昼間の会場はお開きの時間に近くなる5時頃になると、いろんなブースがワインをはじめいろんなお酒やつまみを振る舞い始める。ゲリラ的にライヴを始める連中もいる。なんか、なあなあの快楽感覚があちこちでぽわーんと生まれ、漂い、広がっていく。そう、これこれ。和気あいあい、これがなんかいいんだよなあ。只酒をいやしく頂きながら、これもまたWOMEXの楽しさぢゃあ、なぞと思いにんまりしちゃう。

 WOMEXの概要についいては去年の項(2007年10月24日〜26日)を見ていただきたい。基本は同じ。ただし、夜の会場Bと記している場所は、セビーリャきっての観光名所であるスペイン広場だった。そんなところを、音楽イヴェントの会場に使わせてしまう太っ腹さって、凄い。

 あんまし覚えてないのも多いけど、今回見たのはざっと以下のよう。

 1日目。Kalman Balogh Gypsy Cimbalom Band(ハンガリー)、Fatima Spar & The Freedom Fries(トルコ/ブルガリア/ウクライナ/セルビア/オーストリア)、Alex Cuba(キューバ/カナダ)A Filetta(フランス)、Les Amazones de Ginee(ギニア)、Speed Caravan(アルゼンチン/メキシコ/フランス)、Basswekou Kouyate & ngoni ba(マリ)。

 2日目。Olof Amanlds(アイスランド)、Ramiro Musotto & Orchestra Sudaka(アルゼンチン/ブラジル)、Mike Marshall & Darol Anger with Vassen(米国/スウェーデン)、LA-33(コロンビア)、Tumi and the Volume(南アフリカ/モザンビーク)、Camane(ポルトガル)、David WALTERS(フランス)。

 3日目。Bwats in the Heart of Orient(イラン/ギリシャ/フランス)、DJ Grace Kelly(ブラジル/ドイツ)、Salamat Sadikova(キルギスタン)、Beduin Jerry Can Band(エジプト)、Enzo Avitabile & I Bottari(イタリア)、Xose Manuel Budino(スペイン)、Andrela Dias(ブラジル)、Astillero(アルゼンチン)、Bako Dagnon(マリ)、Narf(スペイン)、Mundo Livre S/A(ブラジル)、Orquesta Arab de Balcelona(モロッコ/ギリシャ/スペイン)

 去年よりか出演者は小粒……というもっぱらの風評ではあり、そうかもしれないが、もう満腹。うち、一番衝撃を受けたのは3日目に見た、アルゼンチン・タンゴの若手(なのかな?)グループのアスティジェーロ。もう触れて一発で、ピアソラの精神を引き継いでもいるだろう、時代をキリキリと引っ掻くような現代感覚にノックアウト! コントラバス奏者のほかにチェロ奏者もいる編成で、曲によってはスポークン・ワード担当者も加わる。