DOOODLIN’

2015年4月8日 音楽
 ZEPPブルーシアター六本木にて。ここ、かつてブルーマン・グループ(2008年4月17日)のショウを見たハコか。ZEPPの名が新たに冠されているので、現在はソニーが所有していると思われる。

 大阪に拠点を置くレッキンクルーオーケストラというストリート・ダンスのユニットを核に置く、山あり谷ありの1時間半強の出し物。ぼくは寡聞にしてこの集団のことを知らなかったが、世界規模で活動し、技術/装置を巧みに用いた“光のダンス”を披露するグループとして、評価が高いよう。プラスのダンサーも含めて、多いときで25人前後のダンサーがステージに登場した。
 
 まずは、映像/照明関連のすごさに、素直に驚く。プロジェクション・マッピングという技術を使っているらしいが、なるほどそれは圧巻。もういろいろありすぎて、ここでそれを説明するのを放棄するが、うわあと楽しんだ。音楽系公演での“見せ方のヒント”が山ほど、いやきっとそれを用いているアーティストもいるのだろう。

 出だしの客席側での寸劇っぽい出だしでかかっていたのは、確かディアンジェロの昨年作『ブラック・メサイア』(RCA)に入っていた曲。ヒップホップのビート基調のものからジャジーなものまで、主の音楽は日本人クリエイターが作っているよう。

 デジタル要素とアナログ要素、マジな部分とくだけた部分をはじめ、いろんな面を自在に行き来。客いじりもうまい。ヴィジョン投影による“いたずらっ子”のイラストの扱いも魅力的。ストリート・ダンスの集団ということで、すべてヒップホップ系ダンスが軸になるのかと思っていたら、硬軟をいろいろと盛り込んだ、総合的なエンターテインメントとなっていて頷いた。

▶過去の、ブルーマン・グループ
http://43142.diarynote.jp/200804190104190000/

<今日の、回顧>
 レッキンクルーオーケストラ(WRECKING CREW ORCHESTRA)という名前に触れて、少しむずむず。だって、ザ・ビーチ・ボーイスやパパス&ママスやフィル・スペクターものやA&M物件など数多の録音セッション、さらにはハリウッド産の映画/TVの音楽までをいろいろ演奏した1960年代ロサンゼルスのあるサークルにいたスタジオ・ミュージシャンたちの総称が、ザ・レッキング・クルー(The Wrecking Crew)と呼ばれていたから。ギターのトミー・テデスコやアル・ケイシーやゲイリー・バートン、ベースのキャロル・ケイやマックス・ベネット、ドラムのハル・ブレインやアール・パーマー、鍵盤のラリー・ネクテルやマイク・メルヴォアン(元プリンス・ファミリーのウェンディ・メルヴォアンのお父さん)、サックスのプラス・ジョンソンら。ソロ・デビュー前のドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)やリオン・ラッセル(2005年11月24日)らも、一時そこに属していた。そして、1960年デトロイト期モータウン・サウンドを支えたザ・ファンク・ブラザース(2006年4月11日)を扱った2002年映画『永遠のモータウン(ザ・スタンディング・イン・ザ・シャドウ・オブ・モータウン)』(2003年12月2日)の成功を追うように、彼らの功績を追った映画『The Wrecking Crew』が2008年に作られもした。そのトレイラー映像はネットをひけばすぐに見ることができるが、残念ながら日本公開はなかったナ。同映画はザ・レッキング・クルーに世話になったハーブ・アルパート他がお金を出し、トミー・テデスコの息子のデニー・テデスコが監督していた。
▶過去の、ザ・ファンク・ブラザーズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060411
▶過去の、『永遠のモータウン』
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
▶過去の、ドクター・ジョン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030016390000/
http://43142.diarynote.jp/201202161725143619/
http://43142.diarynote.jp/201310050709459564/
▶過去の、リオン・ラッセル
http://43142.diarynote.jp/200511281322500000/