北の響き/感触、っていうのは確かにあるんじゃないか。なんて、しっかり思った公演。出演者は、フィンランドの北極圏生まれで現在はノルウェーに居住して進行形のサーミ族の音楽を追求しているというニコ・ヴァルケアパーというシンガー。彼は民族衣装ぽい出で立ちのもと、?な言葉で歌う。外に出る事も多いのだろう、MCは英語でする。声は透明感を持つが、そのゆったりしたメロディの韻と相まってとても存在感を持つ。一曲だけアカペラで歌った曲もあるが、他はペール・ヴィリー・アーセルーというトランぺッターとゲオルグ・ブリオというギタリストがバッキングを付ける。両者ともノルウェー人なのかな。二人ともシンプルな演奏ながら適切に電気効果を用いるわけで、その合体の様がなんとも北の国から送り出される表現だと痛感させられちゃうのだ。ひんやり、でもほのかな光の感覚や人肌気分や蠢いている感じがあって、それかなりいい感じ。オーロラも感じた……、あ嘘デス。ティム・ロビンス似のトランぺッターはECMからリーダー作を出すと聞いても頷いちゃう感じで、彼をもっとフィーチャーした曲も聞きたかった。南青山・月見ル君思フ。