レゲエ が世界的な存在になる過程で決定的な役割を果たした、格好のいい喉自慢ジャマイカ人(2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日、2014年5月21日)の来日のショウは1年弱ぶりのもの。新味はないが、充実した内容であったし、とってもいい気分で見ることができた。演目は代表曲はほぼ網羅、やらなかったのは「メニー・リヴァー・トゥ・クロス」ぐらい。でも、この曲を歌った日もあったよう。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。

 調べたら、70歳か、それ以下(1945年生まれと1948年生まれの記載がある)。そっか、彼は10代半ばでキングストンに出て、スカ歌手としてデビューしていたりもするんだよな。そのころの、愛らしい「ミス・ジャマイカ」も、彼は披露。といった感じで、銀色のコスチュームに孫悟空みたいなやはり銀色の飾りを頭につけたクリフはそんな歩みをあっさりと括りつつ、充実した今をちゃんと開示。動きは前回よりも激しかったのは間違いない。ギターを持つ〜左利き〜のは2曲。前回よりも少なかったことは、アクションをしていた証左になるか。

 バンドは、ギター、ベース、キーボード2、ドラム、トランペット(コーラスもかねる)、アルト・サックス、ワイルド な女性コーラスという面々。もう、きっちりばっちり。ライヴを相当重ねているとも思わせられた。

▶過去の、ジミー・クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201405230833199357/

 その後は、パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日)のグループでずっとドラムを叩いているアントニオ・サンチェス(2011年7月20日、2013年5月21日)のワーキング・バンドでの実演を丸の内・コットンクラブで見る。

 映画「パベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの新作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の音楽を担当(多くは、技と示唆に富んだドラム・ソロのパフォーマンス。サントラはそこに、クラシックの旧曲が加えられる。彼は現在さらに、ドラム・ソロのアルバムを作りたいとも考えている)していることで一部で話題を呼んでもいる? なんでも同じメキシコ人であるサンチェスによれば、イニャリトゥはまず本国では音楽DJとして知られる、とのこと。

 ニーボディのメンバーであるテナー・サックスのベン・ウェンデル(2013年8月22日)、すでに数作リーダー・アルバムを出していてそちらの評判がとっても高い英国人ピアニストのジョン・エスクリート、先日のコンサロ・ルバルカバ(2005年3月16日、2007年11月21日、2010年8月22日、2014年1月10日、2014年1月12日、2015年4月7日)のグループ・メンバーでもあったベースのマット・ブリュワー(2007年11月21日、2015年4月7日)という、敏腕な白人奏者が集う。ウェンデルはシー
マス・ブレイクのトラ、とか。

 2007年以降、イタリアのカム・ジャズ・レーベルから数作、作曲家としての才もアピールするリーダー作を出しているサンチェスだけに、曲は凝っていて、他の3人は譜面を前にする。4人は自在に噛み合い、ふくらませもするわけで(ときに、けっこうアヴァンな手触りをたすときも)、1曲15〜20分ぐらいの尺を持っていたか。MCを聞くとサンチェスは相当に綿密な御仁であるのが分りもするが、粛々とスケール観を持つ表現を精緻に歌うドラミングを介してコントールしていく様は、なるほどすごい。一見の価値もある。リーダー作ではかなり研ぎすまされた演奏も見せるエスクリートはこの晩の場合は、1曲弾いたエレクトリック・ピアノ演奏が良く、印象に残った。

▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
▶過去の、アントニオ・サンチェス
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
▶過去の、ニーボディ/ベン・ウェンデル
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
▶過去の、マット・ブリューワー
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
▶過去の、ゴンサロ・ルバルカバ
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201401161534392423/
http://43142.diarynote.jp/201401171004104264/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/

<今日の、なるほど>
 朝起きて、昨日飲んでいたときに話にあがったアーティストの存在を知人に伝えるために、動画を検索。そのURLをメールで送る。その流れで、ずっとそこからぽんぽんといろんな曲を流れで聞いちゃう。ああ、これが俗に言う、“YouTube祭り”というやつなのか。この日のぼくの場合、音だけを聞いて、画面はWordを開いていたのだけど。なんにせよ、すこし新鮮だった。