なんかキラキラしていて、弾けていて、グっと来させるところもあって。全曲単独自作曲を歌ったデビュー作『素顔のローラ』(アトランティック)を聞いたときには、こりゃ鮮やかなR&Bニューカマーだと浮かれた(今年の、ぼくの女性アクトNo.1になるのではないか)が、その手応えは少し素人っぽい部分も残すライヴも同様だな。87年アイルランド生まれ/育ちのアフリカ系シンガーで、サポートはキーボード、ベース、ドラム、トランペット、女性ヴォーカルという布陣。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。

 それなりに身長もありそう(に、見えた)な彼女は見た目だけで天真爛漫というか、とても性格が良さそう。でもって、接した人に“立った”何かを両手を広げるような感覚で与えるような所を持つ。音楽以前に、それだけで応援したくなっちゃうよ〜。で、ちゃんといい曲をかけて、それなりに伸び伸びと歌えるんだから、いいタマではないか。基本はピアノを弾きながら歌うわけで、局面によってはアイルランドの素朴なアリシア・キーズという感想を引き出すか。とともに、90年代に多大なセールスを残したUKソウルのシンガー・ソングライターのデズリーのような非米国的洗練ポップネスを漂わせるところもある。とにかく、確かな才を持つ新星が伸び伸びと自分のソウル・ミュージックを歌っていると感じさせるのが大マル。そのデビュー作は米国でもそこそこの成績を収めたわけだが、今後どんどん羽ばたいていってほしいっ。