会場に向かう際に通ったセンター街は、かなりの人出。東北のぶんまで、被害にあってない者はちゃんと経済活動をしなきゃいけない。渋谷・gee-ge。初めて行くが、こんなハコがあったのか。そこそこ広さもあり、音の響きもいい感じ。で、入りは上々、それはホっとさせるものであったな。

 ショウの一部は、比屋定篤子(2007年11月27日)と 笹子重治(2002年3月24日、2007年11月2日、2007年11月27日、他)とのデュオ。2部は比屋定とピアニストの鬼武みゆきのデュオですすみ、途中から笹子も加わり、終盤は3人でパフォーマンスした。

 優しい思いやりのある音楽が、アット・ホームななかで流れた夕べ。浸れた。ボサっぽい爪弾きギターの日本人大家と、グラストン・ガリッツァ(2009年10月12日、2010年7月22日)と昨年一緒にツアーをやり一緒にアルバムを作る予定もあるという鬼竹みゆきの、おいしい間やメロディ感を持つ演奏を受けて、比屋定が生理的に天真爛漫に振る舞う。確かな音程のもと、言葉の乗せかたが綺麗だなと感じた。大貫妙子の曲なども歌ったが、披露した曲の多くはオリジナル。もちろん、日本語。で、それらが一般性の高い所謂“シティ・ポップ”的手触りをどれも持っていて、ほう。が、それらは通り一遍のポップスにはらない、広がりやアダルトさをほんのり持っているわけで、そうさせるのは南米の音楽に対する心得なのだと思う。あ、それと、比屋定の沖縄育ちという属性も同様か。

<今日の、心持ち>
 本能を信じて、いい人で行こうと思う。自分のできることを、ちゃんとやろう。