ブラジルばんざい、ブラジル人の素敵2連発の日。

 代々木公園の野外ステージ(渋谷・NHKの少し奥)で、かっとび混沌派の大家であるジョルジ・ベンジョール(旧名、ジョルジ・ベン)を見る!!! ブラジル発の最たる有名曲、「マシュケナダ」は彼が作ったものですね。毎年行われているフリー・イヴェント“ブラジルフェスティバル”への出演で、今年は昨日〜今日の開催。昨日はオロドゥンが出たとのこと、わー。公演の一角は出店もたくさん出ていて、お祭り模様。来ている人はブラジル人と日本人が半々ぐらいか(いや、ブラジル出身者のほうが多いかなあ)。なんでも、ブラジルでは企業がスポンサードする無料イヴェントが各地でよく開かれるんだそう。

 午後4時ちょい、ホーンを含むバンドにて御大は登場。人々の隙間からなんとかステージを垣間みる。サングラス着用のベンジョールはいい感じでにやけてる豪気なおっさん、という風情かな。ぼくは彼というとアフロ・ロック色の強い『アフリカ・ブラジル』(フィリップス、76年)をすぐに頭に思い浮かべる人で、9/2のスライの記載に続くようだが、ブラジルものを聞きたいというよりもオルタナ・ロックを追い求めたくてあのアルバムと出会い、ぼくは同作を聞きこんだハズ。そんなわけなんで、「タージ・マハール」(ロッド・スチュワートの「アイム・セクシー」の原曲)や「ウンババラウマ」など、同作の曲をやると、ぼくの血糖値はより上がった。

 レゲエ調やサンバ調曲なども含め、ときにごつごつと軽快にショウは進められる。……わけだが、ライヴ開始後ばらくして空の雲があやしくなり(ずっといい天気だったのにィ)雷音なども聞こえるようになり、実演が始まって40分後についに雨が降ってくる。以後、ずっと大雨模様。が、ベンジョールはそれ以後も意気軒昂に1時間少しパフォーマンスを続けた。強く、しなやかなビート・ポップ! 場内はずぶぬれになることに快感を覚える人が多数、それもまた野外イヴェントの醍醐味なり。終ると、公園奥のほうでゲリラ的にやっているサンバ隊音の演奏が聞こえる。

 そして、南青山・ブルーノート東京に移動して、ジョイスを見る(2007年7月24日、他)。ファースト・ショウ。前回と同様に旦那のドラマーを含む、ピアノ・トリオを率いてのもの(新たなベーシスト氏は現地の同業者からとてもピッチにうるさい奴と言われているよう)。ボサノヴァ生誕50周年ということで、いつもよりボサノヴァ有名曲を多めにやったのかな。なんにせよ、流麗で闊達で、力のあるパフォーマンスを披露。ギター演奏やスキャットも、本当にいい感じ。そこに漲る張りや瑞々しさなどは、ぼくが過去見た中で一番なんじゃないか。そう、思えたりも。もう60才は過ぎているはずだが、ぜんぜんヤレたところがない。その悠々の模様はイケてるおばさんのロール・モデルたりえるんじゃないか。そんなことも、しっかり感じたな。なんか先がみえちゃたナ的どよーんとした心持ちを持つ同性の方にぜひ彼女のギグをすすめたい。