ブルース/ブルース・ギター愛を糧に、ハネたキャラクターとともに、いろいろと広がりを持つヒューマンなオーガニック表現を聞かせる女性シンガー/ギタリスト(2007年7月23日)。なんて、淡々と書いているけど、相当に笑いつつ、感激したなあ。音楽としてかけがえのない何かにぼくはアワワとなった。よって、週明けに出すCB誌の年間ベスト・ソングに彼女の曲を入れることに決める。

 渋谷・クラブクアトロ。この晩だけ、品揃えが貧しいバーは日本酒と焼酎も販売(が、途中で売り切れ。しくしく)。2部構成にて、ゲストをまじえ百花繚乱。彼女、一部のアタマでギターのネックを折ってしまい当初はヘコんでいたようだが、それもブルーズ……。ブルース・ハープのコテツが入ったときは比較的ストレートにブルースをやり、ハナレグミとは姉妹(?)のように仲がいいんだな。ホーンは四管でうち梅津和時(2001年9月21日、他)と片山広明(2007年6月13日、他)を含む。って、それは忌野清志郎(2005年7月29日、他)のサポートの顔ぶれと重なるか。そのせいもあるかもしれないが、長見が米国黒人音楽への耽溺をもとに独自の見事に味わい深いキャラクター・ミュージックをばっさり作り上げる様はまさしく忌野の“美しい回路”と重ねていいものではないか。で、マダムはもっと大きな支持を得てもいいじゃんと思わずにはいられず。フジ・ロックにもちゃんとした扱いで出なきゃ嘘だア。また、さらには、この晩の編成なら夏の欧州サマー・フェス・サーキットに出ても大受けするはずとも、ぼくは思わずにはいられなかった。