タニア・マリア

2009年8月18日 音楽
 お、小柄で乱暴なパーマをかけたような髪型や気安い風体は、ヤンキー上がりの大阪のおばちゃんみたい(良く知らないが、イメージとして)。だけど、その芸風はやはり東京というよりは大阪だろう。ブルーノート東京(セカンド・ショウ)、電気ベーシストとドラマー(とっても、ハイハット音が正確に立っていた)を従えてのパフォーマンス。

 ブラジル出身の跳ねっ返りジャズ・ピアニスト/シンガー(1948年生まれ)であり、早くから外に出て欧州で活動基盤を作り、コンコードやEMI他から作品を出している、クラブ・ミュージック筋にもそれなりに受けがいい人物。20代中期から基本、フランスを拠点としているのかな。ほとんどの曲でヴォーカルやスキャット(自在なそれはブラジル的機知とクロスする)をかましつつ、奔放な指さばきを聞かせる。ボサ曲もやればスタンダードもやり、自作曲(83年曲「カム・ウィズ・ミー」はチャートには入っていないが、確かに耳馴染みあるキラー的な曲)もあり。諸手を広げたおきゃんさは一部ではフュージョン的な行き方とも重なったり。なんにせよ、確かな個性がありました。

 80年代から10回を超えるほど来日公演を行っている人だが、ぼくは見るのは今回が初めて。もともと憎からず感じている人だし、よくこれまで見る機会を持たなかったものだと、逆に感心(?)。