ジャズとエンターテインメントが同義であるような、寛いだなかに、お茶目さと滋味がにじみ出るような表現をきっちり提示。あまりこのおじいさんに親しんで来ているわけではない。ながら、一度ぐらいは触れてもよかんべえという軽い気持ちで見に行ったら、望外にいい感じだった。それは、熟練ソウル系実演に触れたときの所感とも重なるか。やっぱり、彼もいっぱい日々の営業をこなしているんだろうな。大人向けの米国エンターテインメント業界はやはり、本当にぬかりない。
フレディ・コールは故ナット・キング・コールの一回り違いの弟、ようはナタリー・コール(2008年6月28日、他)のおじさんでもある、シンガー/ピアニスト。ギタリストとウッド・ベース奏者とドラマーがサポート、彼の最新作はライヴ盤だが、そこでのパーソネルと同じ顔ぶれによる。ドラマーがアフリカ系で、ギタリストはけっこう若め。ものすごーく、チーム・ワーク良好。
偉大な兄と同じ持ち楽器だが、兄の威光を寄りかかろうともせずに(前には、兄のレパートリーで固めるようなこともやった、とは聞くが。それに、ギター付きの編成というのも、兄が得意としたものだよな)、悠々とスタンダード曲を取り上げつつ、おいらの洒脱でくつろいだ節回しや指さばきを開いていく。もう、ちょいとした間の取り方や、客への働きかけもとっても巧み。場所場所でピアノを弾くのをやめて歌ってみたりもするので、そうしたとき、堅実に刻みを入れるギタリストは役割が高まる。終盤の2曲はピアノから立ち、中央に出て、彼は歌った。本編が終わると嬉しそうにお客さんに微笑みかけ、頃合いを見て人差し指を一本立てもう1曲ききたいと問うて、ステージを降りることなく効率的にアンコールに行く様もとてもお上手。何からなにまでそういう感じで、場を掌握したスウィンギンな娯楽ショーとしてはほぼ非の打ち所がないんじゃないか。80歳目前の彼だが、猫背ぎみな所いがいは矍鑠、元気そう。年季って大事、そいういう芸能を自然体でやっている素敵がそこにはあった。
終わったあと、2冊目となる自著本のプローモーションのためすでに20年以上住むNYから帰国している音楽カメラマンの常磐武彦と飲む。その本は、「ニューヨーク アウトドアコンサートの楽しみ」(うわ、長いタイトル。俺が編集者だったら却下だと思うが、なるほど内容は著すか)という、長年現地に身をおいてこその写真と情報と蘊蓄をいろんな角度のもと散りばめたもので、おおオール・カラーじゃないか。140頁強で1.300円、情報出版センター出版部刊。で、本に挟まっていた同社出版案内のチラシを何気に見たら、知り合いのカメラマンのMIKA POSAも「パリの子供の一週間」という写真本を、同じ<私のとっておき>というシリーズで出しているじゃん。常磐くんも彼女のことを知っているというので、さっそく電話。よくパリに行っているみたいだけど、今回は空路閉鎖の前に帰国していたホっとしているよう。ともあれ、常磐本もPOSA本も、興味ひかれた方はよろしくされたい。
フレディ・コールは故ナット・キング・コールの一回り違いの弟、ようはナタリー・コール(2008年6月28日、他)のおじさんでもある、シンガー/ピアニスト。ギタリストとウッド・ベース奏者とドラマーがサポート、彼の最新作はライヴ盤だが、そこでのパーソネルと同じ顔ぶれによる。ドラマーがアフリカ系で、ギタリストはけっこう若め。ものすごーく、チーム・ワーク良好。
偉大な兄と同じ持ち楽器だが、兄の威光を寄りかかろうともせずに(前には、兄のレパートリーで固めるようなこともやった、とは聞くが。それに、ギター付きの編成というのも、兄が得意としたものだよな)、悠々とスタンダード曲を取り上げつつ、おいらの洒脱でくつろいだ節回しや指さばきを開いていく。もう、ちょいとした間の取り方や、客への働きかけもとっても巧み。場所場所でピアノを弾くのをやめて歌ってみたりもするので、そうしたとき、堅実に刻みを入れるギタリストは役割が高まる。終盤の2曲はピアノから立ち、中央に出て、彼は歌った。本編が終わると嬉しそうにお客さんに微笑みかけ、頃合いを見て人差し指を一本立てもう1曲ききたいと問うて、ステージを降りることなく効率的にアンコールに行く様もとてもお上手。何からなにまでそういう感じで、場を掌握したスウィンギンな娯楽ショーとしてはほぼ非の打ち所がないんじゃないか。80歳目前の彼だが、猫背ぎみな所いがいは矍鑠、元気そう。年季って大事、そいういう芸能を自然体でやっている素敵がそこにはあった。
終わったあと、2冊目となる自著本のプローモーションのためすでに20年以上住むNYから帰国している音楽カメラマンの常磐武彦と飲む。その本は、「ニューヨーク アウトドアコンサートの楽しみ」(うわ、長いタイトル。俺が編集者だったら却下だと思うが、なるほど内容は著すか)という、長年現地に身をおいてこその写真と情報と蘊蓄をいろんな角度のもと散りばめたもので、おおオール・カラーじゃないか。140頁強で1.300円、情報出版センター出版部刊。で、本に挟まっていた同社出版案内のチラシを何気に見たら、知り合いのカメラマンのMIKA POSAも「パリの子供の一週間」という写真本を、同じ<私のとっておき>というシリーズで出しているじゃん。常磐くんも彼女のことを知っているというので、さっそく電話。よくパリに行っているみたいだけど、今回は空路閉鎖の前に帰国していたホっとしているよう。ともあれ、常磐本もPOSA本も、興味ひかれた方はよろしくされたい。