ソング・ライターやプロデューサーとしても注目を受ける(アルバムにはいろんな人たちが参加していてミュージシャンズ・ミュージシャン的なところもあるかな)、在NYのUKブラックであるデヴォンテ・ハインズのソロ・ユニットを、恵比寿・ガーデンホールで見る。ギター/キーボード、ベース、ドラマー、女性コーラスがサポート。ベーシスト以外は白人。その様を見て、彼が英国時代の10年前に組んでいたテスト・アイシクルズのことを思い出す。あれはデヴォンテと白人二人のユニットだった。あの頃、彼はメガネ男子でした。

 ハインズはギターやをキーボードを弾き、歌う。シンガーに専念する場合もあり、特にその際は踊ったり、ポーズを決めたりもする。それを見て、マイケル・ジャクソンが大好きなんだだというのがすぐにわかる。また、後半はプリンスぽさも明確にぼくは覚えたか。ギターやキーボードの間を行き来する様も、どこかプリンスっぽいよな。

 プリセット音も用いるが、割と生バンド音を生かす方向に出ていたのは、もともと本人がプレイヤー志向であったことを示すものか。よりプログラム音に頼った方が彼が持つ幅の広さやもやもやした味わいは強く出ただろう。だが、彼はそれよりも、自らの素の姿を出す方向に出た。基本的にはブラック・ポップ的な行き方を取り、フォーキーだったりヒップホップだったりジャジーだったりする側面はあまり出ていなかった。

 曲趣も、見せ方も多彩。ブラッド・オレンジは、今のダンス・ポップに則ったワクワクをしっかりと表出していた。

 英国と米国、インディとメジャー、R&Bとポップス、様々な枠をしなやかに超えた先で、オイラはこれからも思うまま遊ぶ。そんなデヴォンテ・ハインズの意思を、しっかりと受けました。

 そして、六本木・ビルボードライブ東京に向かい、R&B歌手のリー・フィールズのライヴを見る。ステージに出てきたいかにもソウル・マンぽいステージ衣装を身につけた彼は1951年生まれという年齢よりは若く見えるか。ベース、オルガン、ギター、ドラム、テナー・サックス、トランペットという編成のサポート陣は皆白人。ドラマーなんてハイハット、シンバル、スネア、タム二つ、キック・ドラムというとってもシンプルなセットを用いいていて、それだけでレトロ臭を出している。

 実演の方もこなれたR&B調のサウンドのもと、フィールズが“変わらなくていい”ソウルの喉と態度を繰り出す。ジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)の小型版なんて聞き味も持つフィールズだが、ああ俺はR&Bを聞いているとも思わせられる。

 良かった。が、アルバムでのフィールズの方がいい、とぼくが思えたのはなぜだろう。最たる理由は、ライヴが旧流儀一直線だったのに対し、アルバムの方はブラッド・オレンジでもエイドリアン・ヤング(2016年3月21日)でもいいのだが、そういう方にも通じる甘酸っぱくも新しいスタンス〜若い感覚がしっとりと入っていたことにあるのではないか。

▶過去の、JB
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック初日
▶︎過去の、ジェイムス・ブラウンの映画 
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/
http://43142.diarynote.jp/201606281735457440/
▶︎過去の、エイドリアン・ヤング
http://43142.diarynote.jp/201603230835051084/

<今日の、驚き>
 さすがに早朝の大きめの地震は、熟睡していても認知した。と言いつつ、あ〜とっても揺れているなあと感じつつ、眠てえ、このまま寝ちゃおうと寝てしまったワタシであるが。そして、7時ちょいに自然起床。10時からインタヴューがあるため、一応8時に目覚ましをセットしたが、ちゃんとその前に起きた。化粧をする必要がない男は楽よのうと家を出て最寄り駅に降りると、この時間の到着車両がゲキ混みで驚く。ああ、これは乗車は無理とその列車をやり過ごし、まだ空いていそうな一番ホーム奥に行ったら、次に来た車両内に乗っているのが女性だらけで、これは女性専用車かと気づく。。。えーん、乗れない。地震の影響で少しダイヤが乱れているようなので、予定していた時間より20分ほど早く家を出たので、焦ることはなかったものの。。。企業努力もあり少しはラッシュが緩和されてきているのではないかと思っていたのだが、全然そんなことはないのね〜。やっぱり、日々使っているとダメ企業としか思えない東急電鉄を過大評価してはいけませんね。ぼくが乗車を諦めた後にドア口に突進している人もいたので、慣れの部分もあるのだろうが、そんなこと慣れたくねえ。