映画「路上のソリスト」
2009年3月13日 音楽 春が近づくこの時期、重めのコートやマフラーのもと出かけるのは少し無粋な感じも覚えてしまうが、まだ寒い。試写を見るためにお昼に出かけたら、ブルブル。半蔵門・東宝東和試写室。72年ロンドン生まれのジョー・ライトが監督した米ユニヴァーサル/ドリームワークス映画で、ジュリーアード音楽院でチェロを学んだこともあった中年にさしかかろうというアフリカン・アメリカンのホームレスを題材にした映画。原作はLAタイムズ紙の記者/コラムニスト、スティーヴ・ロペス。彼が職場近くのLAのダウンタウンで偶然であったホームレスとのチェロを媒介とするやりとりを題材とする新聞連載をまとめた単行本が原作になっている。だから、当人役も映画には出てきて、主役の2分の1となる。
ところで、ここのところのぼくは、けっこうチェロ・モードにある。なんか、近年チェロ音を効果的に用いる現代ロック表現が少なくないような気がして(実は、CDジャーナルの3月下旬売り号で、“チェロと現代ロック”という内容の文章を書いた)。今コレを書きながら聞いている、才人ケイシー・ダイネルのユニットであるホワイト・ヒンターランドの08年作もうまくチェロを使っているよなー。来日公演でもここのところ、ブレット・アンダーソン(2008年12月9日)、クレア&ザ・リーズンズ(2009年2月13日)、レイチェル・ヤマガタ(2009年2月16日)はチェリストを同行させていますね。
てな感じで、なんかチェロには注目していたので、より興味深く見ることができた映画。チェリスト役は無菌ぽいR&Bアルバムを複数出しているジェイミー・フォックス。彼が出た映画だと「レイ」(2004年11月15日)と「ドリームガールズ」(2007年1月18日)を見ているが、それらとはまったく違う人間を彼は見事に演じる。エンドロールのクレジットには彼をケアする人の名前が山ほど出てきて、うあー大物なんだァと思わせられる。人の都合や事情はそれぞれ……てな所感を、見た後に残す映画かな。
映画化にあたって、本人や彼の姉や当の記者はそれなりに絡んでいるよう。やはり使われる音楽はクラシックが主となる(映画に出て来るLA交響楽団は本物なのかな?)が、記者の属性/心持ちを示唆しようとして、カントリー・ロッカーであるジェリー・ジェフ・ウォーカーの「ミスター・ボー・ジャングル」が効果的に用いられる。ウォーカーの事は別に贔屓にしていないが、大学時代に彼の「ロック・ミー、ロール・ミー」のアーシィなアレンジをオリジナルのR&R曲をやるとき借りた事があったのを思い出して、甘酸っぱくなった。映画でその記者さんは確かサーブのハッチバックに乗っていたはずだが、彼は後方確認用のルーム・ミラーにネックレスをかけていた。実は2年前にニューオーリンズに行ったとき(2007年2月2日〜6日)、3色マルディグラ・カラーのネックレスをルーム・ミラーに下げている人を複数みて、ぼくも帰国後それにカブれて同様のことをやっていた事があった。車体色とそれは合っていたんだけど、なんか子供っぽいような気がしてそのうちやめちゃった。でも、またやってみようか。ココロのどこかに、カーニヴァルの気持ちを置いておくためにも……。
ところで、ここのところのぼくは、けっこうチェロ・モードにある。なんか、近年チェロ音を効果的に用いる現代ロック表現が少なくないような気がして(実は、CDジャーナルの3月下旬売り号で、“チェロと現代ロック”という内容の文章を書いた)。今コレを書きながら聞いている、才人ケイシー・ダイネルのユニットであるホワイト・ヒンターランドの08年作もうまくチェロを使っているよなー。来日公演でもここのところ、ブレット・アンダーソン(2008年12月9日)、クレア&ザ・リーズンズ(2009年2月13日)、レイチェル・ヤマガタ(2009年2月16日)はチェリストを同行させていますね。
てな感じで、なんかチェロには注目していたので、より興味深く見ることができた映画。チェリスト役は無菌ぽいR&Bアルバムを複数出しているジェイミー・フォックス。彼が出た映画だと「レイ」(2004年11月15日)と「ドリームガールズ」(2007年1月18日)を見ているが、それらとはまったく違う人間を彼は見事に演じる。エンドロールのクレジットには彼をケアする人の名前が山ほど出てきて、うあー大物なんだァと思わせられる。人の都合や事情はそれぞれ……てな所感を、見た後に残す映画かな。
映画化にあたって、本人や彼の姉や当の記者はそれなりに絡んでいるよう。やはり使われる音楽はクラシックが主となる(映画に出て来るLA交響楽団は本物なのかな?)が、記者の属性/心持ちを示唆しようとして、カントリー・ロッカーであるジェリー・ジェフ・ウォーカーの「ミスター・ボー・ジャングル」が効果的に用いられる。ウォーカーの事は別に贔屓にしていないが、大学時代に彼の「ロック・ミー、ロール・ミー」のアーシィなアレンジをオリジナルのR&R曲をやるとき借りた事があったのを思い出して、甘酸っぱくなった。映画でその記者さんは確かサーブのハッチバックに乗っていたはずだが、彼は後方確認用のルーム・ミラーにネックレスをかけていた。実は2年前にニューオーリンズに行ったとき(2007年2月2日〜6日)、3色マルディグラ・カラーのネックレスをルーム・ミラーに下げている人を複数みて、ぼくも帰国後それにカブれて同様のことをやっていた事があった。車体色とそれは合っていたんだけど、なんか子供っぽいような気がしてそのうちやめちゃった。でも、またやってみようか。ココロのどこかに、カーニヴァルの気持ちを置いておくためにも……。