フルート奏者のMiyaが仕切る、大掛かりな催し。“指揮者がいる”フリー・ジャズ・オーケストラといった趣の出し物が持たれ、なるほどと膝を叩きまくり、笑顔とともに、拝聴する。新宿・ピットイン。

 Miya、UKフリー・ジャズの重鎮(現在はドラマー)のテリー・デイ、ヴァイオリンの小塚泰と横川理彦、サックス類の山田光、森順治、吉田隆一(2004年8月20日、2004年10月10日、2006年7月3 日、2012年12月11日)、トランペットの金子雄生、ピアノの荻野都と照内央晴、ギターの吉本裕美子、ウッド・ベースの岡本希輔とカイドーユタカと谷口圭祐、ドラムの荒井康太と白石美徳と山岸直人、パーカッションの松本ちはや、ヴォイスの蜂谷真紀(2008年8月24日、2009年1月8日、2010年9月11日)という人たちが演奏。そして、さらにはダンサーの木野彩子、佐渡島明浩、Margaticaも適時くわわる。

 ファースト・ショウは、その選抜隊(7人以上10人以下、という感じ?)による、20分見当の顔ぶれ違いの3つのパフォーマンスがなされる。指揮は山田光、蜂谷真紀、Miya(彼女指揮のときは、彼女がお世話になったという谷川賢作が急に加わる)による。おお、指揮者の存在はフリー流儀で行くにしてもやはり効いているし、そこには心地よい交通整理〜統制がある。リハはやっていないものの、過去何度か彼女たちは同様の公演を持っており、参加者の多くは重なっているようで、なら余分なわちゃくちゃが削がれ、確かなストーリー性ある魅惑的な凸凹を獲得しているのも納得できる。

 二部は全員によるもので、通して1時間ちょいぐらいだったか。4つに分けられ、横川理彦、テリー・デイ、Miya、照内央晴がコンダクト。それぞれに違い、様々な色や形を描き、沸き上がり、流れる。こちらのほうは、器楽奏者のヴォイスを使う場面も耳についたか。また、これだけリズム系楽器の奏者の数が多いと、ある種の太さや具体性が出てもくる。そして、アンコールは決まっていなかったようだが、吉田隆一が前に立つ。ニャアニャア、ワンワンという擬音も駆使した、やんちゃな小品。吉田は他の曲でも音が目立つ(バリトン・サックス)こともあり、いろいろ大活躍。MIyaが指揮するブロックでは彼女の恩師である山下洋輔(1999年11月10日、2004年7月27日、2006年3月27日、2009年7、2013年7月27日)が加わり、場が華やいだ。

 演奏者たちの前には、当然のことながら譜面はなし。譜面台のないビッグ・バンドのなんと風通しの良いことか!

▶過去の、吉田
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703
http://43142.diarynote.jp/?day=20121211
▶過去の、蜂谷
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911
▶過去の、山下
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040727
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/

<今日の、音>
 梅雨があけた、とのこと。でも。夜はまだ涼しいし、今年は冷夏であるかもと、淡い期待をいだかせる。というわけで、今夏はまだ蝉の音を聞かないなと思っていたが、日中、細々と蝉が鳴いているのを確認。日本の蝉はうるさいと言っている外国人の知人がいるけど、大量異常発生したりしたら、ほんとヤだろうな……。関係ないけど、現在Jリーグでピカ一のブラジル人選手であるアルビレックスのレオ・シルヴァはやっぱしパンデイロ好きなようだ。それは、W杯でJリーグ中断中にアルビレックスがファレル・ウィリアムスの「ハッピー」を用いた選手出演の映像で知った。しかし、どのぐらい世界中で「ハッピー」に合わせた映像が作られているのか? 今年の1曲はと聞かれたら、ぼくは「ハッピー」を挙げると思う。それにしても、そこに特別枠でフィーチャーされていたエース・ストライカーの川又堅碁はJ再開第一戦でベンチ外。ええっ。