最初は丸の内・コットンクラブで、ニューオーリンズ生まれのピアニストであるピーター・マーティン(2008年9月22日、2010年3月23日、2014年9月16日、2016年2月18日、2017年5月29日、2017年10月4日)とリオデジャネイロ生まれのギタリストであるホメロ・ルバンボ(2003年5月6日、2006年11月22日、2008年9月22日、2010年3月23日)のデュオ公演を見る。2015年 には二人の対話映像がYouTubeにアップされていたりもするので、すでに何度もこれをやっていると思われる。

 というわけで、二人はとっても仲が良さそう。ルバンボがマスターとマーティンを讃えると、マーティンはグランドマスターとルバンボに返す。彼らは交互に、元気にMCを取っていた。なるほど、二人はダイアン・リーヴス(1999年4月28日、2001年4月24日、2008年9月22日、2010年3月23日、2011年11月15日)のバンド仲間であるんだよな。マーティンは帰国後、リーヴスのツアーに入る。ルバンボも同様だが、彼の場合は入る日と入らない日がある。なお、マーティンのHPではこのデュオを<ニューオーリンズ・ミーツ・リオデジャネイロ>と紹介していて、二人によるライヴ曲を2つ聞くことが可能だ。

 その謳い文句ほど、ニューオーリンズ要素とリオ要素を拮抗させる内容ではなかったが、達人同士の心置きない会話が交わされる。ニューオーリンズ・ビート調やタンゴ調などの彼らそれぞれのオリジナル、スタンダードやハービー・マンのブルース・コード曲カヴァーまで素材はいろいろ。ルバンボは1曲以外ガット・ギターを弾き、その際はアルペジオ。エレクトリック・ギター演奏の場合はピック弾きだが、ぼくは彼の後者扱いが好みのなのを再認識。30歳の1985年にNYにやってきてそのまま活動を続けているルバンボだが、実はブルージィな弾き方がイケることも再確認。ジャズの根にあるものとしてブルースをちゃんと研鑽しているのは明らかですね。
 
▶過去の、ピーター・マーティン
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/201003261236189984/
http://43142.diarynote.jp/201111210320292366/
http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
http://43142.diarynote.jp/201602191120219620/
http://43142.diarynote.jp/201705301638029304/
http://43142.diarynote.jp/201710051255419305/
▶︎過去の、ロメロ・ルバンボ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200611271210490000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/201003261236189984/
▶︎過去の、ダイアン・リーヴス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/201003261236189984/
http://43142.diarynote.jp/201111210320292366/
https://43142.diarynote.jp/201705301638029304/

 次は六本木・ビルボードライブ東京で、ホセ・ジェイムズ(2008年9月18日、2010年11月11日、2011年1月12日、2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年7月27日、2015年2月15日、2016年2月16日、2017年2月15日、2018年2月21日)を見る。彼の新作『リーン・オン・ミー』(ブルーノート、2018年)をフォロウする、ビル・ウィザース曲縛りのショウ。なお、本編が始まる前に、ターリという在NY の女性が電気キーボードで2曲弾き語り。彼女は来年、アルバムを出すという。ぼくは1曲目の終わりから聞いたが、英語じゃない2曲目を聞いて中東出身の人なのかと感じた。

 ジェイムズはよりアフロ・ヘアがこんもり。生理的に華やか。途中で、彼はスーツをお召し替えもした。バンド員はピアノと電気ピアノの大林 武司(2014年5月25日、2015年9月5日、2016年2月16日、2016年9月4日、2016年12月16日、2018年2月21日)、エレクトリック・ギターのブラッド・アレン・ウィリアムズ(2014年7月27日)、電気ベースのベン・ウィリアムズ(2009年5月18日、2009年9月3日、2010年5月30日、2012年3月3日、2012年5月28日、2013年4月1日、2013年5月21日、2015年1月22日、2015年12月12日、2016年7月3日、2016年9月1日、2016年12月11日、2017年12月7日、2018年2月21日、2018年5月28日)、ドラムのネイト・スミス(2012年5月28日、2015年8月5日、2016年2月16日、2018年2月21日)。

 ジェイムズは登場時から、くつろいだ風情のもと、意気揚々。そして、いい楽曲を、揚々とした歌声で聞かせる(声が出るようになったネ。曲趣が合っているというのもあるだろう)のだから、接する側もキブン良くてしょうがない。結構ライヴで披露している、肉声スクラッチも映える映える。彼はステージをおりて上の階を回って歌ったりもした。彼は今回このようなことをやる一方、ずっと前からジョン・コルトレーンをトリビュートする実演やビリー・ホリデイ絡み曲を歌う純ジャズ・アルバムを出したりしてきているわけで、往年のジャズ巨匠と都会派R&B大家を並列に置く活動をする彼のスタンスにも頷かざるを得ない。

 そんな彼の良さを実感できたのは、バンドの演奏がとても素晴らしかったからでもある。とくにリズム・セクションには聞き惚れる。今回、ベン・ウィリアムズはエレクトリック・ベースに専念したが、その演奏すげえ。縦でもやたら評判のいい彼だが、サム・ピッキングを多用する電気の方のノリやフィレイジングや音色は素晴らしい。そして、レギュラー・グリップとマッチド・グリップを併用するネイトの出音にもため息。もう、タイトなだけでなく、ジャズを知っているからこその広がりもあるし。途中で、彼は5分ほどのソロ・パートを与えられたが、その多くはスネア(二つ並べていたかな)とハイハットとキック・ドラムだけを用い定型のビートをヴァリエイションをつけながら叩くというもの。文字だけだと、その凄さはいまいち伝わらないかもしれないが、今年見たトップ級のリズム・セクション音だと思った。かような彼らと重なる大林武司もなんか誇らしいな。

 ジェイムズ、絶好調! 次に、彼はどんなプロジェクトにあたるのか? わくわく。

▶過去の、ホセ・ジェイムズ
http://43142.diarynote.jp/200809191051472579/
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/
http://43142.diarynote.jp/201101131336421886/
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201408051020111821/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201602181207326029/
http://43142.diarynote.jp/201702201427067352/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
▶過去の大林武司
http://43142.diarynote.jp/?day=20140525
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160216
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
http://43142.diarynote.jp/201702201427067352/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
▶︎過去の、ブラッド・アレン・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/201408051020111821/
▶過去の、ベン・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100530
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201205301445023004/
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
http://43142.diarynote.jp/?month=201609
http://43142.diarynote.jp/201612171245154424/
http://43142.diarynote.jp/201712081715389473/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
https://43142.diarynote.jp/201805290906425481/
▶過去の、ネイト・スミス
http://43142.diarynote.jp/201205301445023004/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150805
http://43142.diarynote.jp/201602181207326029/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/

<今日の、お願い?>
 これまでライヴにおいては基本ダブル・ベースの演奏に触れて来たわけで、今回のベン・ウィリアムズの雄弁な5弦のエレクトリック・ベース演奏にはびっくり。左手も右手も、その動きは素敵すぎる。彼はコンコードから2枚リーダー作を出していて(電気と縦の両方を弾く)、それは無理して聞く必要性を感じないが、才能あるなあ。何気に、彼はルックスもいい。そんなベンちゃんは来月、デイヴィッド・サンボーン(2000年3月21日、2003年7月18日、2010年12月1日、2012年3月3日、2013年9月3日、2014年11月6日、2015年10月19日、2017年12月5日、2017年12月7日)のサポートでまた来日するが、これはまた見に行かなくちゃと思った。今日と同じように、電気を弾かないかなー。彼の演奏に触れ、エレクトリック・ベースを手元に置きたくなった。かつてはフレテッドとフレットレスの2本が家にあったというのに、今はない……。遊びのやつ、買いたいなあ。もう年末だし、サンタさんにお願いしようか。小さなベース・アンプもよろしく、と。
▶過去の、デイヴィッド・サンボーン
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130903
http://43142.diarynote.jp/201411101737513509/
http://43142.diarynote.jp/201712061006171627/
https://43142.diarynote.jp/201712081715389473/