カルメーン出身のエレクトリック・ベーシスト/シンガー(2000年12月6日、2002年1月9日、2002年9月19日、2002年12月14日、2004年12月15日、2006年2月16日)。ブルーノート東京、セカンド。間違いなく、今まで見た中で一番質と味があった公演だったと思う。バンドはギター、トランペット、キーボード、ドラム、打楽器で、ペット奏者がいるのが目新しい。米国人、オランダ人、キューバ人、コロンビア人など、例により多国籍な構成にて。かつてはブラジル的色調を強めた事があったが、今回はラテン濃度がたかかったと言えるか。で、驚いたのは、ジャコ・パストリアス偏愛から来るウェザー・リポートの「リバティ・シティ」のカヴァー以外は全部ヴォーカル曲だったこと(そこでも、彼は軽くスキャットはしていた)。やっぱ、彼の歌は天性の味を持つものであり、歌が入ったほうがフュージョン色も薄れるし、絶対にいい。で、毎度のことながら、ベースは巧みにして、とっても弾力あり。いい状況のバロメーターとなりえるのか、今回は演奏時間も長くて、本編だけで90分ぐらいやったのではないか。アンコールは一人で登場し歌い始め、それを次々にサンプリングし重ねて行き、ボナ流のアフリカと繋がったアカペラ表現(小宇宙とも言いたくなる?)を作りだす。うわあ。