映画「ザ・フー:アメイジング・ストーリー」。S.O.S.バンド
2008年9月29日 音楽 けっこう肌寒い雨の日、午後6時から東銀座・松竹試写室で、映画「ザ・フー:アメイジング・ストーリー」を見る。マーレイ・ラーナーというドキュメンタリー畑の監督による、07年アメリカ映画。メンバーのピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーの二人(他の二人はすでに鬼籍入り)の話はもちろん、肉親やマネイジャーたち多数の関係者、エディ・ヴェイダー、エッジ(2006年12月14日)、スティング(2000年10月16日)、ノエル・ギャラガー(2000年月29日)らが後続の同業者の話を挟みつつ、いかにもなUKらしさを持つロック・バンドの長〜い現在までの歩みを追う2時間の映画。けっこう、ザ・フー結成以前の各メンバーの生い立ち(1940年代〜)やバンド結成までの動きなどもちゃんと語られる。いろんなライヴ・シーンが出てきて、それはやはり肝となるかな。
それにしてもいろいろと散る音楽性(ながら、彼らはあまり黒さを持たない、本当に珍しいビート・バンドだった。ロジャー・ダルトリーの歌が導くものが大きかったのか)、発散の音楽=ロックを体現するステージ・マナー、それぞれの個性やバンドのメンバー力学など、ほんといろんな面で興味深いバンドだったと再確認。ぼくが大好きなシンセ音多用作『フー・アー・ユー』(78年)がなぜそういう指針をとったか説明されてないのは少し不満(理由の一つは故キース・ムーンがドラムをちゃんと叩けなかったためなのかな)だが、近年の復活ライヴが破産寸前の故ジョン・エントウィッスル(2001年11月9日)を助けるためだったとか(彼だけが、音楽教育を受けたというのも初めて知る。ベースをやる前にトランペット系楽器を吹いていたというのは、レッチリのフリーと同じだ)、ほうというネタもいろいろ出される。タウンゼントがあんなにインドにかぶれていたという事実も初めて知ったな。いろんな「マイ・ジェネレーション」のライヴ・シーンをつなげたエンディングもいい感じ。やっぱし、いろんな面ですごく、そして音楽的に優れていたバンドであったと痛感。ロックの清濁併せ持つ襞も存分に描かれている。11月22日から、シアターN渋谷で公開。
蛇足だが、近く出る「レディ・マーマレード」で知られる米国黒人女性3人組ラベルの再結成作はレニー・クラヴィッツやケニー・ギャンブルやワイクリフ・ジョンらが関与しているが、一曲だけザ・フーのレコード会社であるトラック・レコードの70年登録トラックが持ち出されている。そこで伴奏しているのはキース・ムーンやストーンズ付きピアニストとして知られたニッキー・ホプキンスで、その曲のプロデューサー・クレジットは当時のザ・フーのマネージャーだったキット・ランバート。あー、ホプキンスもランバートもすでに亡くなっている。演奏されるのは、コール・ポーターの「ミス・オーティス・リグレッツ」。調べたら、69年にラベルは新展開を求めて、英国に渡っているのだな。で、71年にワーナー・ブラザーズから出された、そのファースト作はランバートがプロデュースしているのだった。
続いて、丸の内・コットンクラブでS,O,S,バンドを見る。セカンド・ショウ。基本は同様だが、ドラマーはまだ20代前半だろう女性に変わっている。おお、叩き音がデカい。バンド音も大きい。前回のパフォーマンス(2006年11月24日)時よりも格好などは田舎臭いと思わせられたかも。が、80年代的ヴァイヴをがちんこな感覚と真心で送り出す様にはやはり高揚。前回の項を見るとプリセット音併用と書いているが、今回はナシだったんじゃないかな。ギタリストと鍵盤ベース奏者の演奏、いい感じでした。
アンコールに入りバンドがでてきて演奏していると、背後からぼくの腕を取る人がいる。あれっと思って振り返ると、それはなんとリード・シンガーのメリー・デイヴィス嬢。手の甲にキスをしてくれました。で、アンコール曲は彼女たち最大のヒット曲、「テイク・ユア・タイム」。途中で、ファンカデリックの「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」を歌い込む。うきっ。それから、会場にジャム&ルイスみたいな決めた格好している黒人がいるなと思ったら、オリジナル・メンバーだとメンバーからMCで紹介される。名前は聞き取れなかった(演奏に加わることもなかった)が、彼はどういう人なのだろう。
それにしてもいろいろと散る音楽性(ながら、彼らはあまり黒さを持たない、本当に珍しいビート・バンドだった。ロジャー・ダルトリーの歌が導くものが大きかったのか)、発散の音楽=ロックを体現するステージ・マナー、それぞれの個性やバンドのメンバー力学など、ほんといろんな面で興味深いバンドだったと再確認。ぼくが大好きなシンセ音多用作『フー・アー・ユー』(78年)がなぜそういう指針をとったか説明されてないのは少し不満(理由の一つは故キース・ムーンがドラムをちゃんと叩けなかったためなのかな)だが、近年の復活ライヴが破産寸前の故ジョン・エントウィッスル(2001年11月9日)を助けるためだったとか(彼だけが、音楽教育を受けたというのも初めて知る。ベースをやる前にトランペット系楽器を吹いていたというのは、レッチリのフリーと同じだ)、ほうというネタもいろいろ出される。タウンゼントがあんなにインドにかぶれていたという事実も初めて知ったな。いろんな「マイ・ジェネレーション」のライヴ・シーンをつなげたエンディングもいい感じ。やっぱし、いろんな面ですごく、そして音楽的に優れていたバンドであったと痛感。ロックの清濁併せ持つ襞も存分に描かれている。11月22日から、シアターN渋谷で公開。
蛇足だが、近く出る「レディ・マーマレード」で知られる米国黒人女性3人組ラベルの再結成作はレニー・クラヴィッツやケニー・ギャンブルやワイクリフ・ジョンらが関与しているが、一曲だけザ・フーのレコード会社であるトラック・レコードの70年登録トラックが持ち出されている。そこで伴奏しているのはキース・ムーンやストーンズ付きピアニストとして知られたニッキー・ホプキンスで、その曲のプロデューサー・クレジットは当時のザ・フーのマネージャーだったキット・ランバート。あー、ホプキンスもランバートもすでに亡くなっている。演奏されるのは、コール・ポーターの「ミス・オーティス・リグレッツ」。調べたら、69年にラベルは新展開を求めて、英国に渡っているのだな。で、71年にワーナー・ブラザーズから出された、そのファースト作はランバートがプロデュースしているのだった。
続いて、丸の内・コットンクラブでS,O,S,バンドを見る。セカンド・ショウ。基本は同様だが、ドラマーはまだ20代前半だろう女性に変わっている。おお、叩き音がデカい。バンド音も大きい。前回のパフォーマンス(2006年11月24日)時よりも格好などは田舎臭いと思わせられたかも。が、80年代的ヴァイヴをがちんこな感覚と真心で送り出す様にはやはり高揚。前回の項を見るとプリセット音併用と書いているが、今回はナシだったんじゃないかな。ギタリストと鍵盤ベース奏者の演奏、いい感じでした。
アンコールに入りバンドがでてきて演奏していると、背後からぼくの腕を取る人がいる。あれっと思って振り返ると、それはなんとリード・シンガーのメリー・デイヴィス嬢。手の甲にキスをしてくれました。で、アンコール曲は彼女たち最大のヒット曲、「テイク・ユア・タイム」。途中で、ファンカデリックの「ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ」を歌い込む。うきっ。それから、会場にジャム&ルイスみたいな決めた格好している黒人がいるなと思ったら、オリジナル・メンバーだとメンバーからMCで紹介される。名前は聞き取れなかった(演奏に加わることもなかった)が、彼はどういう人なのだろう。