐藤英輔)
↓『B’Ridge』(ジャズ・ジャパン8月号)
ベールのような電気的音に波動と言いたくなるドラム音が割り込み、そこに超然とした感覚を持つアコースティック・ピアノ音が置かれていく。そんなオープナーを聞いて、これが佐山雅弘の新作と思う人はそうはいないのではないか。現代的な音像送出やビート構築の所作のもと瑞々しいピアノ演奏を開くと、この指針は説明できるだろう。日本の最たるジャコ・パストリアス演奏研鑽者という定評を得ている織原良次が音楽監督についての新作だが、この指針は鮮烈にして新鮮だ。どのような経緯でヴェテランと働き盛りの精鋭がやることになったかは知らないが、ここには現代的なピアノ美学や間に溢れ、聞く者に大きな感興を与える。楽曲は佐山と織原が5曲づつ出し、3.はエスペランサのポップな人気曲、12.はジャコの隠れ美曲のいいさじ加減によるカヴァー。望外の、冴えた効き味アリ。そんな本盤は、佐山のピアノのキレと滋味とその伸び代、織原のサウンド統括者しての確かな才覚、福森康というイケてる若手ドラマーの秀でた実力を存分に実感させるものになっている。これは、推奨できます。(佐藤英輔)
▶過去の、片山広明(渋さ以外)
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20081114
https://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
https://43142.diarynote.jp/201710121702369819/
▶過去の、梅津和時
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm タラフ+コチャニ(2日)、エスマ(21日)
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200902102121513506/
http://43142.diarynote.jp/201003221028556158/
http://43142.diarynote.jp/201104041101543361/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120210
http://43142.diarynote.jp/201211231437358985/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121208
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
https://43142.diarynote.jp/201510290732352521/
https://43142.diarynote.jp/201710121702369819/
▶過去の、忌野清志郎
http://43142.diarynote.jp/200410240628530000/
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
▶過去の、渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/200409010713470000/
http://43142.diarynote.jp/200601161256540000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200609031311580000/
http://43142.diarynote.jp/200611190320370000/
http://43142.diarynote.jp/200612060135390000/
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
http://43142.diarynote.jp/200706162321180000/
http://43142.diarynote.jp/200807081247190000/
http://43142.diarynote.jp/200908180046187200/
http://43142.diarynote.jp/200910071809361076/
http://43142.diarynote.jp/201004231559516550/
http://43142.diarynote.jp/201009231554333481/
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
▶過去の、渋さ以外の不破大輔
http://43142.diarynote.jp/200512231958440000/
http://43142.diarynote.jp/200706061351450000/
http://43142.diarynote.jp/201511250531202253/
http://43142.diarynote.jp/201605170939589783/
http://43142.diarynote.jp/201711241828493970/
▶︎過去の、織原良次
http://43142.diarynote.jp/201607191312426603/
http://43142.diarynote.jp/201804121236407352/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
▶︎過去の、福森康
https://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
<13日と14日の、訃報>
まだ60代の、ジャズ・マンの訃報がはいっていきてしまう。13日にはテナー・サックスの片山広明(2004年8月20日、2004年10月10日、2005年7月29日、2008年11月14日、2017年10月9日)さんがお亡くなりになった。演奏も音楽的スタンスも、とっても度量のデカいテナー・マン。ぼくが彼の存在を最初に知ったのは生活向上委員会やDUBなど梅津和時(2001年9月2日、2001年9月21日、2004年10月10日、2005年7月29日、2006年1月21日、2008年11月14日、2009年2月8日、2009年6月5日、2010年3月20日、2011年4月1日、2012年2月10日、2012年11月21日、2012年12月8日、2013年11月20日、2014年9月16日、2015年10月26日、2017年10月9日)関連であったか、それとも彼とコンビを組んでのRCサクセション/忌野清志郎(2004年10月19日、2005年7月29日)のホーン・セクションとしてであったか。“渋さ知らズの、4番バッター”。彼のことを渋さ知らズ(2004年9月1日、2006年1月14日、2006年1月21日、2006年8月27日、2006年11月15日、2006年12月1日、2007年1月13日、2007年6月13日、2008年7月6日、2009年7月26日、2009年9月27日、2010年4月22日、2010年9月19日、2013年5月19日、2015年6月15日)のリーダーである不破大輔(2005年12月22日、2007年6月3日、2015年11月23日、2016年4月30日)はインタヴューでそう讃えたこともあったが、渋さのライヴには都合がつく限り入っていたはずだ。
そして、14日にはピアニストの佐山雅弘さん。ガンを患っているというのは聞いていたが、彼はまだ64歳であったのか。ブリリアントな指さばきのもと、ポップ・ミュージック側からクラシックまで、本当に広い許容性を持っていた御仁であった。2000年代に入ってからなんかのパーティで彼のソロ・ピアノに触れたことはあるが、それはこのブログには書いていないな。片山さんはなかったけど、佐山さんには90年代半ばに『Hymn for Nobody』(ビクター)を出す際にオフィシャルとして取材し、けっこう長めの原稿を書いたことがあった。その外見に見合う、穏健にして軽妙な語り口は今も記憶に残っている。
二人はそれぞれ、この7月に新作を出している。片山率いるHAPPY HOURのアルバム「Last Order」(地底)と佐山をフロントにおく3人組の「B’Ridge」(キング)。以下は、そのリリース時に雑誌レビューとして書いた原稿だ。
↓『Last Order』(CDジャーナル8月号)
飲めば回路の日和あり。てな、吹っ切れ&夢心地サウンドを繰り広げる、テナー・サックス大人(渋さ知らズの4番バッターでもありますね)のソウルフル&パンキッシュ路線のセカンド作だ。ローランド・カーク、エディット・ピアフ、レナード・コーエン曲や和スタンダードの「りんご追分」というカヴァーもうれしい、太っ腹なバンドの音が押し寄せる。メンバーに変化はなく、より各人のインタープレイ度も増していると言える。確かな技量と世界観に支えられた、ウィンクあふれる狼藉は美徳と言うしかない。(佐藤英輔)
↓『B’Ridge』(ジャズ・ジャパン8月号)
ベールのような電気的音に波動と言いたくなるドラム音が割り込み、そこに超然とした感覚を持つアコースティック・ピアノ音が置かれていく。そんなオープナーを聞いて、これが佐山雅弘の新作と思う人はそうはいないのではないか。現代的な音像送出やビート構築の所作のもと瑞々しいピアノ演奏を開くと、この指針は説明できるだろう。日本の最たるジャコ・パストリアス演奏研鑽者という定評を得ている織原良次が音楽監督についての新作だが、この指針は鮮烈にして新鮮だ。どのような経緯でヴェテランと働き盛りの精鋭がやることになったかは知らないが、ここには現代的なピアノ美学や間に溢れ、聞く者に大きな感興を与える。楽曲は佐山と織原が5曲づつ出し、3.はエスペランサのポップな人気曲、12.はジャコの隠れ美曲のいいさじ加減によるカヴァー。望外の、冴えた効き味アリ。そんな本盤は、佐山のピアノのキレと滋味とその伸び代、織原のサウンド統括者しての確かな才覚、福森康というイケてる若手ドラマーの秀でた実力を存分に実感させるものになっている。これは、推奨できます。(佐藤英輔)
▶過去の、片山広明(渋さ以外)
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
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▶過去の、梅津和時
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm タラフ+コチャニ(2日)、エスマ(21日)
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
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▶過去の、忌野清志郎
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▶過去の、渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/200409010713470000/
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▶過去の、渋さ以外の不破大輔
http://43142.diarynote.jp/200512231958440000/
http://43142.diarynote.jp/200706061351450000/
http://43142.diarynote.jp/201511250531202253/
http://43142.diarynote.jp/201605170939589783/
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▶︎過去の、織原良次
http://43142.diarynote.jp/201607191312426603/
http://43142.diarynote.jp/201804121236407352/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
▶︎過去の、福森康
https://43142.diarynote.jp/201309260930584072/